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12/15【新日本】年内最終試合に聖地沸騰 ケニー&飯伏激勝でドーム決戦へ弾み

『Road to TOKYO DOME』東京・後楽園ホール(2018年12月15日)
○ケニー・オメガ&飯伏幸太vs棚橋弘至&ウィル・オスプレイ×

 新日本プロレスの2018年最終試合で、ケニー&飯伏のゴールデン☆ラヴァーズが死闘の末に棚橋&オスプレイに激勝。1・4東京ドームでのタイトル防衛に弾みをつけた。

 1・4東京ドームで激突するIWGPヘビー級王者・ケニーと挑戦者・棚橋、NEVER無差別級王者・飯伏と挑戦者・オスプレイがそれぞれ分かれてタッグを組み、最後の前哨戦に臨んだ。

 新日本の2018年最後試合は後楽園ホールを揺るがす死闘になった。のっけから棚橋&オスプレイが好連係を決めて同時エアギターを披露。負けじとゴールデン☆ラヴァーズは合体技・クロススラッシュ(同時三角飛び式ケブラーダ)を繰り出す。合間合間でケニーと棚橋は激情をぶつけ合い、エルボー合戦を展開すると、高速ドラゴンスープレックスとスリングブレイドでせめぎ合った。飯伏とオスプレイも空中戦を繰り広げる。

 そんな中、オスプレイがケニーを攻めに攻めてチャンスを掴む。Vトリガーに被弾しても、その場飛び式スパニッシュフライをズバリ。コークスクリューキックもクリーンヒットした。場外ダイブ攻撃は飯伏がスワンダイブで飛びついての雪崩式フランケンシュタイナーで鎮圧にかかるが、オスプレイはそのまま不時着して度肝を抜くと、飯伏と壮絶な打撃戦を繰り広げた。

 飯伏はラリアットを振り抜いてオスプレイの動きを止めるが、棚橋が急行。飯伏のオーバーヘッドキックをキャッチして、リバースドラゴンスクリューを見舞う。ならばとケニーは掟破りの逆スリングブレイドを棚橋にズバリ。これには客席からブーイングが飛んだが、ケニーは逸材ばりにコーナーに上がってポーズを作った。

 場内は何度も沸騰する中、ゴールデン☆ラヴァーズは必殺のゴールデン☆トリガーでオスプレイを仕留めにかかる。棚橋が阻止したものの、ケニー&飯伏はVトリガー&ハイキックの同時弾で棚橋を場外に蹴散らすと、オスプレイにはゴールデン☆シャワー(同時ファイヤーバードスプラッシュ)を狙った。

 しかし、息を吹き返したオスプレイはスパニッシュフライで2人を同時にぶん投げて大逆転。ケニーめがけて棚橋のハイフライフロー、オスプレイのシューティングスタープレスが時間差でクリーンヒットする。決定的な場面だったが、飯伏のカットが間に合うと、4人がリング上で大の字。客席からは手拍子が発生した。

 25分を経過すると、戦いはさらにヒートアップ。後楽園ホールには何度も"重低音ストンピング"が発生する。オスプレイのストームブレイカーを切り抜けたケニーがリバースフランケンシュタイナーを放つと、飯伏のシットダウン式ラストライド、ケニーのダブルアーム式パイルドライバー、Vトリガーが次々とさく裂。ケニーは片翼の天使で勝負に出た。

 オスプレイはこれを急角度のフランケンシュタイナーで切り返したが、惜しくもカウントは2止まり。それでも怒とうの攻撃は続き、飯伏のハイキックをケニーに誤爆させると、棚橋も加勢に入り、同時ダルマ式ジャーマンが火を噴いた。止まらないオスプレイは前後からトラースキックを乱射し、オスカッターを狙うが、ロープに飛び乗ったところを飯伏が組みついて阻止する。ケニーは背後から奇襲して片翼の天使の構え。オスプレイは抵抗を止めなかったが、飯伏がスワンダイブで突っ込み、PKこころ(インディーテイカーと同型)が完成する。棚橋がカットに入るが、飯伏はハイキックで返り討ち。今度こそゴールデン☆トリガーをオスプレイに突き刺し、死闘に終止符を打った。

