プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

2/15【MASTERS】「武藤はキング…詐欺師だ!」 フライ離反で蝶野T2000がBATT粉砕

『PRO-WRESTLING MASTERS』東京・後楽園ホール(2019年2月15日)
○小島聡&天山広吉&スーパーJ&ヒロ斉藤 with蝶野正洋vsドン・フライ&大谷晋二郎&新崎人生&太陽ケア× with武藤敬司

 フライを造反させたT2000がBATTを撃破。総帥・蝶野は、MATERSをプロデュースする武藤を「このMASTERSにはキング・武藤がいる。お前らキングってピンと来ないのか? わかるか、お前ら。詐欺師だ。お前らも騙されているんだ」と糾弾した。

 BATTは2001年2月、アメリカWCW遠征から帰国直後の武藤が中心となって結成された超党派ユニットで、“垣根を越えた悪ガキども"がコンセプトだった。武藤を象徴する"プロレスLOVE"の合い言葉もこの時に生まれた。

 昨年の8・21後楽園で16年ぶりに復活。時空を超えた平成維震軍との初対決が実現し、勝利を飾った。今宵の対戦相手は当時抗争を繰り広げた蝶野率いるTEAM2000。90年代末期から2000年代初期に新日本マットを沸かしたユニットで、昨年の2・16後楽園で復活している。今宵はBATTから大谷&人生&ケア&フライ、T2000からスーパーJ&ヒロ&小島&天山が登場。ヒザに人工関節を入れた影響で欠場中の武藤と蝶野もそれぞれセコンドについた。

 田中ケロアナに呼び込まれて、武藤と蝶野を加えた10人がリング上で対峙。いやが上にも場内は盛り上がる。まずは先発した人生がいきなり見せ場。ロープ拝み渡りを披露した。大谷はかつて新日本マットでしのぎを削った天山と対峙。「久しぶりだな!」と胸板に張り手をぶち込んで真っ向からやり合うと、水面蹴りをお見舞いした。

 ならばと天山は小島とともにモンゴリアンチョップを乱射すると、ここから大谷をT2000が攻め込んでいく。ヒロが得意のセントーンを落とせば、スーパーJは滞空式ブレーンバスターで追い討ち。連続串刺し攻撃からスーパーJのラリアット、ヒロのセントーンもさく裂する。

 劣勢を覆したのは人生だ。大谷に代わってリングに飛び込むと、念仏ダイビングショルダーや曼陀羅捻りで天山を圧倒する。久々の来日となったフライもナックルパートを乱射し、スリーパーに捕獲。再び入った大谷は顔面ウォッシュで観客を味方につけると、ジャーマンも敢行したが、天山もラリアットでやり返した。

 両軍代わって、かつて世界タッグ王座をともに保持したことのある小島とケアが向かい合う。小島はマシンガン逆水平からダイビングエルボードロップ、ローリングエルボーと猛攻。ケアのサンケアキックに被弾しても、コジコジカッターで鎮圧した。さらに、T2000が連続串刺し攻撃で打って出ると、総帥・蝶野がリングイン。大歓声の中、ケアにシャニングウィザード式ケンカキックをぶち込む。

 これに呼応した武藤もリングに飛び込み、ドラゴンスクリューを乱れ打ち。蝶野以外の4人をなぎ倒して、一気に形勢打開を果たした。ここぞとばかりにBATT軍が小島に集中砲火。武藤もシャイニングウィザードを突き刺すと、ケアがTKO34thで勝負に。

 しかし、小島はキックアウト。すると、蝶野がイスを持ってリングにまたも飛び込む。武藤が止めに入るが、蝶野はイスで暴行。すると、フライが蝶野を止めに入ったものの、奪い取ったイスでケアを殴り飛ばして裏切る。ここがチャンスと小島はラリアットを振り抜いて、ケアを沈めた。

 T2000の初期メンバーだったフライをBATTから造反させて、蝶野軍が勝利。マイクを持った蝶野は「おい、武藤。お前、いつまでこんな興行やってんだ!? ここに出ているOBを俺はみんな尊敬している。まさにMASTERSだ。いいか、そのMASTERSを食い物にしているのはお前だ!」と武藤を名指しで批判した。

