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5/19【DDT】竹下が高尾粉砕でKING OF DDT初制覇、7・15大田区でKO-D王座挑戦へ

『BLACK OUT presents KING OF DDT 2019 the FINAL!!』東京・後楽園ホール(2019年5月19日)
「KING OF DDT 2019」トーナメント決勝戦=○竹下幸之介vs高尾蒼馬×

 竹下が高尾をファブルで粉砕し、KING OF DDT初優勝。D王GPと並んでダブル制覇を果たした竹下は、7・15大田区でのKO-D無差別級王座挑戦へ向けて「もう一度この俺がベルトを獲って、DDTの、ALL OUTの、そして竹下幸之介の時代を皆さんに見せますんで、期待しててください」と意気込んだ。

 「KING OF DDT 2019」トーナメント決勝戦で竹下と高尾が激突した。竹下は準決勝で樋口を破って4年ぶりの決勝進出。その時は坂口に敗れて涙を飲んでおり、初優勝、そしてD王GPとのダブル制覇を狙っている。一方、準決勝でHARASHIMAを下した高尾は7度目の出場で初の決勝進出。大田区出身だけに、地元・大田区総合体育館でのメイン出場に向けて燃えていた。

 静かな立ち上がりとなったが、竹下がドロップキックで先手。すると、DAMNATIONのポーリーが介入して竹下をいたぶったものの、高尾は「いらねえんだよ。介入するな」と仲間たちに釘を刺し、大きな拍手を浴びた。その後も正攻法で追撃に出るが、竹下はDDTで主導権を握ると、首をねじ切らんばかりの勢いでフェイスロックを仕掛ける。さらにブレーンバスターも連続してさく裂。高尾は首を抑えてもだえる。

 それでも3発目のブレーンバスターを逆に投げてみせた高尾は、ミサイルキック、腰へのダイビングフットスタンプ、逆片エビ固めで逆襲。竹下が強引なブルーサンダーで流れを押し戻したが、コーナー最上段からの雪崩式ブレーンバスターは高尾が鈴木鼓太郎が得意とするディフェンサーの要領で切り返し、みちのくドライバーII、ダイビングフットスタンプと大技ラッシュに出た。

 2発目のダイビングフットスタンプを避けた竹下は、すぐに立ち上がって、フルスイングのラリアットを一閃。ブレーンバスター式牛殺しからキャメルクラッチとスリーパーの複合技・カバージョ2020で絞めに絞める。しかし、大きな「タカオ」コールを浴びた高尾は意地のエスケープ。続くジャーマンをサムソンクラッチで丸め込むと、シュバイン、顔面へのソバットで勢いを取り戻し、一気にリバースゴリースペシャルボムへ。これをクロイツラスで切り返そうとした竹下は、踏ん張られてもひとでなしドライバーを敢行するが、高尾は粘りに粘る。ファブル狙いを回避し、エンドレスワルツでニアフォールに追い込むと、竹下の強烈なフロントハイキックに被弾しても倒れず、逆にこん身のエルボーでやり返して、同時にリングで崩れ落ちた。

 エルボー合戦となると、高尾はサポーターを外してヒジを顔面にぶち込む。竹下もヒザ蹴りなどで反攻するが、高尾はトラースキックからリバースゴリースペシャルボムをズバリ。場内は沸騰する。竹下がギリギリでキックアウトすると、「タカオ」コールが発生。ここがチャンスと、高尾はジントニックを仕掛けた。

 竹下は足をばたつかせて抵抗すると、スタイルズクラッシュの構えから繰り出す変型パワーボムで逆転。動きの鈍った高尾にエルボーやヒザ蹴りを容赦なく突き刺し、コーナーに上がる。諦めない高尾も雪崩式ジントニックで一発逆転を狙うが、竹下は雪崩式カナディナンデストロイヤーで鎮圧。ラリアットで追い討ちすると、なおも足にしがみついてくるタカオをヒザ蹴りで払いのけ、最後はファブルを投下して3カウントを奪い取った。

 竹下がKING OF DDT初優勝。D王GPとのW制覇となった。優勝賞金100万円を獲得した竹下は「優勝しました!」と勝利の雄叫び。「これで大田区のメインイベントが確定したということなんで…。遠藤が来るのか、坂口さんが来るのかまだわからないですけど、令和が始まって、新しい時代の区切りかもしれないですね」と語り始めた。

 「遠藤哲哉の時代も華やかで、空中技が凄くて、面白い時代になるでしょう。坂口さんの時代が令和から来ても、ちょっと殺伐としますけど、でもそれはそれでスリリングで間違いなく面白くなる。そして今、決勝で戦った高尾蒼馬の時代が来ても面白い。樋口和貞の時代が来ても、それはそれで男臭い最高の時代になるでしょう」とライバルたちを称えた竹下は、「でも、新しい時代が選んだのはこの俺、竹下幸之介だ」とキッパリ。場内は拍手に包まれると、「ニューエラはコウノスケ・タケシタ。大田区、7・15、もう一度この俺がベルトを獲って、DDTの…ALL OUTの…そして竹下幸之介の時代を皆さんに見せますんで、期待しててください」と観客に誓って締めくくった。

