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2/5【DRAGON GATE】大鷲の14年ぶり“里帰り”でT2Pが復活 3・7後楽園に菅原参戦へ

 『TRUTH GATE 2019』後楽園ホール大会が5日、行われ、大鷲透が14年ぶりに“里帰り"参戦。同期とともにT2Pを復活させ、闘龍門JAPANの先輩たちと久々に対戦した。試合後、吉野正人に「誰か3月の後楽園に呼べないですか?」と問われた大鷲はZERO1で活躍する菅原拓也の名前を挙げ、菅原の3・7後楽園出場が浮上した。

 T2Pは2000年に闘龍門JAPAN(当時)内で立ち上がった別ブランド。空中殺法中心ではなく、ルチャ流のクラシカルな関節技・ジャベを中心にしたファイトスタイルで、6角形のリングも話題になった。その後、闘龍門JAPANとの抗争を経て、2003年に解散し、本体に吸収された。ミラノコレクションA.T.(引退)、YOSSINO(吉野正人)、“brother"YASSINI(“brother"YASSHI)、コンドッティ修司(近藤修司)、ペスカトーレ八木(八木隆行本部長)、セカンド土井(土井成樹)、しゃちほこマシーン弐号(しゃちほこBOY)らがメンバーだった。

 同じくT2Pに所属していた大鷲透が20周年記念特別試合に出場決定。「素行不良および職務怠慢」を理由にユニット・悪冠一色として2004年12月に解雇されて以来、約14年ぶりの古巣参戦となった。それに合わせて、同じく闘龍門7期生の吉野、YASSHI、しゃちほこBOYも当時のコスチュームで登場し、闘龍門JAPAN出身のドン・フジイ&堀口元気&横須賀ススム&齋藤了組と激突した。

 吉野は長髪のカツラを装着してのターザンスタイルで入場し、どよめきを誘う。最近はDDTでコミカルなファイトを見せている大鷲だが、当時は極悪ヒール。今宵は険しい表情でリングに入った。対する闘龍門JAPAN軍は堀口&ススム&齋藤が当時のユニット・Do FIXERのTシャツを着て、かつての入場テーマ曲で登場した。

 ゴングが鳴っても大鷲はヒールモードで試合を展開。同じく相撲出身のフジイとのっけから肉弾戦を繰り広げ、逆水平合戦でせめぎ合った。大鷲に負けじと、吉野はハイスピードのロープワークからコルバタを決めて大歓声を巻き起こすと、YASSHIは両手と口で当時に相手チームの股間を痛めつけるサンタマリアを披露。イタリアンコネクションの連係にも久々に挑戦し、合体の股裂きに齋藤を捕獲した。

 再びリングに入ると大鷲はまたまた奮戦。フロントハイキックで相手チームをナデ斬りにすると、ドラゴンスクリューから首投げ&ヘッドシザースホイップなどルチャ殺法を披露して場内を沸かせる。すかさず吉野&YASSHIが同時トペスイシーダ、しゃちほこがケブラーダで飛翔。大鷲もトペの構えに入ったが、斎藤が場外から足をすくって阻止した。

 「絶対飛べないって」と言い放った斎藤は、大鷲にかつての必殺技・サイクリングヤッホーを狙う。大鷲が逃げ出しても、「大鷲、やらせろ。どっちが先輩だ」と猛アピール。根負けした大鷲は仕方なく自ら捕まりにいき、悲鳴をあげた。

 徐々に最近のコミカルな大鷲に変わっていったが、それでも終盤では豪快なランニング式ノド輪落としを敢行。ここぞとばかりに、しゃちほこがミサイルキックやカサドーラ、連続式ラ・マヒストラルでススムを追い詰めた。しかし、ススムはカウンターのジャンボの勝ち!で一気に勝機をたぐり寄せると、最後は横須賀カッターで試合を制した。

 試合後、闘龍門JAPAN勢とも抱擁を交わした大鷲は、「職務怠慢、素行不良の大鷲様だ。DRAGON GATEのリングに帰ってきたぞ!」と古巣のファンにあいさつ。「正直、今日はどういう環境でここに迎えられるか全然わからず、久しぶりに緊張してました。凄い不安でいっぱいだったんだけど、ここにいる仲間たち、そしてお客さんたちのおかげで無事里帰りすることができました」と素直に語ると、場内は大きな拍手に包まれた。