 「かつて新日本プロレスには神がいた。そして今、このMASTERSにはキング・武藤がいる。お前らキングってピンと来ないのか? わかるか、お前ら。詐欺師だ。お前らも騙されているんだ」と現在ニュースを騒がせている「キング」と名乗る詐欺師にあやかって、武藤をなおも糾弾。「我々T2000はキングからプロレス業界を守らなきゃいけない。そのために、我々はこれからMASTERSを含め、プロレス界の防犯だな」とアピールした蝶野は、「武藤はろくでもないヤツだ」とさらにこき下ろす。さらに、選手たちだけでなく、観客やマスコミも武藤に騙されていると指摘し、「MASTERS、本当に素晴らしいOBたちが精一杯頑張ってくれている。こういう興行をなくさないためにも俺は武藤をしっかりチェックしていく」と高らかに宣言した。

 BATT敗退に肩を落とした武藤だったが、「やっぱり彼らからはエネルギーをいただきましたよ。俺も早く復帰したくなってますよ」と仲間たちの奮闘に刺激を受けた様子で、長州が完全引退する6・26後楽園での復帰に意識を集中させた。

 一方の蝶野は「今日見た感じだと、ヒザの手術の経過も良さそうなんで。早くリングに上がって来てもらって。リングから離れて、裏方に行けば行くほど悪いことを考えますから」と武藤の復帰を熱望。「まだまだ本当にメンバーはたくさんいます。新しいメンバーもドンドンドンドン追加していきますんで。なんかあれば、いつでもこのMASTERSに顔出しに来るつもりなんで」とMASTERS再侵攻を予告したが、自身の復帰については「今日はイスを持ったら、ちょっとよろついたんでね(笑)」と慎重な姿勢を崩さなかった。

【試合後の蝶野&天山&ヒロ】
▼蝶野「面白い興行でした」

――試合中にフライ選手をT2000に引きずり込んだが?

▼蝶野「いやいや、ドンはもともとT2000の立ち上げの時に、最初から新日本をぶっ潰すぞと。そういうような形で、そういう長い絆がありますから」

――武藤選手にイス攻撃をやったりと、リング上でも動いていたが?

▼蝶野「でも、あんまり余計なことをしないほうがよかったかなと。ジェフ(スーパーJ)なんかも試合は今ほとんどやってないんですけど、現役の時とまったく変わらないぐらいのコンディションで動いているし、ドンなんかもかなり長い間、リングに上がることから遠ざかってたと聞いてたんですけど、まったくそういうものを感じさせない。外国人のこの2人はこのまま新日本のベルトでタッグで狙えるんじゃないかっていうぐらいコンディションがよかったんで。ヒロさんについてはもう見ての通りです」

▼ヒロ「あまりしてないけどね」

――試合後にマイクを持って、「武藤をチェックしていく」という言葉があったが?

▼蝶野「MASTERSはプロレス界の錚々たる方々をもう一度リングに上げると。本当に素晴らしいなと。ただ、高齢者の先輩方の使い方がちょっと…。記憶もちゃんとしっかりしてなさそうな方たちも多いんでね。その方の使い方が、非常に巧みでやり方が上手だなと。お客さんも騙されているし、マスコミも騙されているし。その辺のところがキングと一緒というか。新日本の中でいろいろ歴史がありましたけど、その中で武藤敬司っていうのはプロモーターとしての腕も素晴らしいですよね。この辺の使い方。たぶん今年出たOBの半分ぐらいの方は去年出たことを忘れて、また単に招聘されてリングに上がっていると思うんですよ。意外と長州さんは去年のこと覚えてないんじゃないかな? そんなことない? そんなことあるよね?」

▼天山「まあ…」

▼蝶野「ヒロさんは覚えてますか?」

▼ヒロ「まだそこまでいってないですよ」

▼蝶野「俺も忘れてる、去年出たことを」

▼天山「ちょうど1年ですよね」

▼蝶野「その辺がOBの方たちには不安ですよね。やっぱり上手にリングに上げられて、お客さんたちも去年よりまた人数が増えているし、これ以上被害者を増やさないようにという思いでいっぱいです」

――武藤選手は夏ぐらいにまたやりたいと言っていたが?

