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6/10【Fortune Dream】“ヒザ蹴りvsチョップ"で壮絶打撃戦 耕平が滝澤狩りで蹴撃軍勝利

『Fortune Dream 6』東京・後楽園ホール(2019年6月10日)
○佐藤耕平&石川修司&ジェイク・リーvs火野裕士&ゼウス&滝澤大志×

 ヒザ蹴りとチョップを得意とする6人が壮絶な打撃戦を展開。最後は耕平がジャーマンで滝澤を下し、蹴撃ファイター3人が勝利した。

 ヒザ蹴りを得意とする石川(全日本)&ジェイク(全日本)&耕平(ZERO1)と、チョップを得意とする火野(ZERO1)&ゼウス(全日本)&滝澤(2AW)が6人タッグ戦で激突。小橋プロデュース興行らしいテーマの一戦となった。火野&ゼウス、石川&耕平は『Fortune Dream』の常連メンバーで、そこに小橋プロデューサーが期待をかける滝澤とジェイクが加わる形となった。

 ゼウスと耕平の先発でゴング。ゼウスがあいさつ代わりに胸板を張ると、顔を歪めた耕平は石川にスイッチする。石川は火野とショルダータックルやエルボーを打ち合って火花。火野の逆水平、石川の追尾式ニーリフトも火を噴く。続いては滝澤とジェイクの出番。ジェイクのサッカーボールキック、滝澤の背中へのダブルチョップが交互にさく裂した。

 戦場が場外に移ると、戦いはさらに激化。石川と火野、耕平とゼウス、滝澤とジェイクが場内所狭しと暴れ回り、スタンド席やひな壇で真っ向勝負を繰り広げる。火野は実況席につく小橋の前に耕平を連行。小橋に一礼してから逆水平をぶち込んだ。耕平も意地になって胸板への張り手を返し、衝撃音が何度も場内に響き渡る。場外戦は“チョップ軍"が優勢に進めるも、リング上に戻ると、“ヒザ蹴り軍"が滝澤に集中砲火を浴びせて主導権を握った。

 滝澤が石川をこん身のダブルチョップでなぎ倒すと、チョップ軍が猛攻に転じる。ゼウスが逆水平やフライングバイセップスエクスプロージョン、フロントスープレックスで石川を圧倒すると、火野と滝澤もリングに飛び込み、連係攻撃へ。3つのコーナーにヒザ蹴り軍を個別に追い込むと、同時にマシンガン逆水平をお見舞い。仲間とはいえ、チョップにこだわりを持っている3人だけに、互いを意識してこれでもかと乱射した。ヒザ蹴り軍は胸を押さえて苦もんする。

 負けじとジェイクがヒザ蹴りで活路を開く。しばらく捕まった石川がミサイルキックでゼウスを弾き飛ばすと、代わったジェイクはヒザ蹴りを猛連打。ゼウスのリフトアップスラムを食らってしまうと、代わった火野のラリアットや逆水平に被弾したが、またまたヒザ蹴りを唸らせ、DDTで払いのけた。あとを受けた耕平はミドルキックにこだわる。火野の逆水平に呼応して、激しいラリーを繰り広げた。

 火野のフロッグスプラッシュがさく裂すると、耕平は急ブレーキ。あとを受けた滝澤はミサイルキック、ファルコンアローで追い討ちすると、チョップ軍の3連続串刺し逆水平もさく裂した。すかさず滝澤は高さのあるムーンサルトプレスで勝負に。

 慌ててジェイクが飛び込み、滝澤とエルボー合戦を展開。ジャンピングミドルキックで蹴り飛ばすと、久々にタッグを組んだ“ツインタワーズ"耕平&石川も連続ランニングニー→同時ニーリフト→サンドイッチエルボーと畳みかける。ゼウスが助けに飛び込むと、両軍の大技が次々と連鎖。最後に耕平をダブルチョップでなぎ倒した滝澤が追撃を狙って突進したものの、耕平はこん身のニーリフトをグサリ。こだわりのヒザ蹴りで勝機をたぐり寄せると、横殴り式のエルボーからパイルドライバーに繋げ、ジャーマンで粘る滝澤を沈めた。

 試合後、小橋が各握手を交わしてメインイベントで激闘を繰り広げた6人のねぎらう。出場全選手がリングに集結し、サインボール投げや記念撮影が行われると、最後に小橋がマイク。「『Fortune Dream』、どうでしたか? また来年お会いしましょう。どうもありがとうございました」と締めくくると、13日に命日を迎える故・三沢光晴さんの入場テーマ『スパルタンX』が鳴り響く。後楽園ホールが大きな三沢コールに包まれて、『Fortune Dream 6』は幕を閉じた。

 激闘続きだった興行全体を見守った小橋は「1回1回完全燃焼する思いで、今回の『Fortune Dream 6』に取り組んできました。でも、今日もみんなの歓声を聞いて、また今度は『7』に向けての活力をもらいました」と気持ちを新たにした様子。来年も激しい戦いが期待できそうだ。

【試合後の石川&ジェイク&耕平】
▼石川「久しぶりに耕平さんと組んで凄かったし、ジェイクも凄いし。いつもよりもより激しくできたんで。この2人は頼もしいなと改めてまた思いました」

――ジェイク選手も思うように自分を打ち出せた?