 大鷲は同期たちに言葉をかけていく。吉野に「お前はこの14年、このDRAGON GATEのリングでずっとトップに立ち続けてきた。俺はお前のことを最高に誇りに思うよ」、しゃちほこに「正直、お前とこのDRAGON GATEでまた会えるとは…。一番感慨深いね。お前はT2Pが無くなる時に辞めようとしてたよな…泣くなよ。泣いてるかわからないけど(笑) お前は最高の弟分だよ。辞めないで残ってくれてありがとうな」と投げかけると、それを聞いた同期たちは感激した表情をのぞかせた。

 締めを任された吉野は「1月は近藤修司が来てくれました。2月は大鷲透が来てくれました。じゃあ、3月の後楽園は誰が来てくれるんだと。そういう話になると思うんですけどね。大鷲さん…。誰か3月の後楽園に呼べないですか?」と大鷲にブッキングをお願いした。

 「人任せ? そして今? いつからこんないろいろ急な団体になってしまったんだ」と困惑した大鷲だったが、「こんないきなり連絡して出れるのは菅原ぐらいしかいないよ」と告白。それを聞いた瞬間、吉野は「いてるやないか!」と突っ込む。大鷲は「わからないけど、たぶん菅原は暇だから大丈夫」と勝手に了承。大鷲らとともに14年前にDRAGON GATEを解雇された菅原の3・7後楽園への出場が浮上した。

 「俺たち、また次にどういう形で会うかわからないけど、大鷲さんもこれ一発とは言わず、またいつでもこのDRAGON GATEのリングに帰ってきてくださいよ」と吉野。「DRAGON GATEはこれからも20周年、思いっきり突っ走って、皆さんに楽しんでいただけるように、盛り上げていきたいと思います」と宣言したが、急に自分の今の姿が恥ずかしくなったようで、「とりあえず僕は一刻も早く控え室へ帰らせてください」と告げて記念試合を締めくくった。

【試合後の吉野&YASSHI&しゃちほこ&大鷲】
――久しぶりのDRAGON GATEのリングはどうだった?

▼大鷲「14年ぶり…。昨日のことのようにね。14年経ってもみんな変わらないなあと思って、いろいろ感慨深かったです」

――リング上ではどんな気持ちだった?

▼大鷲「14年経っていると、大鷲透という人間を知らないお客さんが多いんじゃないかと思って。どんな反応をされるのか未知数だったんでね。暖かく迎えてくれたお客さんと仲間たちがいたんで、安心して試合をすることができました」

――YASSINIとして戦ったYASSHI選手はどうだった?

▼YASSHI「試合がうんぬんよりも、この組み合わせというか。大鷲もそうやけど、先月出た近藤もそうやけど、俺もそうやねんか。素行不良でクビになって、出て行ったヤツがこうやって戻ってきて、一緒になってこの7期生で組んで、試合できるってことが…。そやな、考えられへんというか。みんな待っててくれたお客さんもそうやし、DRAGON GATEの会社もそうやし。ちょっと大人になったやろ?」

▼大鷲「なに、そんなまともなこと言ってるの? おかしいぞ。どうした、brother。そんなんじゃなかったろ?」

▼YASSHI「世間見てきたら、ちょっとは大人になるよな」

――しゃちほこ選手はどうだった?

▼しゃちほこ「最高です!」

――YOSSINOとして戦った吉野選手は?

▼吉野「久々に来日したんですけどね。YOSSINOというそれ以上に、大鷲透が入場ゲートから出てきた時の歓声ですよ。あれが全てですね。お客さんの待ってました感がヒシヒシと伝わってきたんで。リング上でも言いましたけど、これ1発じゃなくて、ドンドンいつでもDRAGON GATEのリングに帰ってきてくれていいんで。またその時を楽しみに待ってますよ」

▼大鷲「これ以上、また職務怠慢、素行不良しないようにしないと、と思います。もう40過ぎたんで」

――来月は菅原選手が登場する?

▼吉野「大丈夫ですか、勢いで。スケジュール確認しました?」

▼大鷲「まだ聞いてないけど、たぶんTwitterあたりで今頃、知っていると思うんで」

▼吉野「まあまあ、リング上で言っちゃいましたから。これは意地でもスケジュールを菅原に空けてもらわないといけないんで。1月に近藤が出て、2月に大鷲透が出て、3月に菅原拓也が来てくれるとも思うんでね。またこの20周年の記念試合を楽しんでいただけたらと思います」

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