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2/24【全日本】大激闘で諏訪魔突破 宮原が20代最後の三冠戦制してV2

『2019 EXCITE SERIES』最終戦 神奈川・横浜文化体育館(2019年2月24日)
三冠ヘビー級選手権試合=○宮原健斗vs諏訪魔×

 宮原が20代最後の三冠戦で諏訪魔との大激闘を制し、2度目の防衛を飾った。

 三冠王者として2019年を迎えた宮原は1・3後楽園でKAIを退け、初防衛に成功。2019年最初のビッグマッチとなったこの日、諏訪魔とのV2戦を迎えた。

 今月27日の誕生日で30歳となる宮原にとって、これが20代最後の三冠戦。だが、本番を迎えるまでは苦闘の連続。1・18横浜大会でピンフォール負けを喫し、諏訪魔の挑戦を受ける状況となり、2・7後楽園大会では万力スリーパーによって失神に追い込まれてのレフェリーストップ負け。2・17博多大会ではブラックアウトで諏訪魔をKOし、報復したのもつかの間、最後の前哨戦となった2・20新木場大会では諏訪魔の新兵器・ラストジャーマンによってKOに追い込まれた。

 身を削るような前哨戦を経て迎えた本番は30分を超える大激闘となった。両者へのコールが飛び交う中、一進一退の先手争いが展開され、諏訪魔がストライクジャーマンで先手を取り、スリーパーで執ように絞め上げて流れを作る。ロープ越しのスリーパーで宮原をリングアウト寸前に追い込んだ。

 宮原もラストライドをDDTで切り返し、ジャーマンやブラックアウトで巻き返しを図るものの、シャットダウンは諏訪魔が決めさせず。逆に2度目のストライクジャーマンを敢行し、万力スリーパーで絞め上げる。それでも宮原がラストライドをフランケンシュタイナーで切り返し、ブラックアウトをぶち込むと、エルボー合戦でグラつかせた。諏訪魔が狂ったようにダブルチョップを乱打してきても、ブラックアウトをカウンターでさく裂。後頭部にもブラックアウトをぶち込み、二段式ジャーマンを爆発させた。

 ここから諏訪魔が怒とうの猛反撃に出た。シャットダウンを振りほどき、ブラックアウトをキャッチしてパワーボムを敢行。ショートレンジ左ラリアットで宮原をねじ伏せると、一気にラストジャーマンを爆発させた。

 場内が沸き返る中、勝負あったかに思われたが、宮原は驚異の粘りを発揮して返してみせた。ならばと諏訪魔はラリアットで吹き飛ばし、バックドロップで追い討ちをかけたが、3度目のトライとなったラストライドは宮原が阻止。二段式ジャーマン、シャットダウンで一気にたたみかける。諏訪魔も意地で肩を上げてみせたが、宮原は再びシャットダウンの構えに。宮原政権に抗うようにこらえ続ける諏訪魔を引っこ抜いてようやく3カウントを奪った。

 32分29秒の大激闘、そして大苦戦の末、諏訪魔を突破した宮原が三冠王座2度目の防衛に成功。20代最後の三冠戦を会心の勝利で飾ってみせた。宮原にとって諏訪魔は全日マットを主戦場とするようになってから最初の壁だった。2013年9月の王道トーナメント1回戦で諏訪魔の軍門に下り、ここから“全日本の宮原健斗"がスタートした。そして三冠ベルトをかけた3度目の対決で2019年最初のビッグマッチにふさわしい戦いを繰り広げた。試合後のリング上で「今日だけは言わせてくれ。諏訪魔さん、ありがとうございました」と感謝の意を評した宮原は、バックステージでも「諏訪魔、あなたの存在があったから、俺は強くなれた。諏訪魔という存在があって強くなれた」と特別な思いを口にした。

 これから30代の宮原健斗の歴史が始まる。「さらに全日本プロレスを盛り上げるのに、近道はないんだよ。1試合1試合ベストを尽くして、観に来てくれる方々を増やす。シンプルだけど、それが近道なんだ。一気にジャンプすることはない」と言い切った宮原は、これまでと変わらぬ姿勢でこの全日マットで戦っていくつもり。「満足したことがないんで。ていうことは、俺がイメージしたものは叶うってことだ。俺はイメージしてきたものを着々と手にしている。このベルトもそうだ。次はなんだ? 次はなんだ? 俺の中にはイメージできてるんだ。ファンの皆様が俺について来てくれば、それが自ずとわかりますよ」とこれからを見据えた。