▼蝶野「でも、今日見た感じだと、ヒザの手術の経過も良さそうなんで。早くリングに上がって来てもらって。リングから離れて、裏方に行けば行くほど悪いことを考えますから。やっぱりリングに上がっている選手たちは本当に純粋です。裏方の人間というのはどんな時代も汚い人間が多いんで。その辺を選手たちはわからず、リングに上がって一生懸命。今日のOBの方たちも動悸・息切れの中で一生懸命頑張ってましたから。そこら辺のケアをしっかり。皆さんもね、今日は息切れされているカメラマンもいっぱいいらっしゃったんで、ケアしながらの興行にしてもらいたいですよね。我々T2000は、新日本の中でいろいろな選手たちに当時声がけをして参加してくれてましたんで。まだまだ本当にメンバーはたくさんいます。新しいメンバーもドンドンドンドン追加していきますんで。なんかあれば、いつでもこのMASTERSに顔出しに来るつもりなんで。よろしくお願いします」

▼天山「蝶野さんもコンディション、メッチャいいじゃないですか?」

▼蝶野「いや、俺はダメだわ」

▼天山「今度はまた選手と試合をやりましょう」

▼蝶野「今日はイスを持ったら、ちょっとよろついたんでね(笑)」

▼天山「蝶野さんがやっぱいると心強いというか。T2000はドン・フライも、ジェフも、もちろんテンコジ、そしてヒロさんもしっかりとまた俺たちの絆を(確認できた)。年に一度のじゃないですけど、あとは蝶野さんがリング上で…」

▼ヒロ「立っただけでいいから」

▼天山「立っただけじゃダメですよ。またガンガンやってもらいたいなって。お願いします」

▼蝶野「頑張ります(笑)」

【試合後の武藤】
▼武藤「何も言うことはないよ。質問だ。質問に答えるよ」

――フライ選手が試合中にT2000に寝返ったが?

▼武藤「たぶんもしかしたら、俺の人望の無さというか。皆さん知っての通り。それが今日は露骨に出ちゃったなっていうところですかね」

――蝶野選手にはイス攻撃などきつくやられたが?

▼武藤「正直ね、BATTってチームはこれだけだからね。あとは馳先生がいるだけで。その点、T2000はうちらより若干歴史が長いぶんだけ大勢いるから。まあまあ、蝶野もその中でよくまとめきっていると思いますよ。その差ですね」

――他の3人の戦いぶりに関しては?

▼武藤「いやあ、皆さん本当にコンディションよくって。あんまり背中を間近で、リングサイドでプロレスを見るっていうことがそうない中でね。やっぱり彼らからはエネルギーをいただきましたよ。俺も早く復帰したくなってますよ」

――最後、蝶野選手がマイクで…

▼武藤「聞いてないよ。なに言っているかわからない。あいつも滑舌悪くなってんだよ」

――この興行がなくならないように、武藤選手をチェックしていくと言っていたが?

▼武藤「まあ、負けたからね。でも、なに言っているかわからないよ、本当に。マイクを通しても何もわからない」

――興行全体については?

▼武藤「試合自体は正直、1つも見てないんですけど、毎回思うんですが、皆さんやっている人たちが本当に楽しそうにやってくれているというか。で、その中で、それに反応して、お客さんたちも楽しんでくれているんじゃないかなって思いますね。楽しかったです」

――超満員となったお客さんの反応は?

▼武藤「いやあ、よかったなと。試合見てないからね、正直。歓声の音ととかも全然聞こえてないんですけど、控え室に帰ってくるレスラーたちの表情を見たら、皆さん気持ちよさそうに試合してるんじゃないかなって。その雰囲気は伝わってきましたよ。ただ、長州さんも今日でMASTERSはお別れで、ドンドンドンドンいなくなっちゃうからなあ。蝶野はそう言うものの、なかなかしぼり出すのも大変だよ。ただ、まだ具体的に日にちは言わないけど、夏はもう1発やりたいなと思ってますね」

プロ格 情報局