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7/29【NOAH】清宮がN-1不参加への覚悟を熱弁、「反応した選手」との両国決戦を希望 武田社長と会見

 GHCヘビー級王者・清宮海斗とノア武田有弘社長が27日、都内で会見し、清宮の『N-1 VICTORY 2019』不参加に関する説明にあたった。主たる理由は“11・2両国大会専念"で、清宮は「不参加発言に反応した選手」と王座をかけての両国決戦を望んだ。

 清宮は7・27川崎大会で中嶋勝彦との死闘を制して5度目の防衛に成功。「あれだけ蹴り、ビンタ…打撃を受けたのは、本当に初めてで、今まで以上に“受けの清宮"、受けの自分というのを確立できたと思います。そして、それがあったからこそ、今まで出したことが無いような危険な技、非情な自分というのも新しく発見することができました」と収穫を語った清宮だが、次なる照準となるはずだった『N-1』にはまさかの不参加を表明。すでに物議を醸している。

 理由は、新生ノアとして今年最大の大会となる11・2両国国技館大会への専念だ。無論、改称後の第1回大会となるN-1の重要性は理解しているものの、「王者として両国メインに立つ夢」に向けて今年走り続けてきた若き王者は、「チャンピオンとして描く夢はいくつか自分のなかで作っているんですけど、その中でどれが鍵なのかなと。本気でノアを今年一気に上げたいと思った時に、自分の中でも本当に考えて。そのためにはN-1 VICTORYは凄く大切! 凄く大切だけど、両国のメインが絶対に鍵になると俺は思ったんです」と熱を込めながら理解を求めた。

 清宮の意向をノア側も全面的に受け入れ、N-1不参加と11・2両国大会でN-1優勝者の挑戦を受けることが正式決定。清宮の両国メイン出場が確定した。

 今年6月に新社長に就任した武田社長も「清宮選手のここ半年間での実績をひじょうに評価して、チャンピオンの決断を全面的に受け入れて、信じたい。N-1も両国も、その先もすべての大会を成功させるような大きな渦を巻き起こしたい…というチャンピオンの覚悟。ノアの現状を考えたうえでも、ひじょうにリスクのある、覚悟が必要な決断だと思います。チャンピオンとして毎試合凄い防衛戦をしていますし、ノアを背負うという覚悟の発言だと判断しました」と説明した。

 当然「N-1から逃げた」など反発は必至だが、清宮は「今回、俺がN-1に出ないと発言して、それに反応した選手が何人かいますので、その中で上がってきて欲しいなと思います」と両国メインで“黙らせる"覚悟。武田社長も「リーグ戦に出る選手にとっては、何もデメリットは無いと思っております。勝ち抜いて両国に行ってベルトを獲ればいい…だけの話なので。もうひとつ課題とすれば、リーグ戦に出る選手の方々は、清宮選手抜きでN-1をいかに盛り上げるか。逆にそこもプレッシャーになってくるんじゃないかな、と思います」と話した。

 公式戦には出場しないが、N-1全大会には参戦する。公式戦に注目が集まるだけに、期間中に王者として存在感を示し続ける課題も背負う。

 清宮は「N-1に出ない間も俺はチャンピオンとして体感したいことがたくさんあるので、それはN-1に出ない分、しっかり自分で考えて、試合でお客さんに見せていきたいと思います。N-1は本当に大事な大事な初回のリーグ戦。そこに注目が行くのは分かってます。でも鍵になるのは両国のメインなので、そのために俺はN-1に出ないことで、自分にプレッシャーをかける。今までだって、そうやって自分にプレッシャーをかけてここまで来たので、出ない間も自分で本当に考えてチャンピオンとしていかに成長できるか。N-1に出ずに両国メインに立つ覚悟というのをしっかり自分のなかで持って、高めて、動いていきたいなと思います」と話した。

 若き王者が放った覚悟の不参加宣言。その波紋が渦巻くなかで今夏、清宮とN-1参加選手それぞれによる“両国国技館への道"が始まる。


【清宮、武田社長会見の模様】
――川崎大会での中嶋戦を改めて振り返って?

▼清宮「7・27カルッツかわさき大会、相手は今までで本当に最強のチャレンジャーでした。中嶋さんは独自のスタイルを確立させていて、今までとはスタイルの違う相手だったことと、自分の攻めができない…受けることもさせてくれない。そんなチャレンジャーだったので、今までやったことのないような試合になり、あれだけ蹴り、ビンタ…打撃を受けたのは、本当に初めてで、今まで以上に“受けの清宮"、受けの自分というのを確立できたと思います。そして、それがあったからこそ、今まで出したことが無いような危険な技、非情な自分というのも新しく発見することができました。本当に最後までたくさんの応援、ありがとうございました」

▼武田社長「土曜日のカルッツかわさき大会、皆様ありがとうございました。まずは川崎大会後の清宮選手の意思表明を受けて、今後の大会に関しての決定事項をお伝えさせていただきます。まず清宮選手はN-1 VICTORY不参加、11月2日・両国国技館で優勝者とGHCのベルトを懸けて戦う。そう表明していたと思います。こちらに関しては全面的に受け入れます。それに伴いまして、11月2日、両国国技館での決定事項でありました4大GHC選手権開催につきましては、いったん白紙とさせていただきます。このように決定しました理由としましては、清宮選手のここ半年間での実績をひじょうに評価して、チャンピオンの決断を全面的に受け入れて、信じたいと思ったからです。N-1も両国も、その先もすべての大会を成功させるような大きな渦を巻き起こしたい…というチャンピオンの覚悟。ノアの現状を考えたうえでも、ひじょうにリスクのある、覚悟が必要な決断だと思います。チャンピオンとして毎試合凄い防衛戦をしていますし、ノアを背負うという覚悟の発言だと判断しました。それが受け入れた理由であります。なお、リーグ戦には参加しないのですが、N-1各大会で清宮選手の試合はあります」

※その後武田社長がN-1参加メンバーを改めて発表

――N-1不参加には反発の声も必至だが?

