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5/5【大日本】一騎当千とW制覇、木高が春の大舞台で5年ぶりデスマッチ王座奪取

『Endless Survivor 2019』神奈川・横浜文化体育館(2019年5月5日)
BJW認定デスマッチヘビー級選手権試合 蛍光灯200本+蛍光灯タワーデスマッチ ○木高イサミvs高橋匡哉×

 木高が高橋を破り、デスマッチ王座に5年ぶりに返り咲き。シングルリーグ戦・一騎当千に続いてダブル制覇となった。

 木高は4・14札幌で竹田誠志を破り、一騎当千を初制覇。3度の防衛を誇るデスマッチヘビー級王者・高橋とのタイトル戦に駒を進めてきた。試合形式は「蛍光灯200本+蛍光灯タワーデスマッチ」。唯一の前哨戦となった4・30後楽園では木高の勢いが目立ち、「令和からの大日本プロレスはこの木高イサミが引っ張っていきます」と宣言していた。1・27名古屋でも木高は高橋に挑戦したが敗れている。

 四面のロープに束になった蛍光灯がいくつも吊され、ニュートラルコーナーにはそれぞれ蛍光灯タワーが設置される。ここまで4つのタイトル戦は全て挑戦者が勝利してタイトルが移動。入場時からいやが上にも木高に期待が集まった。

 のっけから蛍光灯で殴り合うと、木高のトペを蛍光灯で迎撃し、狭いエプロンでブレーンバスターを敢行した高橋が先制。早くも蛍光灯タワーに投げつける。さらに、執拗に蛍光灯を頭に振り下ろすと、破片が散乱したリングで引きずり回した。

 木高は高橋のTシャツに蛍光灯をブッ刺し、そこをサッカーボールキックで蹴り飛ばす。高橋は自らTシャツを脱ぎ捨て、串刺しサマーソルトアタックなどを浴びせたものの、続くダイビングサマーソルトドロップは自爆。すかさず木高は自らの頭に蛍光灯を振り下ろして気合いを入れると、蛍光灯タワーを使ったダイビングニーアタックを突き刺し、側頭部をローキックで蹴り飛ばした。

 引かない高橋は蛍光灯めがけて顔面から木高を叩きつけ、ラリアットなどで巻き返すと、こどもの日にちなんだ蛍光灯製鯉のぼりをリングに投入。木高をボディスラムで投げつけると、衝撃音が場内に響き渡る。さらに、蛍光灯を使ってやぐらを作ると、そこへのパワーボムを仕掛けた。

 粘る木高はフランケンシュタイナーで切り返して高橋を衝突させると、巨大ラダーを投入。リング上に設置すると登り始める。気づいた高橋も反対側から上がり、頂上で殴り合いに発展。高橋は靴先に噛みつき、頭突きを放つと、そこから雪崩式ブレーンバスターを強行し、蛍光灯の破片が散乱するリングに叩きつけたが、自らもダメージを負う。

 全身血まみれの2人はラリアットで正面衝突。高橋は大外刈りや払い腰を繰り出すが、木高も絶槍でやり返し、蛍光灯にエクスプロイダーで叩きつけた。そして、ラダーの上からギガラダーブレイクを投下。場内はカウントの大合唱となるが、高橋はギリギリで肩を上げた。

 ならばと木高は勇脚・斬の構えに入るも、避けた高橋は払い腰などで連続してぶん投げて最後の粘りを発揮。ジャックハマーで逆襲を試みたが、木高はヒザを利かせて阻止して、垂直落下式ブレーンバスターでマットに突き刺すと、側頭部を蹴り飛ばし、絶槍から勇脚・斬をぶち込んで、死闘を制した。

 昨年9月にアゴを骨折した木高は1月に復帰したものの、高橋とのタイトル戦に敗退。それでも、不屈の闘志で再起し、3大会連続で準優勝だった一騎当千をやっと制覇。そして、とうとうデスマッチヘビー級王座を5年ぶりに獲得した。そんな道のりが頭をよぎったのか、マイクを持つと、「はあ、長かった…」と一言。「でも、諦めなくてよかった。誰のおかげって言えば、それは一番にはお客さんなんですけど、二番に素晴らしい先輩がいて、二番に凄い同期がいて、二番に凄い後輩がいるんです。高橋が相手だったからここまでぶっ飛んだ試合ができたと思います」と激闘を振り返った。

 敗れた高橋も「この勝負だけは負けたくなかったんですよ。でも、勝負なんででね。悔やんでもしょうがない。でも、それと同じぐらいスゲエ楽しかったです」とマイク。「昨日の夜から興奮しちゃって寝れなかったっすよ。遠足前日の子供みたいでワクワクしちゃって楽しかったです。もう楽しかったとしか言えない」と感情を吐露し、「次にまた僕が挑戦するまでベルトを持っててください」と新王者に呼びかけた。

