プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

6/26【POWER HALL】武藤が1年3ヵ月ぶりに復帰「今日がスタート」

『POWER HALL 2019-New Journey Begins-』東京・後楽園ホール(2019年6月26日)
○真壁刀義&藤波辰爾&武藤敬司vs越中詩郎&石井智宏&長州力×

 武藤が長州引退興行で1年3ヵ月ぶりに復帰。「俺は今日がスタート」と宣言した。

 昨年3月の両ヒザ人工関節設置手術以来、長期欠場を続けていた武藤が復帰を迎えた。すでに化身グレート・ムタとして新日本&ROH4・6ニューヨークMSG大会などアメリカで2試合をこなしているが、武藤敬司としては1年3ヵ月ぶりの復帰戦となった。

 序盤から長州と向き合った武藤はスリーパーに捕まり、強く意識してきた石井に何発も逆水平を食らったが、その後、フラッシングエルボーやSTFで反撃。低空ドロップキック→ドラゴンスクリュー→足4の字固めのフルコースでもん絶させた。終盤には長州相手にシャイニングウィザードをさく裂。ドラゴンスクリューで越中を蹴散らして長州をローンバトルに追い込み、真壁の勝利につなげた。

 復帰戦で上々の動きを見せた武藤。「久しぶりの試合で、家でシューズとかをパッケージするだけで息が上がっちゃったから。大変だったですよ」とは言うものの、「僕自身まだ伸びしろが凄いある」と確信。「生涯通して、その伸びしろを埋めていく作業をしますよ」と誓った武藤は「今日は長州さんが引退されたけど、俺は今日がスタート」と言い切った。この日もビッグネームが揃った中で存在感を示した。武藤はまだまだ健在。自身の限界はまだ先と信じて、これからもリング上で閃光を放つつもりだ。

【試合後の藤波&武藤&真壁】
▼武藤「泣きすぎて、目が腫れてますね、俺たち」

▼藤波「そうだよ。2人だけで悲しくて泣いてて」

――試合を振り返ると?

▼武藤「藤波さん、10カウントしてなかったですよね?」

▼藤波「ということは?」

▼武藤「また復帰するんじゃないですか(笑)」

▼藤波「俺もそう思った」

▼武藤「普通、引退したら10カウントですよね?」

▼藤波「そうだよ。10月にドラディションがあるから」

▼武藤「じゃあ、そこで復帰させましょう」

――藤波選手はこみ上げるものがあった?

▼藤波「まだね。これからでしょう。でも、彼自身、まだ気持ちは現役と一緒で燃えてますからね。いつも戦えるように準備しておかないと」

――見送る立場になったが?

▼藤波「俺は誰が見送ってくれるの?」

▼武藤「俺が見送りますよ」

――武藤選手は久しぶりに長州選手と戦って?

▼武藤「試合を見てて、元気なのに引退されるのはもったいないなって率直に思ったけど。引退したから、逆にプライベートで近くで遊ぶことができんじゃないかなってちょっとした期待もありますけど」

――ドンドン先輩方がいなくなって、見送る立場になるが?

▼武藤「今日は長州さんが引退されたけど、俺は今日がスタートだからね。久しぶりの試合で、家でシューズとかをパッケージするだけで息が上がっちゃったから。大変だったですよ。やっぱりいくら練習しても、リングの上でちょっと動くと息の上がり方が全然違うからね。まだ逆に言ったら、今日がスタートで、僕自身まだ伸びしろが凄いあるということだから、生涯通して、その伸びしろを埋めていく作業をしますよ」

※遅れて真壁が登場

▼武藤「喋れよ。俺らは喋り終わったから」

▼真壁「え、何の話を?」

――引退試合で長州選手から3カウントを奪った気持ちは?

