2/19【G馬場追善興行】マスカラス飛んだ! ドス・カラスと“最後の編隊飛行"

『ジャイアント馬場没20年追善興行〜王者の魂〜アブドーラ・ザ・ブッチャー引退記念〜さらば呪術師〜』東京・両国国技館(2019年2月19日)
○ミル・マスカラス&ドス・カラスvsカズ・ハヤシ&NOSAWA論外×

　マスカラス兄弟が馬場追善興行で“最後の編隊飛行"を披露。マスカラスは弟の手を借りて、ダイビングボディアタックで論外を仕留めた。

　ジャイアント馬場追悼興行に“仮面貴族"マスカラスと“飛鳥仮面"ドス・カラスの兄弟が登場。カズ(WRESTLE-1)&論外(愚連隊)とセミファイナルで対戦した。マスカラス兄弟はジャイアント馬場やアブドーラ・ザ・ブッチャーと全日本マットでしのぎを削った関係。久々の兄弟揃っての来日となったが、ドス・カラスは「日本に兄弟で行くことは、もしかしたら最後になるかもしれない。我々兄弟のタッグチームを是非楽しみにしてください」と話しており、“最後の編隊飛行"に期待が集まっていた。

　『スカイハイ』の旋律に乗ってマスカラス兄弟が姿を現すと、大歓声で迎えられる。ドス・カラスが先発すると、変則的なジャベ(ルチャの関節技)でカズを手玉に取った。キャメルクラッチで絞め上げると、後転して足を絡め取り、今度は弓矢固めに移行。場内は大きな拍手に包まれる。後手に回ったカズはドス・カラスがフライングクロスチョップの構えに入ると、場外に退避。客席からはブーイングが飛ぶ。ならばとドス・カラスはトペを狙ってどよめきを誘うが、カズは客席まで下がって未遂に終わらせた。

　マスカラスも魅せる。ヘッドシザースで華麗に首を絞め上げると、論外が場外に逃げた場面ではプランチャの構えに入って歓声を誘う。ここでは飛ばなかったが、リングに戻った論外にショルダータックルを放つと、ドス・カラスが加勢に入り、フライングクロスチョップの編隊飛行がさく裂。マスカラス兄弟はカズにもお見舞いした。

　タッチをもらったカズはマスカラスにナックルパートを放つと、場内はブーイング。すると、マスカラスはリングに飛び込んだ論外とともに、2人の手首を絞め上げて、頭から正面衝突させる。首投げ&ヘッドシザースでぶん投げると、ラリアットでなぎ倒した。

　ならばとカズは代わったドス・カラスにトラースキックを連打。ブーイングを気にせず、追撃に出るが、ドス・カラスも論外とカズを場外に叩き落としで黙らせる。リングに戻ると、論外をダブルアトミックドロップからダブルフライングクロスチョップで黙らせた。そして、試合権のあるカズにもダブルアトミックドロップをズバリ。相手軍に正面衝突を狙われても、腕を絡めて回転し、ラリアットで鎮圧すると、今度は相手軍を正面から激突させた。

　論外たちが串刺し攻撃で反撃を狙っても、ドス・カラスはダブルラリアットで返り討ち。すると、ドス・カラスの手を借りたマスカラスがコーナーからダイビングボディアタックを敢行し、鮮やかに3カウントを奪い取った。

　日本のファンを沸かしたマスカラスは単独でコメントを発表。「自分はちょっと怪我をしているところがあったので、最高のコンディションとは言えなかったんですけど、試合の感想としてはよかったと思ってます」とコンディションが万全ではなかったことを明かし、「日本というのは本当にいい思い出がたくさんある国。そこで試合をすることができましたが、今日はコンディションのこともあるので、ちょっとゆっくりとしたペースになってしまいましたが、また来るチャンスがあれば、その時はもっといいコンディションで試合に臨みたいと思っています」と再来日を見据えていた。

　一方、敗れた論外は「今日でマスカラス・ブラザーズが日本で2人揃ってリングに上がるなんていうのは、もしかしたら最後かもしれない」と改めて指摘した上で、「できたら、マスカラスには試合してほしくないよね。今日でいい形で、終わりにしてもらいたいっていうのは個人的な意見だけど、まだやると思うんで。ピンではもう1回ぐらい日本に来てもらえることを祈ってます」とマスカラスとの再会を熱望していた。

【試合後のマスカラス】
――試合の感想は?

▼マスカラス「ドス・カラスも調子よかったですし、試合はよかったと思います。ただ、自分はちょっと怪我をしているところがあったので、最高のコンディションとは言えなかったんですけど、試合の感想としてはよかったと思ってます。今回は少しそういったところもあったので、自分の動きが遅くなってしまったのかなとは思っています。腰の調子もよくなかったので。あと1週間、2週間あったら、もっといいコンディションに戻れるとは思っていますが」

――馬場さん、ブッチャーさんとの思い出は?

▼マスカラス「馬場さんは本当に素晴らしい選手だと思います。世界で一番の選手だと思います。ブッチャー選手とは何度も試合をしたが、本当に素晴らしい選手だと思います。とても体重のある選手でした」

――全日本プロレス時代の懐かしい選手が今日は集まったが?

▼マスカラス「日本というのは本当にいい思い出がたくさんある国。そこで試合をすることができましたが、今日はコンディションのこともあるので、ちょっとゆっくりとしたペースになってしまいましたが、また来るチャンスがあれば、その時はもっといいコンディションで試合に臨みたいと思っています」

【論外の話】「見ての通りと言ったらちょっと…。こんなこと僕が言う言葉じゃないんだけど、今日でマスカラス・ブラザーズが日本で2人揃ってリングに上がるなんていうのは、もしかしたら最後かもしれない。その中で、こういう大会で、対戦相手が俺とか、カズ・ハヤシになった時点で、『なんだ?』っていう声も聞くんですけど、やっぱ今のマスカラス、ドス・カラスの最大限を今日は引き出せたとは思っているんで。本当にこういう機会を与えてくださった今日の馬場さんの興行で。本当にありがとうございましたということで。できたら、マスカラスには試合してほしくないよね。今日でいい形で、終わりにしてもらいたいっていうのは個人的な意見だけど、まだやると思うんで。ピンではもう1回ぐらい日本に来てもらえることを祈ってます」