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7/28【ZERO1】“所属"火野が新鋭・岩崎退け火祭り初優勝 「いじめ、虐待撲滅」訴え涙

『第19回真夏の祭典・火祭り2019〜優勝決定戦〜』東京・後楽園ホール(2019年7月28日)
「火祭り2019」優勝決定戦 ○火野裕士vs岩崎永遠×

 今年で19回目を数えたZERO1夏の風物詩“火祭り"は、“所属"として初めて臨んだ火野が、新鋭・岩崎に圧勝して初優勝を飾った。

 超満員札止めとなった聖地・後楽園。メインに据えられた火祭り決勝戦に駒を進めたのは、今年ZERO1入団を果たした火野(Aブロック代表)と、キャリア1年9ヶ月の20歳ながら急成長を果たした岩崎(Bブロック代表)の顔合わせとなった。

 ゴングが鳴るなりドロップキックで岩崎が奇襲。場外戦でも火野をかく乱しながら果敢に押し込んだが、火野も強烈な逆水平チョップを軸に悠然と反撃。岩崎のボディスラムも踏ん張るや、軽々と逆に投げ返しいった。

 それでも諦めずに突っ込み続ける岩崎は、串刺しラリアットやカウンターの裏落としで反撃。火野もすぐさま巻き返してリングが揺れる豪快なダイビングボディプレスを投下したものの、岩崎も必殺のFucking BOMBはリバースしてみせた。

 その後は真っ向からの打撃戦に。火野は腕を後ろに回し、胸板を突き出す得意のポーズで岩崎こん身の猛打を受け止め続ける。それでも岩崎は気迫のエルボーからのラリアットでついに火野をなぎ倒すや、ジャーマンで投げ飛ばしてみせた。

 沈まぬ火野も、続くラリアットを“壁"のように仁王立ちで受け止めるや、逆に“腕力だけ"のスレッジハンマーを余裕で叩き込む。ふらつきながらも岩崎もラリアットで突っ込んだが、やはり火野は倒れない。ならばとカウンターのジャンピングニーでグラつかせ、後頭部へのジャンピングニーアタックも発射。雪崩式のバックドロップも気持ちで投げきって火野を追い込むや、ロープに走った。

 だが、火野は強烈なカウンターラリアットをズバリ。さらには豪快なジャーマンで投げ捨てる。岩崎もすぐさま雄叫びを上げて突っ込んだが、待っていたのは猛烈なカウンター・ラリアット。岩崎もどうにか肩を上げたが、最後は今度こそのFucking BOMBで豪快に叩きつけた火野が完璧な3カウントを奪ってみせた。

 2度目の出場にして、火野が圧勝で火祭り初優勝。試合後には「デビューして1年ちょいでここまで来た永遠クン、ありがとう! でもね、火祭りっていうのはデビュー1年くらいでトップ取れるくらい甘くないっちゅうこった。自分はまだ火祭り2年目ですけど、それはずっとZERO1を応援してくれてるファンの皆さんが一番知ってることだと思います。でも永遠クン、まだまだ若いんや。もっと強うなって、また一緒に盛り上げようや」と、躍進した若手にメッセージを送って場内も拍手に包まれた。

 火野は今年3月にZERO1に入団。「強い強い田中さんがおって、ぎょうさん酒飲む菅原拓也がおって、適当な返事ばっかしとるオッキーさん。でも凄くフットワーク軽くて仕事一生懸命やってます。そして何よりも、プロレスファンを愛し、子どもたちを愛している大谷さんの、あの背中。あの人にはホンマ素晴らしいもの感じてます。だから火祭り優勝したからには、もっともっとこのZERO1を盛り上げたいと思います」と“ZERO1の火野"としての覚悟を改めて口にした。

 そして“優勝者にしか抜けない"火祭り刀を見事に抜いて見栄を切ってみせた火野。締めのマイクでは、改めて“ZERO1"を選んだ理由を口にした。

 「せっかくやからひとつ伝えたいです。さっき大谷さんの愛を感じて、と言いましたが、いろんなニュース、心の痛い事件があるなかで、自分は“虐待"っていうのが心が一番痛い。以前、沖縄である施設でプロレスをやったんですけど、そのあと打ち上げでバーベキューをやって。虐待を受けたり、片親だったり、そんな子たちやけど、めちゃくちゃ明るいんですよ。その中で忘れもしない。『最近、一番楽しかったことはなに?』って聞いたら、1ヶ月に1回しか会えないお父さん、2ヶ月に1回しか会えないお母さんと遊んだ時が一番楽しかったと。そんな子たちの気持ちになるとほんま涙が出てきますよね。そういう子たちをうちら大人が守らんと。子供は未来、その未来をうちら大人で守っていきましょう!」。

 ZERO1は“いじめ撲滅"のチャリティーに取り組み続けている。珍しく声を詰まらせながら、そう訴えた火野は「イジメ、虐待、ワシがぶった斬る! 3、2、1ゼロワーン!」を唱和して締め。怪物の涙と、熱い思いとともに今年の火祭りは幕を閉じた。

プロ格 情報局