 「いやあ、高橋は成長したわ。別人だよ、別人。マイクが上手くなってる。さすが自慢の後輩、そして大日本プロレスのトップですね。素晴らしい」と去っていく高橋を称えた木高は、ラダーの上にあがると、「皆様、高いところから失礼します。今年38になるんですけど、まだまだいけそうですね。ドンドン防衛したいと思います」と王者として高らかに宣言。再びリングに降りると、「血みどろのあいつら2人で下で悔しそうにしていたのもしっかりと見えましたし、誰でも挑戦受けますよ。僕のタイトルマッチ、みんな見たいでしょ?」と客席に投げかけた。

 そして、最後は大日本の先輩・山川竜司にあやかって、「1、2、3、見たい!」の雄叫びで締め。全タイトルが移動した波乱の横浜文体大会はフィナーレとなった。

【試合後の木高】
▼木高「ありがとうございました。強かったです。でも、やっぱ僕の一騎当千、デスマッチサバイバーで生き残ったっていうその絶対的な自信の前ではあとちょっとという感じですかね。偉そうに言う感じにしてもらうと。まあ、はじめのVTRでも散々言ってましたけど、やっぱり(高橋と)似てますね、どこか。でも、高橋との約束なんで。高橋がまた挑戦してくるまで待ってましょう。あいつ、両国ボーイだからな。次の目標はどこですか? 必ずやってくるとしたら、名古屋国際ですか? わからないですけど。まあまあ、次のことばっかり喋っててもしょうがないんで」

――「長かった」という言葉があったが?

▼木高「1回目獲った時もここに辿り着くまでが。宮本と2人で、時には先に行かれ、それでも何とか足並みを揃えようとして必死にもがいてきて、それで1回目だったんですけど、それよりもはるか遠くに感じましたね。復帰してから二丁拳銃が少なかったからですかね? でも、やっぱり組む機会は少なかったかもしれないですけど、広島で宮本さんと一騎当千公式戦ができたことで、負けはしたけど逆に。開幕戦の伊東さんも、二戦目の宮本さんも、『大日本のデスマッチ、今はこうだから』っていうのをしっかりと肌で教えてもらった気がして。それは1月の高橋に挑戦した時には感じられなかった感覚で。メッセージじゃないですけど、今の大日本のデスマッチはこうだよっていう。僕が休んだのは3ヵ月、4ヵ月の短い時間だったかもしれないけど、今はこうだよっていうのを教わったから、今があるような気がします」

――BASARAの木高イサミとして初戴冠となるが、前回との気持ちの違いは?

▼木高「もちろんBASARAは僕の団体ですからね。それは外に出たらどうこうじゃないです。それを引きずってもね。若い子にも言っているんですけど、それを背負うのは勝手だけど、あんまり持ちすぎて出るなよって。自分が失われるから。僕はプロレスリングBASARAの人間だけど、いち大日本のデスマッチファイターとして今日は大日本のデスマッチヘビーのベルトに挑戦したという。ただそれだけですよ。ただ、所属がBASARAってだけです」

――今の大日本のデスマッチを教わったと言っていたが、過去の戦いとは違ってきている?

▼木高「ちょっと違いましたね。凄い曖昧な言い方ですけど、みんな先、先を読んでくるんですよ。昔ってただのぶつかり合いだった気がしたんですけど。で、体が弱いほうが負けるみたいな。その中で、僕が逆に昔、ベルトを持っていた時も持ってない時も、体が小さいから何とか切り返していかないとって思ってたんですけど、それを大きい人でもやるんだと思って。面を食らっちゃいましたね」

――今だからこそこれからやりたいことは?

▼木高「ベルトを持っていたり、多少の権限がないとあまり発言することじゃないと思うんですけど、僕は沼さん(沼澤邪鬼)の帰りを待ちますよ。別に深い意味はないですよ。僕がただ思っていることを…いちレスラーとして、いちデスマッチファイターとして思っていることを言っているだけであって。ベルトを持っているから言えるっていうのはありますよ。こういう場はないでしょ? これだけマスコミの人がいて、僕が質問される場所って。ベルトを持っていたり、ビッグマッチで勝たないとないから。僕は沼さんを待ちますよ。もしかしたら来年になるかもしれない。帰ってくるまで待つ。どんなにヒザが悪くたって立ち上がってくるって。絶対来るよ、あの人は。あとはそうですね。最近はよくYAMARYU(山川竜司の店)に行きましたね(笑)」

――防衛戦の希望の相手は?

▼木高「希望の相手というよりも、希望してくれないのかなって思いますね。僕がチャンピオンじゃみんな不服ですかね? 今日誰も名乗り出なかったのは不思議で。血みどろの2人は悔しそうにしてましたよ。佐久田なんて直接俺に負けているしね。植木だって悔しそうな顔をして見てましたよ。ああいう目は好きですよ。若いんだから、好き勝手言っていいと思いますよ」

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