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12/31【RIZIN】まさに子供扱い…メイウェザー圧巻の1ラウンドKO “初黒星"に那須川号泣

『Cygames presents RIZIN.14』さいたまスーパーアリーナ(2018年12月31日)
SPECIAL EXHIBITION ○フロイド・メイウェザーvs那須川天心×

 メイウェザーがパンチのみのエキジビションマッチで那須川を圧巻の1ラウンドKO。公式戦ではないといえ、“初黒星"を喫した那須川はリング上で号泣した。

 キックボクシングでは28戦28勝を誇る“神童"那須川は、今年8月に堀口恭司とキックルールで対戦。「世紀の一戦」を判定で制した。そんな那須川に、プロボクシングで50戦50勝(27KO)無敗、5階級制覇を成し遂げた伝説の男・メイウェザーとの対戦が浮上。一度は異種格闘技戦として発表されたものの、最終的にはパンチのみ認められる3分3Rのエキジビションマッチに決定した。ルール面は直前まで紛糾し、一部では「那須川がメイウェザーを蹴った場合、500万ドルの罰金が要求される」との報道も。試合当日、体重差を考慮して、メイウェザーが10オンス、那須川が8オンスのグローブをつけて戦うことが発表となった。

 アメリカ以外のリングに初めて上がるメイウェザーは21時半に会場入り。悲壮な決意を胸にリングに上がった那須川に対し、20人近くのお付きを引き連れ、余裕タップリに笑みまで浮かべて登場した。続いて、GACKTさんが「君が代」を、BENIさんがアメリカ国歌を独唱し、いやが上にも決戦ムードが高まる。

 23時19分にいよいよゴングが打ち鳴らされる。笑みを浮かべて低く構えるメイウェザーはジャブから右ストレートに行くが、那須川もカウンターのストレートを合わせて、メイウェザーの顔面を捕らえた。大歓声を浴びたが、表情を変えたメイウェザーは鋭いパンチでどよめきを誘い、左右のフックで畳みかけて那須川を早くもダウンさせる。懸命に那須川は立て直そうとするが、メイウェザーは右ボディフックからすぐに右フックで顔面を射貫くコンビネーションで再度ダウンを奪取。さらに、左フックで3度目のダウンを奪うと、セコンドからタオルが投げ込まれる。レフェリーが試合を止め、メイウェザーの完勝で試合終了となった。

 あくまでも公式な試合ではなく、結果に残らないエキジビションとしての“初黒星"となったが那須川は悔しさのあまり号泣。メイウェザーはそんな那須川の手を掲げ、トロフィーを渡して健闘を称えた。

 勝利者インタビューに応じたメイウェザーは「とにかく言いたいこととしては、日本の皆さん、そして東京、素晴らしい! 本当にありがとう。そして、今日のこの試合、私としてはエンターテイメント性…皆さんに楽しんでもらえる試合というものを意識しました。そして、それを実現できたことは本当に嬉しく思います。神に感謝したいと思います。このイベントに起用してくれた全ての人に感謝したいと思います」と何度も感謝を口にした。

 そして、「対戦相手になってくれた那須川天心選手に心から感謝の言葉を伝えたいと思います。今回はRIZINのスーパーエキジビションということで、皆さんに楽しんでもらう試合展開を意識したわけですが、公式戦ではない…つまり記録には影響しないということで、自分もそうですが、天心選手も無敗の王です。これは今後も続きます。自分は引退した立場なので、その立場は今後も変わりません」と那須川にもメッセージ。「リング上ではとにかく素晴らしい格闘家であると誇りに思って、頭(こうべ)を高く保って今後を歩むようにと言葉をかけました。世界の皆様がどうか那須川選手を応援してくれますようにと思います」と呼びかけると、「RIZINはここにお集まりの皆さんも含めてナンバーワン。世界最高です」と笑みを浮かべて大みそかの激闘を締めくくった。

【試合後のメイウェザー】
▼メイウェザー「ここに来ていただいた日本の皆様、ファンの皆様、本当にありがとうございます。何度も言っていますが、これはエンターテイメントです。私としては人を楽しませたいと思っています。天心選手は素晴らしいチャンピオンです。まだまだ若いライオンです。これからもまだ成長する余地がたくさんあります。そして、これも繰り返しになりますが、この試合は記録に残りません。なので、しっかりと今後とも頑張っていってもらいたいと思います。そして、サポートしてくれた皆さん、スポンサーの皆さん、チームの皆さんにも感謝の意を表したいと思います。また、アメリカから観に来てくれた人もいると聞きましたが、そういう人たちにも感謝の気持ちを伝えたいです。これは試合ではないんですが、大きなイベントとして、一緒に楽しんでくれればと思ってました。もう一度言いますが、私と一緒にリングに上がってくれた天心選手に敬意を表したいと思います。どうもありがとう」

※ここでコメントブースの外から新年を迎えるカウントダウンの声が聞こえると、メイウェザーもそれに声を合わせ、「ハッピーニューイヤー!」と宣言。コメントブースは拍手に包まれた

▼メイウェザー「皆さん明けましておめでとうございます。この年がポジティブでエネルギーに満ちた、そして愛がある1年になりますように心から願っています。今まで私と一緒に頑張ってくれた人、家族、親族のみんな、ずっと練習に付き合ってくれたみんなに感謝を言いたいと思います。若い選手を私としては育てていきたいと思っていますので、そういった活動をこれからもやっていきたいです。コンタクトスポーツではいい時もあれば悪い時もあります。ただ、それでも一所懸命やっていくことが大切です。なので、天心選手にはまたこれからもずっと頑張っていってほしいと思っています。私はまだ引退の状態にあります。もう一度言います。まだ引退です。私はカムバックするつもりはありません。アメリカに残っているチームのみんながリング内だけでなく、リング外でも賢い選択をサポートして、導いてくれました。なので、私は現役時と同様に、未だに同じような生活を送ることが可能になっています。私としては先ほど言ったように、若い選手を育てていきたい。ここにも1人連れてきているんですが、彼は将来いいチャンピオンになる素質を持っている選手です。そういった選手に自分の姿を見せて、そうやって学んでいってほしいと思っています。自分のチームのみんなにも世界のいろんなところに行って、いろんな文化を学んでほしいと思っています。日本は本当に美しく、キレイな国です。いつも敬意を持って私に接してくれます。何度も日本に来ていますが、また来たくなるような国です。新年なので私としてはあんまり質問を受けたくないと思っているんですけど、アメリカでパーティしようと思ってます。私がここに来たのは、こうやって取材をしてくれる皆様への敬意、ここまでカバーしてくれる皆様への敬意を表したいと思ったからです。RIZINにまず感謝をしたいと思います。日本の素晴らしいRIZINです。10年来の友人たちに感謝したいと思います。この仕事に来てくれた皆様、本当にありがとうございます」

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