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3/15【リアルジャパン】ダイナマイト・キッドさん追悼興行、スミスJr.がダイビングヘッドで鎮魂歌「心の中で生きている」

『初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレス〜“爆弾小僧"ダイナマイト・キッド追悼興行〜』東京・後楽園ホール(2019年3月15日)
ダイナマイト・キッド追悼試合 ○デイビーボーイ・スミスJr.&スーパー・タイガーvs船木誠勝&KENSO×

 ダイナマイト・キッドさん追悼興行のメインイベントにリアルジャパン初参戦となったスミスJr.が登場。キッドさん譲りのダイビングヘッドバットを披露し、鎮魂歌となる一撃でKENSOに激勝すると、「ダイナマイト・キッドはいつでも私の心の中で生きています」と宣言した。

 メインイベントは昨年12月に亡くなったダイナマイト・キッドさん(本名トーマス・ビリントン)の追悼試合。キッドさんとタッグチーム“ブリティッシュ・ブルドッグス"を組んでいたデイビーボーイ・スミスの息子であり、親戚にあたるスミスJr.がリアルジャパンに初参戦し、初代タイガーマスクの弟子にして、レジェンド王者のS・タイガーと組んで、船木&KENSO組と対戦した。スミスJr.は晩年のキッドさんに何度か会った経験があり、昨年5月に特別病棟で最後の対面を果たしたという。

 スミスJr.と船木の顔合わせで試合はスタート。“鈴木軍のK.E.S."としては滅多に見せない引き出しを開けたスミスJr.は、グラウンド戦で船木と互角に渡りあって客席からどよめきを巻き起こした。

 その後、KENSOが強引にラフファイトに持ち込み、S・タイガーを圧倒。ローンバトルに追い込まれたS・タイガーは船木の鋭い蹴りを何発も食らい、ドロップキックにも被弾するが、カウンターのニールキックで反撃し、スミスJr.にタッチを渡した。

 ここでもスミスJr.は正攻法で船木とやり合う。キッドさん譲りの高速ブレーンバスターからダブルアームスープレックスに繋げると、脇固めやクロスフェイスで船木を絞め上げた。ビンダやローキックの速射砲に苦しむが、ハイブリッドブラスターは阻止。相手がKENSOになったところで、ラリアットを振り抜いた。あとを受けたS・タイガーがフライングクロスチョップやフロントネックチャンスリーで追撃すると、スミスJr.も加勢に加わり、ツームストンパイルドライバーとオクラホマスタンピートの共演もズバリと決まる。そして、いい場面で再びスミスJr.がタッチをもらってリングに飛び込んだ。

 勢いに乗るスミスJr.はKENSOにラリアットを連発。慌てて船木がカットに入るが、S・タイガーがローリングソバットで場外に分断すると、スミスJr.はツームストンパイルドライバーをズバリ。そして、キッドさんに捧ぐダイビングヘッドバットでKENSOを沈めて、試合を制した。

 初代タイガーマスクとダイナマイト・キッドの遺伝子を受け継ぐ2人が快勝。S・タイガーとスミスJr.は笑顔で握手を交わし、健闘を称え合う。締めのマイクを持ったスミスJr.は、「まずリアルジャパンの皆さんに感謝をしたい。本当にありがとうございます。皆さんご存知の通り、私とダイナマイト・キッドは親戚で、非常に近い仲でした。実は最後にキッドと会ったのも私なんです。その時、本人に『イギリスを出て世界中でどこかに行くなら、一番どこに行きたい?』と聞いたら、真っ先に『日本に戻りたい』と言ってました」とキッドさんと交わした最後の会話を振り返った。

 そして、「ダイナマイト・キッドはもういないかもしれないけれど、後楽園ホールに彼の気配を感じます。今、このリングにいると思います」と天を仰ぎ、「ダイナマイト・キッドはいつでも私の心の中で生きています。それを証明させてほしい。いい対戦相手をぶつけてください。船木選手のようないい選手をぶつけてください。これからダイナマイト・キッドのスピリッツを見せていきます」と改めて誓ったスミスJr.は「ドウモアリガトウゴザイマス」と日本語で締めくくった。