▼ジェイク「ええ。もちろんです。僕にないものをこのお二人、そして対角線にいる人たちが持っていたので。ドンドンドンドンこれからも吸収して、またこのリングでお会いできればと思います」

――チョップを食らいまくったものの、最後に決めてくれた耕平選手は?

▼耕平「いやいや、見ての通り。痛い! でも、久しぶりに石川選手と組んで、そこに同じく全日本のジェイク選手。全日本プロレスの激しい熱い戦いを感じることができて最高です」

――6人タッグという形ながら、久しぶりにツインタワーズを組んだが?

▼耕平「それぞれ熱く激しい試合をしているというところでは一緒だと思うんで。だから、こうなっても上手いことアシストしてくれたし。それ以上にジェイク選手の若さと勢いに負けないようにと。40代は頑張りました」

▼石川「久々に組めて、頼りになるなと改めて感じたし。ジェイクとも組んだことなかったんで。こういった機会を与えてくれた小橋さんに感謝します。またこういう機会があればまた呼んでもらって。ツインタワーズが見たいって言ってもらえれば」

――チョップとヒザだったらどっちが強い?

▼石川「ヒザは今日、そんなに打ってないですよ? どっちが勝ったと思う?」

――試合はヒザが勝った

▼石川「ヒザが強いってことですよ」

▼耕平「ヒザやってない気がしないでもない(笑)」

▼石川「最後の連携で(笑) またお願いします」


【試合後の火野&ゼウス&滝澤】
▼火野「今日は蹴りvsチョップだったよね?」

▼ゼウス「まあ、足vsチョップみたいな感じで」

▼火野「感じやったよね。なんで佐藤耕平のエルボーが一番痛いねん? 意識飛びそうになったわ」

――佐藤選手は張り手でも対抗してきたが?

▼火野「あれは大したことないけどね。蹴りはもちろんエルボー2発で。見てました? 久しぶりに意識がポーンと」

――ゼウス選手、蹴りはどうだった?

▼ゼウス「石川選手のラリアットが強烈でした。本当に強烈なラリアットでしたね」

▼火野「みんな足ちゃうやん」

▼ゼウス「たっきー、大丈夫? たっきーのチョップ、メッチャ良かったで」

▼滝澤「ありがとうございます。でも、佐藤選手のジャーマン凄かったな」

▼ゼウス「あれは危険」

▼火野「誰も蹴りないやん」

――滝澤選手は小橋さんの前でチョップとムーンサルトがあったが?

▼滝澤「まあ、意識しなかったと言えば嘘になりますけど。自分は小橋さんの目の前であれだけチョップが打てて、そしてムーンサルトで飛べて最高の気分です」

――ゼウス選手のマシンガンチョップも相当気合いが入ってた?

▼ゼウス「小橋さんの生きた魂が移りまして、しつこくて手が止まらなくなったんです。止まらなかったんで、あのマシンガンチョップで自分も攻め疲れというか(笑) やっちゃいましたね。肩から背中にかけて張りましたね。筋肉がパンプしました」

▼火野「あのマシンガンチョップは自分やったことないのに付き合わされて。メチャクチャ長い。いつまでやるのやって。正直、対戦相手のジェイク・リーを自分は叩いてたんやけど、途中で可哀想になってきたもん。ごめんなと思いながら打ちましたよ」

――大会全体を振り返ると?

▼滝澤「今日は負けてしまいましたが、次にもし出る機会があれば、もっと強くなって、勝ちにいきたいと思います。ありがとうございました」

▼ゼウス「小橋建太さんの血と根性を感じましたね。このチョップ1発で試合が盛り上がる。試合の流れでいろんな技を繰り出すけど、何よりいいチョップをした、強烈なチョップを打ち込んだ瞬間が一番盛り上がる。そういうプロレスの根本を…チョップを1発極めただけで、80歳ぐらいまで飯食えるんちゃうかと思いましたね」

▼火野「80になってもプロレスやってるんですね?」

▼ゼウス「まあまあ、生きてたら。目標が何個があるんですけど、100歳まで健康に生きるという目標を持ってるんで」

▼火野「かっこええ。いいですね。やっぱ『Fortune Dream』、雰囲気いいですね。小橋さんの人柄じゃないですか? 毎年毎年この大会に出させてもらって感謝ですよ。自分も1年に1回の楽しみなんで。これからも『Fortune Dream』を盛り上げますんで、小橋さん、よろしくお願いします」

▼滝澤「よろしくお願いします」

▼ゼウス「ぜひとも『7』もよろしくお願いします」

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