プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

7/15【DDT】前代未聞の全席無料ビッグマッチ開催 竹下が遠藤撃破で3ヵ月ぶりKO-D返り咲き

『Wrestle Peter Pan 2019』東京・大田区総合体育館(2019年7月15日)
KO-D無差別級選手権試合 ○竹下幸之介vs遠藤哲哉×

 前代未聞の全席無料興行となった大田区大会のメインイベントで竹下がライバル・遠藤を熱戦突破。3ヵ月ぶりにKO-D王座に返り咲いた。

 遠藤は4・4ニューヨーク大会でいつでもどこでも挑戦権を行使。竹下からベルトを奪ったばかりの佐々木を破ってKO-D王座初戴冠を果たすと、その後お難敵を退けて4度の防衛を重ねてきた。そんな王者に挑むのが竹下だ。竹下はトーナメント戦・KING OF DDTを制して挑戦権を獲得し、再び至宝に手をかけた。過去の戦績は竹下の7勝3敗2分と挑戦者が圧倒的有利。KO-D戦に限れば、竹下が2勝1分と無敗をキープしている。しかし、これまでと違うのは遠藤が王者として竹下の挑戦を迎え撃つというシチュエーションだ。DDT史上初の全席無料という挑戦的なビッグマッチで2人が雌雄を決した。

 丸め込み合戦などで序盤から激しくせめぎ合う。遠藤はコーナーマットを引っぺがしにかかると、場外戦でも攻勢に出たが、竹下はリングに戻るとカウンターのパワースラムで反撃。ペースを握ると、腰に強烈なエルボーを何度もぶち込み、ウォール・オブ・タケシタ(逆エビ固め)に捕獲した。遠藤が何とか切り抜けても、竹下の逆水平も猛威を振るう。

 それでも王者として引かない遠藤は空中戦で挽回。捻りを加えたサスケスペシャルで飛翔し、「遠藤」コールを巻き起こした。スワンダイブエルボーで追撃すると、トーチャーラックボムの構えに。これはヒザ蹴りで振り払われると、ハンドスプリング攻撃もキャッチされてしまったが、体勢を入れ換えると、急角度のDDTでマットに頭から叩きつける。

 だが、竹下はブルーサンダーの要領からワンハンドバックブリーカーに繋げて腰攻めで挽回。ロープを掴んだ状態から変型リバースフランケンを仕掛けて遠藤をエプロンに叩きつける。危険な角度で頭を強打した遠藤に声援が集中するが、竹下はブレーンバスターでエプロンに投げつける非情な攻撃で追い討ち。リングに戻ると、ブルーサンダーから再びウォール・オブ・タケシタに捕らえる。

 何とか遠藤がロープにエスケープすると、ここから激しいせめぎ合いに突入。竹下が高速ドラゴンスープレックスでぶん投げれば、遠藤はハンドスプリング式レッグラリアットで譲らず。だが、腰のダメージからトーチャーラックボムが腰砕けに終わってしまうと、チャンスを逃さない竹下はローリングラリアットをフルスイングでぶち込んだ。遠藤はその場飛びスパニッシュフライで反攻したものの、竹下はその王者をコーナーに固定。股の間を縫うようにしてトラースキックを放とうとしたが、作戦を切り換え、そのままみちのくドライバーの要領で真っ逆さまにリングに突き刺した。竹下の非情な攻撃は続き、ひとでなしドライバー、どどん、ジャーマンを休む暇を与えない連続攻撃で敢行。満を持してファブルで突っ込む。

 これを空中でキャッチした遠藤はそのままライガーボムで投げ飛ばして大逆転。トーチャーラックボム、シューティングスタープレスと怒濤の大技ラッシュに出ると、ゆりかもめでギブアップを迫った。フロントネックロックを複合した変形式で絞め落としにかかったが、竹下も執念でロープにエスケープする。

 エルボー合戦では競り負けた遠藤だったが、ラリアットで一気に巻き返す。金具が剥き出しになったままのコーナーに叩きつけられると、ファブルに被弾したものの、その目は死んでいない。先読み合戦からカナディナンデストロイヤーを繰り出すと、ダルマ式のカナディナンデストロイヤーもさく裂。勝利を確信した遠藤は今日2発目のシューティングスタープレスへ。

 だが、竹下はヒザを突き立てて撃墜。もん絶する遠藤をウォール・オブ・タケシタに捕獲した。勝負を捨てない遠藤は懸命にロープを目指したが、竹下はリング中央に引きずり込み、エグい角度で絞め上げて一気にギブアップを奪い取った。

 竹下が3ヵ月ぶりにKO-D王座に返り咲き、4度目の至宝戴冠。6人タッグ王座と合わせて二冠王に輝いた。新王者に休息の時間はなく、7・21後楽園ではブルックスとの防衛戦がすでに決定している。次期挑戦者はリングに上がり込み、日本語で「オメデトウ」と竹下の勝利を祝福。その上でベルト奪取を予告した。

 早くも王者としての威厳を漂わせた竹下は「クリス…。俺はこのKO-D無差別級チャンピオン…永遠のチャンピオンや。大阪弁わかるか? アイム・フォーエバー・チャンピオン。ネクスト・サンデー・アイ・ウイン・ユー・ルーズ。イッツ・ディスティニーや!」と返答。ブルックスが去っていくと、「大阪弁は世界共通ですわ」と言い放った。

 さらに、「僕は試合でも、そして試合後のリングでも伝えたいことは同じです。これが僕の大好きなDDTです。皆さんどうでしたか?」と胸を張って呼びかけると、場内は大きな拍手に包まれた。今大会ではALL OUTの面々が全勝。それを満足げに振り返った竹下は「高木社長もアラフィフの意地を見せてたし、これがやっぱり僕の大好きなDDTなんやと改めて思いました。それを皆さんにちょっとでも分け与えられたら嬉しいです」とDDTへの熱い思いを口に。

 最後に「竹下幸之介だけじゃない。ALL OUTも、選手も、ここにいるお客さんも、全員のDDTです。僕たちも頑張ります。皆さんもぜひこれからの盛り上げるお手伝いをよろしくお願いします。世界に誇れるナンバーワンの団体に必ずして見せますんで、これからもよろしくお願いします」と異例の無料興行を締めくくった竹下。2019年下半期のDDTを再び先頭に立ってけん引する決意をあらわにした。

プロ格 情報局