 後楽園ホールを何度も沸騰させた末に、ケニーと飯伏が激勝。最後のW前哨戦を勝利で締めくくり、東京ドーム決戦に弾みをつけた。ケニーもこの日の熱戦に手応えを感じたようで、「俺の考え方は正しいかと思ったんですけど、もちろんタナの考え方は正しくないと思っているんですけど、もしかしたら2人とも間違っているかもしれない」と吐露。これまでケニーと棚橋はプロレスに対するイデオロギーをぶつけ合ってきたが、「本当の一番いいスタイルは、今日みたいな試合。全てを懸けて、全力で、魂で試合をやる…のが正しいんじゃないですかね」とそれを融合させたところに答えがあると思ったようだ。

 とはいえ、棚橋へのライバル心は燃え上がる一方で、「だけどさ、棚橋さん、お前のことまだ別に好きじゃないです。東京ドームでは悪いことしちゃうかもしれないね」と予告。ドーム決戦に向けての期待感が後楽園ホールを包み込む。飯伏も気持ちは爆発寸前で、「オスプレイと自分の試合は絶対に絶対にいい試合になる、いい試合をした上でまた1月5日、帰ってきたいと思います」と力強くファンに約束した。

 大歓声を受けたケニーはアカペラで『ホワイトクリスマス』を口ずさむと、リングには人工の雪が降り注ぐ。ゴールデン☆ラヴァーズは改めてファンの前でタイトル防衛を誓うと、最後はケニーの「グッバイ&グッナイ」で2018年の新日本プロレスが幕を閉じた。

【試合後のケニー&飯伏】
▼ケニー「まだまだ終わっていないんだな。年内最後の試合はもしかしたらマッチ・オブ・ザ・イヤーになるような戦いができたけれども、何となく今は空虚で悲しい気持ちである。今年は自分にとって一番忙しかった1年かもしれない。でも、なんでこんな悲しかったのか、少しわかった気がする。ここ2年は必ず1人のライバルがいた。例えば内藤。彼を倒すことに喜びを見出してきた。今年の相手は棚橋。こういうところで少し悲しみを感じていたのかもしれない。でも、今日の試合で少しやる気が出てきた。お前のシワシワの顔、そして緩んだ身体。そこからお前のいい部分全てを吸い取ってやろうという気分になれた。何がお前を特別な存在にしているのか? それも少しわかったかもしれない。東京ドームが楽しみになってきた。今年をいい形で終わらせたいと思っていたが、まだまだ1・4まで、年が明けるまでは自分の目標が達成することはないだろう。自分のやることリストには、棚橋の尻を叩いて、4万5000人の前で恥をかかせることがまだ残っているんだ。だからこそ、そのやるべきことに向けて準備をしていこう。今日は特に、飯伏が隣にいてくれたからこそできた。こんなに素晴らしい試合が彼と一緒にできたことは何事にも変えられない。イブシサン、何か?」

▼飯伏「リング上で言った通り。絶対東京ドームは僕もケニーもいい試合をして勝とう」

▼ケニー「(日本語で)ハイ…。やっぱり頭が痛いね」

▼飯伏「今日、なんかおかしくなった?」

▼ケニー「おかしくなりました。歌った、俺たち?」

▼飯伏「歌った」

▼ケニー「いつもはシャワーの中だけですね。もう歌えない」

▼飯伏「でも、ドームは必ず…」

▼ケニー「歌いましょう。(英語に戻り)今日のやり方は俺のスタイルではなかったかもしれない。でも、隣にいる飯伏のおかげでいい試合ができたと思っている。新日本にはヤングライオンがいるが、輝かしい未来が彼らには待っている。俺たちはDDT出身だけれど、新日本の未来のためにも頑張っているんだ。だからこそ、若い選手たちはしっかりと試合を見て、そこから学んで、止まることなく前進してほしい」

プロ格 情報局