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2/3【新日本】飯塚の花道襲撃で無効試合寸前も…手負いの内藤がタイチ撃破でIC王座死守、二冠獲りに照準

『THE NEW BEGINNING in SAPPORO〜雪の札幌2連戦〜』北海道立総合体育センター・北海きたえーる(2019年2月3日)
IWGPインターコンチネンタル選手権試合=○内藤哲也vsタイチ×

 飯塚高史に花道で襲撃された内藤が大ダメージを負い、無効試合寸前となるも、最後は意地のデスティーノでタイチを撃破し、IWGPインターコンチネンタル王座を死守した。試合後、内藤は改めてIWGPヘビー級王座との同時戴冠を次なる目標に掲げた。

 内藤は1・4東京ドームでクリス・ジェリコを破り、IC王座を奪還した。そんな内藤の初防衛戦の相手に浮上したのがタイチだ。1・5後楽園で新王者をKO。タイトル挑戦に名乗りをあげた。1・21後楽園、1・28後楽園でも内藤を叩きのめし、「冬の札幌では何かが起こる」と意味深げに予告していた。

 その予告がいきなり現実のものとなる。あとから入場してきた王者・内藤を、タイチと同じく鈴木軍に所属する飯塚が花道で襲撃。35年前に藤原喜明が試合前の長州力を襲ったテロ事件を再現するかのように、脚立を使って一方的に暴行した。しばらくそれを見守っていたタイチも動き、花道上でブラックメフィストを強行。ゴング前に内藤をKOした。

 客席から内藤コールが巻き起こるが、王者はピクリとも動かない。場内が騒然となる中、三澤トレーナーが状態を確認。ドクターチェックをするため、内藤はセコンドに背負われて、バックステージへと運ばれていく。「帰れ」コールを浴びたタイチだったが、ベルトを強奪すると、「うるせえ、コノヤロー。試合は終わったんだ。おい、これで今日のメインイベントは終わりだ。てめえら帰れ」と客席に罵声を浴びせた。

 菅林会長、三澤トレーナー、海野レフェリーがリングサイドに集結して対応を協議。三澤トレーナーは手でバツ印を作り、内藤が試合できる状態でないことを告げると、無効試合という言葉も口に出た。

 しかし、ここでBUSHIに肩を借りて内藤が再登場。止める三澤トレーナーを振り払ってリングに入り、ゴングを鳴らせとアピールする。運営サイドが最終的な判断を下し、やっとここで試合はスタートした。

 とはいえ、内藤のダメージはひどく、体に力が入らない。エルボーを受けるとすぐにリング上で崩れ落ち、ドロップキックを返しても、マットに転落した衝撃でもだえ苦しむ。そんな姿を見たタイチは「終わりだよ。止めろ!」とアピールした。

 内藤は体に残るわずかばかりの力を振り絞って反撃を仕掛けるも、余裕のタイチはアックスボンバーをぶち込んで鎮圧する。そして、リングサイドにテーブルを設置すると、そこめがけて断崖式ブラックメフィストを狙った。だが、内藤は必死に切り抜け、起死回生の断崖式パイルドライバーをグサリ。テーブルは真っ二つにへし折れる。リングに戻っても雪崩式フランケンシュタイナーで追い討ちをかけ、やっと五分五分の状況に持ち込んだ。

 粘るタイチは師匠・川田利明の技を多用。ジャンピングハイキック、デンジャラスバックドロップ、ストレッチプラム、ステップキックと畳みかけたが、パワーボムは決まらない。内藤はフランケンシュタイナーで切り返すと、スパインバスター、スイング式DDT、グロリアと怒とうの大技ラッシュ。またまた飯塚が乱入したが、鉄柵に投げ飛ばして返り討ちにした。

 このスキを突いて、タイチはレフェリーを排除して無法地帯を作り上げ、IC王座のベルト片手に内藤に襲いかかる。しかし、延髄斬りで切り抜けた内藤はお返しとばかりにタイチのマイクスタンドを強奪。それでアゴを突き上げ、背中に振り下ろした。

 引かないタイチもパイプイスを投入し、内藤の脳天に一撃。底板が抜けるほど強烈な攻撃で攻勢に転じると、絶叫してからデンジャラスバックドロップをお見舞いする。内藤の抵抗を受けても、レフェリーの死角を突いて急所蹴りをズバリ。タイチ式外道クラッチでニアフォールに追い込んだ。内藤ファンの悲鳴が巻き起こると、タイチ式ラストライドの体勢に。

 背後に不時着して難を逃れた内藤は、レフェリーを突き飛ばして視線を逸らすと、お返しの急所蹴りを発射。ランニング式デスティーノで決定機を掴む。正調デスティーノは踏ん張ったタイチがブラックメフィストでの切り返しを試みたものの、内藤はリバースフランケンで黙らせる。そして、バレンティア(変型ノーザンライトボム)から今度こそデスティーノをお見舞いし、苦闘を勝利で締めくくった。

 タイチの手段を選ばぬ攻撃を耐え抜いて、内藤がIC王座V1。鈴木軍とのタイトル3連戦も、ロス・インゴ軍の3連勝に終わった。大声援を浴びた内藤は「俺はこのIWGPインターコンチネンタル王座を持ちながら、IWGPヘビー級王座を狙っていきたいと思います」と次なる目標に二冠同時戴冠を改めて掲げ、「その偉業を皆様、楽しみに待っててください。その偉業が達成されるその日まで…トランキーロ、あっせんなよ」と吠えた。

 「我々ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを応援してくださる札幌、そして北海道のお客様。この北海道では2度目となる大合唱…そして、札幌では平成最後の大合唱。皆様、思う存分叫んでください」と前口上したうえで、最後は「デ! ハ! ポン!」の大合唱。冬の札幌で確かに事件は起きたが、“制御不能な男"はそれを乗り越え、完璧に締めてみせた。

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