 「格の違いを見せつける」「最低優勝」をテーマに今回のトーナメントに臨んだ竹下は、「D王GPに続いて、KING OF DDTも制覇したということで、DDT最強の座は僕にあるのかなと思いますし、だから僕がDDTのメインイベントをしっかり張っていかないとなっていう気持ちになった今日一日でした」と激闘を振り返ると、「僕がDDTで最強である理由は自分がプロレスに対して一番真摯に向き合っている自信があるから。それが僕の優勝した理由、高尾選手に勝った理由だと思ってます」と胸を張った。

 大田区での対戦相手は6・2松山での「遠藤vs坂口」の結果を待たなければならないが、竹下の気持ちに迷いは一切ない。奇しくも、D王GPを制覇した際も同じシチュエーションで2・17両国を迎え、キッチリとベルトを奪取している。「僕はチャンピオンでメインイベントに立ち続けた人間なんで。追われるよりも追うほうが強いことは重々承知してますから。誰よりも。でも、僕は今回も前回に引き続き追う側。挑戦者として、遠藤なのか、坂口なのか。僕が待つ側。これは僕のほうが有利なシチュエーションです」と冷静に分析した竹下。狙うは3ヵ月ぶりのKO-D王座奪還。それが現実のものとなった時、DDTに新時代が到来する。

【試合後の竹下】
▼竹下「D王GPに続いて、KING OF DDTも制覇したということで、DDT最強の座は僕にあるのかなと思いますし、だから僕がDDTのメインイベントをしっかり張っていかないとなっていう気持ちになった今日一日でした」

――高尾選手と戦ってどうだった?

▼竹下「今、試合直後でできる限り冷静な分析で勝因を探るとすると、やっぱり高尾選手は引き出しが凄いあるなって部分。逆に言うと…逆に言うとですよ。こういう決勝とか、タイトルマッチとかじゃない、後楽園でもない、両国でもないという場所で出してないということかなって。逆に言うと、引き出しがあるってことは。それに意表を突かれた部分は凄いありました。凄いきつかったです。でも、僕は365日出しきっているんで。言い切れます。それは自信があります。僕がDDTで最強である理由は自分がプロレスに対して一番真摯に向き合っている自信があるから。それが僕の優勝した理由、高尾選手に勝った理由だと思ってます」

――これから大田区でチャンピオンを待つ立場になるが、心理的にはどう?

▼竹下「待つ場合も追う場合もどっちも一緒なんですけど、ちょっとだけ違うんですよね。ただ、このシチュエーションというのは、言ってしまえば約半年前にD王GP優勝した時と同じなのかなと。両国で僕が先に待つというシチュエーションと同じなのかなと思います。何度も言っているように、僕はチャンピオンでメインイベントに立ち続けた人間なんで。追われるよりも追うほうが強いことは重々承知してますから。誰よりも。でも、僕は今回も前回に引き続き追う側。挑戦者として、遠藤なのか、坂口なのか。僕が待つ側。これは僕のほうが有利なシチュエーションです」

――「格の違い」というテーマを今回のトーナメントで掲げていたが、総括すると?

▼竹下「見ている人が判断することなんで。週プロさんとか、サムライさんとか、Yahoo!ニュースもろもろで何でも書いてもらっていいんですけど、僕は見せ続けていたつもりですよ。毎週、週刊プロレスのDDTのページが始まって、一番最初に俺が来るかどうか、俺がデッカく写っているかどうかを見てるんで。上野の時も吉村の時も僕がまず出てきてたってことは、それを見せれてたということなのかなと今は思ってます」

【試合後の高尾】
▼高尾「負けた人は何をコメントしたらいいんですか? 負けた以上、何もないでしょ? みんなの前で恥をさらしただけで、どうしたらいいんだ? 俺の夢、どうするんだ? 破れたじゃねえか。なので、7月15日に大田区体育館をもう1回DDTで取ってもらうように言ってもらっていいですか。そこでメインをいいっすか? じゃあ、13日でもいい。どっちでもいいよ。俺はメインを取りたいんですよ、あそこで。どうしたらいいですか? 誰か答えてくれよ。それか、敗者復活バトルロイヤルを大田区体育館でやってくれないですか? 勝ったその場で哲哉に挑戦。いいですか、じゃあ? 誰が決めてくれるんだよ。いいよ、もう。俺の夢は破れたんだろ? だったら、大田区体育館…俺はベルトを持ってるんだよ。そこまで防衛して、やる夢を持てばいいのか? 誰の夢だよ? 誰がいいのか知らねえけど、また夢を見つけて、今度の大田区体育館、いいカードを自分の力で見つけてやるよ。もう疲れました、僕は。どうしたらいいんですか?」

――あと一歩のところまで追い詰めた。コールもかなり起きたが聞こえた?

▼高尾「ファンは嫌いなんで、聞かないようにしてます。まあ、みんなの声援、今日だけはありがとうございますって言っておくよ。次から言わないけど」

――DAMNATIONの助太刀を拒否する場面もあったが?

▼高尾「いや、記憶にありません。そんなことしてません。わからないけど、じゃあ、したとして、あれを使ってメインを取ったら、俺のおじいちゃんが悲しむでしょ? あいつ反則を使ってメインを取ったよって言われちゃうから、正々堂々とやっただけなんで。次からはもうみんなの力を借りて、大田区体育館でいつかメインを取りたいですね」

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