8/7【新日本】棚橋痛恨4敗目で連覇逸す ファレが2戦連続でまさかの丸め込み

『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』静岡・浜松アリーナ(2019年8月7日)
Aブロック公式戦　○バッドラック・ファレvs棚橋弘至×

　ファレが2戦連続でまさかの丸め込みで激勝。痛恨の4敗目を喫した棚橋はブロック敗退が決まり、連覇の夢が潰えた。

　前回覇者の棚橋が連敗スタートとなったものの、その後、4連勝を飾り急浮上。しかし、8・3大阪では同じく4連勝中だった飯伏に敗れ、一歩後退を余儀なくされた。とはいえ、まだブロック突破の可能性を残している。今宵の相手は2勝5敗のファレ。すでに脱落が決まっているが、8・3大阪では、セコンドの邪道やオーエンズを乱入させた上で、KENTAをまさかの横入り式エビ固めで料理。不気味な存在感を見せている。2人はG1で6年連続の対戦。ここまで棚橋が3勝2敗となっているが、昨年は暴走を許しての反則勝ちだっただけに、逸材は正面突破を予告していた。

　ファレの奇襲を受けた棚橋だったが、ロープを使っての逆上がりでリングに舞い戻ると、低空ドロップキックを乱射して先制する。しかし、ファレのセコンドについた邪道が竹刀攻撃で介入すると流れは一変。場外戦ではオーエンズの加勢まで許し、ファレに右ヒザを狙われる厳しい展開に。

　棚橋は打撃戦で反撃を試みるも、ボディスラムは押し潰されて失敗し、腰にもダメージを負う。さらに、ロープに押し込まれてハンマーパンチでメッタ打ちにされたが、意地の低空ドロップキック2連発で反撃の狼煙。ドラゴンスクリューに繋げると、テキサスクローバーホールドに持ち込めないとみるや、グラウンド式ドラゴンスクリューから足4の字固めに捕らえた。

　ファレは反転させて棚橋を苦しめると、ヒザを蹴られても動じず、スリングブレイド狙いを読んでショルダータックルをお見舞いする。ジャーマンはコーナーに押し込んで阻止し、回転エビ固めはヒップドロップで押し潰すと、ランニングボディプレスも投下した。

　勝負を捨てない棚橋はグラネードを読んでツイスト&シャウトに持ち込むと、スリングブレイドに繋げて一気にラッシュ。うつぶせに倒れるファレにハイフライフローを落とすと、正調式の構えに。だが、邪道が竹刀をぶち込んで妨害。息を吹き返したファレは串刺しボディアタック、グラネードと大技を連発し、バッドラックフォールの構えに。

　棚橋は間一髪背後に不時着して回避すると、逆さ押さえ込みを狙うが、ファレは踏ん張ってそれを防ぐと、お株を奪うまさかの逆さ押さえ込みでクルリ。そのまま3カウントを奪い取った。

　2戦連続の丸め込みで3勝目を挙げ、ファレは「研究の成果さ、研究の。思い通りに片付けてやっただけ。奈落の底に突き落としてやったよ。新日本の全てを同じようにしてやる」としてやったりの表情を見せた。一方、棚橋は「優勝戦線に残れなかったこと、得意とする丸め込みで3カウントを取られること。この両方がこんなにも悔しいとは…」と意気消沈。「決勝戦線すら絡めなかった。この現実をどうやって受け止めていいか…。まだ、G1 CLIMAXは続くから。まだわかんない…。諦めたことないから…」とうなだれるばかりだった。最終公式戦となる8・10日本武道館で、ファレはSANADAと、棚橋はオスプレイと対戦する。