 「今日は思いっきり自分の全ての力を出し切りました。それがダイナマイト・キッドの精神です」とバックステージで試合を振り返ったスミスJr.は「今までの自分のキャリアの中で今日の試合をやってみて、一番誇れるような気持ちになりました」と充実感をあらわにした。最後にダイビングヘッドを出した場面では「使うチャンスが芽生えたのは、キッドが自分と一緒にいたからだと思います」とキッドさんの魂を感じたようで、「向こうのことわざで『素晴らしいものは永遠に続く』という言葉があります。ダイナマイト・キッドと初代タイガーマスクが戦った試合は何年、何十年経っても、みんなが語り続けている。自分も同じ精神に則って、そういう試合をやっていきたい」と気持ちを新たにしていた。

【試合後のスミスJr.&S・タイガー】
――リング上で「キッドさんのスピリッツを見せていく」と話していたが、それはどんな気持ち?

▼スミスJr.「まさにリング上のストロングスタイルのスピリッツですね。何百人いようが10人だろうが関係なく、リングに上がった時は全力で全てを出す。そういうことですね。人間というのはどうしても歳を取る。それは仕方ないですけれど、歳とともにドンドンドンドン強くなっていければ。船木選手は50歳だけれど、いい見本です。見事な選手です。ダイナマイト・キッドの魂を持ちながら、そうやってドンドン強くなっていければと思っています。ファンの人もそういう試合を望んでいると思います。しっかりとしたストロングスタイルで、バックボーンのある試合が見たいと思うんです。コメディチックなふざけた試合ではなく、本当の試合を見たいんだと思います。面白おかしい試合はDDTなどよその団体でやればいいんじゃないでしょうか」

――キッドさんが見ていたら喜ぶような試合ができた?

▼スミスJr.「喜んでいると思います。今日は思いっきり自分の全ての力を出し切りました。それがダイナマイト・キッドの精神です。(腫れ上がった胸板に手を伸ばし)これだけハードにやっているわけじゃないですか。今までの自分のキャリアの中で今日の試合をやってみて、一番誇れるような気持ちになりました」

――最後のダイビングヘッドはやろうと決めていた?

▼スミスJr.「狙ってやったわけではないですが、チャンスがあれば使おうと思ってました。ただ、頻繁に使っている技ではなく、ずっとやっていなかったので、形がキレイであればよかったんですけど。ただ、使うチャンスが芽生えたのは、キッドが自分と一緒にいたからだと思います。向こうのことわざで『素晴らしいものは永遠に続く』という言葉があります。ダイナマイト・キッドと初代タイガーマスクが戦った試合は何年、何十年経っても、みんなが語り続けている。自分も同じ精神に則って、そういう試合をやっていきたい。そのためにはいい対戦相手とやらなきゃいけないので、これから頑張って、自分も素晴らしい試合をしていきたいです」

――S・タイガー選手は試合をしてみてどうだった?

▼S・タイガー「もともと格闘技志向の選手で、いろんなところで練習してますし。いつか組んでもみたかったですし、また戦ってみるのも、いろんな部分で楽しみが増えると思います。ただ、本当に今日はこの記念すべき大会で彼と一緒にタッグを組めたことが俺にとっても幸せで、今後の人生に物凄い深い何かを残してくれたと思います。サンキュー」

▼スミスJr.「サンキュー。アリガトウ」

※握手を交わすと

▼スミスJr.「ご存知の方がどれだけいるかわかりませんが、S・タイガーとは一緒に興義館で練習したり、佐山先生に教わったり、いろいろと影響を受けて練習しています。もちろん試合でもそうだけれど、練習に行くたびにドンドン強くなっていますんで、これから楽しみにしててください」

――最後にキッドさんと会ったのは去年のいつ頃?

▼スミスJr.「去年の5月頃です。その時点でもう普通の病室ではなく、特別な病棟に移っていたので、『これが最後になるんだな』と悲しいことですがわかっていました。その時、彼と一緒に写真を撮りましたが、それはまだ誰にも見せていません。自分だけのために取っておいてあります」

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