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6/2【WRESTLE-1】立花猛攻もW-1GP1回戦で芦野に惜敗 再合体要請は意地の拒否

『WRESTLE-1 TOUR 2019 OUTBREAK』東京・後楽園ホール(2019年6月2日)
「WRESTLE-1 GRAND PRIX 2019」トーナメント1回戦 ○芦野祥太郎vs立花誠吾×

 立花が執拗な腕攻めで前回覇者・芦野をあと一歩まで追い詰めたものの、最後はアンクルロックに捕まり惜敗を喫した。「WRESTLE-1 GRAND PRIX」連覇に向けて1回戦を突破した芦野は立花の実力を評価し、Enfants Terriblesへの再合体を要請。しかし、立花はそれを拒否して意地を見せた。

 芦野は昨年のW-1GPを制覇。その勢いのままに9月の横浜文体でW-1王座に返り咲いており、今年もそれを再現するという青写真を描いている。そんな芦野に1回戦で挑むのが初出場の立花だ。副社長・近藤の推薦でエントリー。かつて共闘していた先輩撃破を狙う。芦野は立花戦を「ウォーミングアップ」と称して余裕を見せていた。

 不意を突くジャーマンで主導権を握った立花は、ロープを使ったアームロックやアームブリーカーで左腕攻めに着手。芦野は場外フロントスープレックスで挽回するも、立花は下がらない。リングに戻ると、フロントハイキックでやり返し、エプロンからのプランチャですぐに試合を立て直す。そして、再び左腕に絡みつき、執拗に絞め上げて好機を掴んだ。左腕を容赦なく蹴り上げると、芦野はうめき声をあげて崩れ落ちる。それでも芦野はジャーマンを狙おうとしたが、腕のダメージから投げられずにヒザをついた。勢いに乗る立花は脇固めでギブアップを迫る。

 苦闘が続いた芦野だったが、串刺し攻撃を必死に迎撃すると、ダイビングエルボースマッシュでやっと反攻。腕を押さえてすぐに攻勢には移れなかったが、それでも各種エルボースマッシュを乱れ打つと、クラッチを解かずに俵投げを2連発で敢行。得意のアンクルロックに持ち込んだ。

 しかし、立花はこれを腕ひしぎ逆十字固めで切り返す。再びアンクルに捕まっても、下から蹴り上げて切り抜け、左右のエルボーを乱射。ローリングエルボーから大外刈りに繋げて場内を沸騰させた。「兄貴」コールを浴びた立花は、ここが勝負所とデュードバスター、えびす落とし(腕極式アングルスラム)と大技を連発。そして、満を持してシルバーロックに捕獲する。

 危ない場面だったが、芦野は何とか脱出。三角絞めに移行されても、コーナーへのパワーボムで振り払う。さらに、ロコモーション式ジャーマン3連発で追い討ち。キックアウトした瞬間、立花が腕に絡みつくと、芦野は表情を歪めたが、ギリギリで耐え抜くと、足を捕獲してンクルロックへ。立花はあの手この手で脱出を図るが、芦野はここを逃してなるものかと決して離さずに絞め続け、何とかギブアップを奪い取った。

 試合前は余裕の発言を連発していた芦野だったが、終わってみれば薄氷の勝利。試合後も左腕の状態を気にし、眉間からは流血するなど立花の爪跡は色濃く残った。芦野はマイクを持つと、「おい、立花。お前、やるじゃねえかよ。血を流すと思わなかったよ」と素直に後輩を認め、「まだまだお前には超えられないな」としつつも、「前はアンファンで一緒にやってたな。まあ、俺が無期限謹慎処分にしたんだけどな。でも、今日の戦いっぷりを見たら、もう1回組みたくなったよ。アンファンでやるか? 今、ここで答えを聞かせてくれ」と再合体を要請した。

 それを聞いた立花の答えは「NO」だった。「今の俺があるのはあんたのおかげだ。あんたにプロレスの技術、いや、それ以外に私生活も、トレーニングだって…ここの何が美味えとか、これをこうやって食ったら美味えとか、そういうことを教えてくれたよ、あんたが! 俺がまだ未成年のクソガキだった頃から面倒見てもらって、正直、またあんたの隣でプロレスやりてえ」と揺れる思いを吐露したものの、「だけど、またあんたの隣になっちまったら、また竹刀とか、武器とかに頼っちまうかもしれねえ。あんたっていう強え存在があったから、俺はやんなくても勝てると思っちまうんだよ。それじゃダメなんだよ! それじゃW-1のためにならねえんだ!」と絶叫。観客もそんな立花を支持する。