 最高王者に安息の時はなく、早くもV3戦の挑戦者が浮上してきた。昨年末、「俺が宮原健斗を引きずりおろす」と宣言していた野村だ。三冠ベルト初挑戦に執念を燃やす野村は試合後の宮原の前に現れ、NEXTREAM脱退を表明した上で挑戦をアピール。「この時を本当に待ってたんだ。あの世代がこのベルトに挑戦することを」と歓迎した宮原は、「敵に回した俺は怖いぞ。会場全ての空気を俺が持っていくからな。それを彼らは知ることになるだろう」と通告した。

 一つの区切りを最高の結果でつけた最高男は「全日本プロレスを…俺の時代で、歴史上最も最高の時代を作る」と改めて決意表明。30代突入と同時に、野村の初挑戦が決定的となった三冠戦線も新展開を迎えることになる。

 一方、敗れたとはいえ、圧倒的な強さをみせつけた諏訪魔も健在を証明した。新技・ラストジャーマンで勝機を作ったものの、宮原の驚異の粘りの前に最後は3カウントを聞いた。潔く負けを認めた諏訪魔だが、「今日は負けかもしれない。でも、心は折れなかった。まだまだ頑張れって、何か聞こえたから。俺はね、もっと調子上がると思うんだよ」とまだまだ全盛期を継続できる手応えをつかめた。ラストジャーマンにもさらに磨きをかけていくつもりで、「悔しいけど、まだまだ俺は諦めねえ。三冠を本気で狙いたい」と至宝ベルト返り咲きへの執念をむき出しにしていた。

【試合後の宮原】
▼宮原「V2だ、V2。全日本プロレスでの20代も諏訪魔で始まり、宮原健斗の20代は諏訪魔で終わりだ。これが俺のプロレスラーとしての20代だ。諏訪魔で始まり、諏訪魔で終わった。今日だけだよ。諏訪魔、あなたの存在があったから、俺は強くなれた。諏訪魔という存在があって強くなれた。今の俺がある。それは変わらない。ただ、明日からはまた敵だ」

――20代最後の三冠戦をこの内容と結果で終えて、今は「いい日旅立ち」が流れているが、30代に向けていい旅立ちになった?

▼宮原「30代でさらに全日本プロレスを盛り上げるのに、近道はないんだよ。1試合1試合ベストを尽くして、観に来てくれる方々を増やす。シンプルだけど、それが近道なんだ。一気にジャンプすることはない。ただ、俺はその一気にジャンプする時のために、今は毎日毎日戦っているんで。今日は何かいい20代としてのゴールを踏めたかなと思います」

――30代最初の三冠戦の挑戦者になりそうな相手がさっそく試合後に現れたが?

▼宮原「リング上で『待ってた』と言いましたけどね、あとは彼ら次第ですよ。俺はね、このプロレス界の最前線で走る男だ。その背中に追いつくか、追いつかないか。あとは彼ら次第だろう。もう俺が待つことはない。今日だけだ。敵に回した俺は怖いぞ。会場全ての空気を俺が持っていくからな。それを彼らは知ることになるだろう。まあ、全ては明日話しましょう。今は試合後だから、ちょっと頭がボーッとしてるんでね」

――20代に宮原健斗に今、なんて言ってあげたい?

▼宮原「俺はね、生きてきて満足したことがないんで。今日、勝ったら褒められるのかなと思ったけど、俺は今日も100点満点をあげることはないね。いつになったら俺は満足するんだろうね? 満足したことがないんで。ていうことは、俺がイメージしたものは叶うってことだ。俺はイメージしてきたものを着々と手にしている。このベルトもそうだ。次はなんだ? 次はなんだ? 俺の中にはイメージできてるんだ。ファンの皆様が俺について来てくれば、それが自ずとわかりますよ。ただね、まだまだ俺のことを知らない人たちはもっと早く気づいたほうがいいよ。このコメントを見て気づくのもいいだろう。映像を見て気づくのもいいだろう。SNSを見て気づくのもいいだろう。もっと早く気づいたほうがいいぜ。まだまだ気づいてない人たちがいるだろう。俺は貪欲だ」

【諏訪魔の話】「クソ。負けちまった。宮原が成長してるんだなっていうのはわかってんだ。今日は負けかもしれない。でも、心は折れなかった。まだまだ頑張れって、何か聞こえたから。俺はね、もっと調子上がると思うんだよ。今日のラストジャーマンだって、手応えはあった。ただ、もう少しタイミングなり、精度を詰めれば、もっといい風に勝ちを引き寄せたかもしれないんだ。悔しいけど、まだまだ俺は諦めねえ。三冠を本気で狙いたいと思います、まだ。悔しい。もう1回やりたい、宮原と」

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