▼真壁「気持ち? いや、当然だと思っているよ、俺の中では。だって、それはそうだろ? 年代から考えてもそうだし、敵として俺が取らなきゃ意味がないだろ? 武藤さんも藤波さんももちろん出ているよ。大先輩が出ているけど、そこで俺が取らないと意味ねえだろって俺は思うから」

▼武藤「そこで俺がお前に託してよ。俺は捨て身で託して外に出ている間、そこから長かったな、お前。俺、息が上がっちゃったよ、長すぎるから」

▼真壁「たまにはそういうことがあるってことで、ご勘弁、ご容赦をお願いしたいと思うんですけど。なんで俺が怒られてるんだ? 勝ったのに」

※ここで藤波と武藤が去っていく

――若手時代から長州選手とは深い関係があったと思うが、最後に同じリングに上がったことについては?

▼真壁「本当の意味で感慨深かったのは、前に長州さんがバリバリの時に引退した時だね。俺は東京ドームに出たかった。スゲエ出たかった。だけど、俺もペーペーだったし、実力も何にもないから、省かれたわけで。でも、今回はこうやって選ばれたわけで、当然だろうなって。長州さんの中で一番関係あるのはもちろん俺であり、石井であり。実力も。あいつはチャンピオンベルトを持っている。俺も6メンのチャンピオンベルトを持っている。実績があって言うことない。ということなんだよね、結局。あの人の元から巣立った人間がどれだけ実力を示して、プロレス界で幅を利かせてるか? それが全て。答えはこれが全てだよ」

――最後、キングコングニーを何度やっても立ち上がってきた

▼真壁「あの執念はスゲエ感じたよね。長州力って、わかんねえよ、返したところでラリアットは俺には効きやしねえ。わかってる。だけど、あの人は返すだろ? 1発返す、2発返す、3発返す。だって、俺のキングコングニーなんて1発で全部試合決まってんだぜ。4発も5発も出したことねえ。それでも返してくる。あの執念を感じたよね。でも、あの執念っていうのは、プロレス界でも本当にレジェンドじゃないとあそこまでは出せねえと思うんだよ。なぜか? ハートだよな。やられたって、そのあとに何が残ってるよ? 俺の顔面ぶん殴って、ラリアットかまされて、俺のラリアット食らって、もう1回食らうんだぜ? そんな痛いもんわかってる。予想なんて軽くできる。その中でも、あえて返すのに長州のカッコいいことあるじゃん。ただでやられねえぞって。あのカッコ良さ。だから、俺もそうだし、石井もそうだし、今現役の巣立った選手がいるよな。長州力に憧れて、この世界に入って。でも、あの長州力の本当にファイナルのファイナルだと思う、今日は。あの人の実績、功績はスゲエもんがある。今だから話してやるよ。長州力の入場テーマ、俺は付き人に付きながら、『POWER HALL』が流れた瞬間、しびれてからな。ゾクゾクって。あの感覚って。付き人でさえ震え上がらすような感覚。日常で四六時中会っている先輩であってもゾクゾクって来る。あれってなしてなるもんじゃねえと思うんだ。その人が持っているものだと思うんだよな。だから、あの人は持っているってことだ。だから、あの人の下に付いて、若手時代を過ごして、プロレスとはなんたるものか、プロレスラーとはなんたるものか、それは本当に最初から全部教わったからさ。だから、良かったんじゃないの、一番最初に長州力に付いて。怒鳴られまくってさ。面白おかしいこともいっぱいあったしさ。プロレスラーみんなにもそうだし、一般のファンの方たちにも凄い夢を与えたレスラーの1人で間違いない。だからこそ、俺は一番側にいるから、首をかっ切ってやろうと。よくもまあ、俺の名前を挙げたなって。もちろん石井もそうだと思う。最前線だからな、新日本プロレスの。チャンピオンベルトを持っているってことは最前線だから。その面子を自分のタッグの中にいれたってことはどういうことなのかわかっていることだから。それはやっぱりアッパレだよね。だから、俺の憧れた長州力でよかったなと思う、最後は。最高だったよね。ファンの人たちはどう思うかわからない。でも、俺的には最高だよ。かつての憧れの人間だった長州力と同じリングで対峙して、最後の試合を飾るんだから言うことないだろ? プロレスラー冥利に尽きるというか、最高なんじゃない? そんなところだな」

プロ格 情報局