 溢れる気持ちは収まらず、「だから、俺はあんたとは組まねえ。あんたと対角に立って、あんたからいつかギブアップを取ってやるよ」と決意を新たにした立花。会場が「立花」コールに包まれると、後輩の思いを汲み取った芦野は「わかった。じゃあ、俺はこのトーナメントで優勝して、文体でT-Hawkからベルトを取り返して、このリングで待っているから、そこまで上ってこい」とゲキを飛ばす。そんな芦野が去っていくと、一旦頭を下げてから、中指を突き立てた立花だった。

 メインイベントの結果、7・2後楽園で行われる準決勝の対戦カードは芦野vs土肥孝司に決定。図らずも昨年の優勝決定戦と同一カードになった。しかし、立花の気持ちを受け止めた芦野に迷いはない。「7月は俺が2回勝ち上がります。しかも、2試合ともメチャクチャ面白い試合をして俺が勝ち上がるから」と結果でも内容でも頂点に立つ構えだ。

【芦野の話】「いやあ、もっと余裕だと思ったんだけどね。やっぱりあいつはあいつの中で、今までやってきたことは正しいって証明したいだろうし。でも、それを俺は一切認めないし。それがあるからこそ、戦いっていうのが生まれるのかなとあいつの言葉を聞いて改めて感じましたね。まあ、今まで対角にはジャケットを着たヤツがいたから、そいつがガンガン来てたけど、次の世代…それが稲葉、土肥なのか? まあ、稲葉と羆嵐は俺の前で勝ってるからね。この試合(メイン)の勝者が7月の相手だけど、誰が来ても今のW-1は素晴らしいものを見せれるんじゃないかなと。俺と立花でこれだけお客さんを納得させたから、他の人間ももっと戦っていかなきゃいけないよ。俺の今日のテーマは、立花に勝つのは当たり前。このトーナメント4試合の中で、絶対一番面白い試合をする。それが俺の中での目標だから。それはどの会場でもそう。絶対俺の試合を一番面白くしてやる。俺はそう思ってプロレスをやってるから。それがね、今の若い人間、下の人間に少しでも伝わるかなと。俺は試合を通じてしか伝えることできないから。それをヤツらには実践してほしいな。そして、この試合、土肥か征矢。7月は俺が2回勝ち上がります。しかも、2試合ともメチャクチャ面白い試合をして俺が勝ち上がるから。芦野祥太郎のプロレスをとくとご覧…俺のプロレスはW-1でしか見れねえよ」

【試合後の立花】
▼立花「正直見ているヤツらは10対0、いやそれ以上に確実に芦野祥太郎が勝つと思ってただろ? それを覆したくて。W-1には立花誠吾がいるぞって見せてやりたかったけど、負けた…クソ。なんでタップしねえんだよ!? チクショウ。でも、ここでは折れねえ。まだ何度だって挑戦してやる。チャンスを自分で掴んで、ドンドン上のヤツをぶっ倒して、いつか必ず芦野祥太郎とまたやるから。よく見とけよ、てめえら。目を離すなよ、コノヤロー」

※近藤が姿を現す

▼立花「すいませんでした」

▼近藤「まあ、いいよ別に。誰も勝てると思ってねえだろ? こいつら(記者たち)だって優勝できると思ってねえんだからよ。俺もわかってんだ。みんなわかってんだ」

▼立花「ふざけんじゃねえ。推薦したろうが。なんでそういうことを言うんだ!?」

▼近藤「プロレスで一番大事なことは何かわかるか? キャリアだ、キャリア。経験なんだよ。こういう経験が大事なんだよ。わかるか? わからねえか。まだキャリアねえからな。経験なんだよ。お前らも思ってるんだろ? 立花が優勝するなんて。いいんだよ。ここから全員の思いを覆してやればいいんだよ」

▼立花「それはそうだ」

▼近藤「悔しいだろ?」

▼立花「メチャクチャ悔しい」

▼近藤「それでいいんだよ。まあちょっと、頑張っていこうや。折れねえように見てるからよ」

▼立花「ここじゃ折れねえぞ、俺は。必ず這い上がってやる!」

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