▼清宮「もちろん僕自身、最初はN-1 VICTORYに参加したいと思っていました。大事な、一番最初のN-1 VICTORYということで、必ず成功させたい。チャンピオンとして全国でノアの熱い試合を見せたい。そういう気持ちは俺もあります。ファンの人が『なんでN-1に出ないんだ?』っていう声があがるっていうのも分かります。それは本当にファンの皆さんを心配させてしまうな…とチャンピオンとして思うところはあります。でも俺は、今じゃなくてもっと大きい今後のノアのことを思っているので、この俺の判断が正しいか、正しくないか。それは今は分からないけど、俺がチャンピオンとして描いてる新しい景色。そこに向けて、チャンピオンとして自分の意思で動いていくので、そこはお客さんにも見守ってもらえたら、と思います」

――N-1メンバーを10選手にまで選抜した理由を

▼武田社長「初めての大会なので、いろいろな意見があったんですけど、優勝してベルトに挑戦するにふさわしい…というか、公式戦もすべてがメインイベントにふさわしい試合になるように選手は絞らせていただきました」

――清宮選手は誰に優勝してもらいたい?

▼清宮「今回、俺がN-1に出ないと発言して、それに反応した選手が何人かいますので、その中で上がってきて欲しいなと思います」

――現パートナーの谷口と決勝でやってみたい…という気持ちは?

▼清宮「タッグのベルトを獲るために先シリーズも戦ってきたので、谷口さんの変化っていうのは俺が近くで一番見てるので、シングルのベルトを懸けて戦っても面白いんじゃないかと自分でも思ってます」

――4年ぶりのエディオンアリーナ大阪第一競技場でメインを張ることも夢のひとつだと思うが、より大きな夢を見据えての決断?

▼清宮「チャンピオンとして描く夢はいくつか自分のなかで作っているんですけど、その中でどれが鍵なのかなと。本気でノアを今年一気に上げたいと思った時に、自分の中でも本当に考えて。そのためにはN-1 VICTORYは凄く大切! 凄く大切だけど、両国のメインが絶対に鍵になると俺は思ったんですよ。だからですね」

――出ないという決断をしたからこそ、チャレンジできることもある?

▼清宮「はい。N-1に出ない間も俺はチャンピオンとして体感したいことがたくさんあるので、それはN-1に出ない分、しっかり自分で考えて、試合でお客さんに見せていきたいと思います。N-1は本当に大事な大事な初回のリーグ戦。そこに注目が行くのは分かってます。でも鍵になるのは両国のメインなので、そのために俺はN-1に出ないことで、自分にプレッシャーをかける。今までだって、そうやって自分にプレッシャーをかけてここまで来たので、出ない間も自分で本当に考えてチャンピオンとしていかに成長できるか。N-1に出ずに両国メインに立つ覚悟というのをしっかり自分のなかで持って、高めて、動いていきたいなと思います」

――清宮選手の主張を会社側も受け入れたことで、金剛の拳王選手あたりからは『優遇している』との声も出てきそうだが?

▼武田社長「優遇っていうのは、まったく無いんですけど、彼の意見を全面的に信頼しているっていうのが前提なうえで、仮に会社から『出てくれ』と言ったとしても、清宮選手の性格上、一度決めたことは曲げないということも分かってますし。それにリーグ戦に出る選手にとっては、何もデメリットは無いと思っております。勝ち抜いて両国に行ってベルトを獲ればいい…だけの話なので。もうひとつ課題とすれば、リーグ戦に出る選手の方々は、清宮選手抜きでN-1をいかに盛り上げるか。逆にそこもプレッシャーになってくるんじゃないかな、と思います」

――11月2日近辺は他団体も両国国技館で興行を開催(DDTが3日、大日本が4日)するが、意識する部分はある?

▼清宮「俺はノアの闘いが日本で一番だと思っているので、その自信を持ってるんで。大会が両国で続くのも、俺はノアの魅力をみせられるチャンスだなと思っています。絶対負けることはないです」

――かつて関節技の手ほどきを受けた桜庭選手の参戦が決まったが、対戦に興味は?

▼清宮「教えていただいた技を、本人にかかるのかどうか…。あれから試合では出していないですけど、練習で精度を高めている…っていうのはあるので、やってみたら色んなことができるんだろうなっていうワクワク感はありますね」

――改めて両国国技館という会場への思い入れは?

▼清宮「記念興行とかではありましたが、純粋なノアの興行として両国国技館で大会が行われるのは、僕が入門してからは初めて。そういった意味では、新しい風景だと思っているので、そう言うからには自分が成功させないなと思ってますし、今年ノアのなかで本当に鍵になる大会だな、と自覚しています」

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