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8/12【新日本】飯伏悲願のG1初制覇で“新時代”宣言 無法ジェイ破って武道館も歓喜

『HEIWA Presents G1 CLIMAX 29』東京・日本武道館(2019年8月12日)
優勝決定戦 ○飯伏幸太vsジェイ・ホワイト×

 無法ファイトを見せたジェイを執念で返り討ちにし、飯伏が悲願のG1初制覇。「これから新日本プロレスは新しい時代に進みます!」と新時代到来を宣言し、札止めの日本武道館に歓喜の渦を生み出した。

 前回準優勝の飯伏は開幕2連敗を喫し、左足首を負傷したものの、その後は連戦連勝。最終公式戦では初のオカダ超えを果たしてAブロックを制し、2年連続でG1の優勝戦に駒を進めてきた。対するジェイは3連敗スタートとなったが、その後はなりふり構わぬファイトで連勝を重ね、Bブロックを突破して優勝戦初進出。昨日(11日)の試合後に飯伏を呼び出したジェイは奇襲を仕掛けて、左足首をパイプイスで暴行し、「さらなる辱め」を予告した。どちらが勝っても初優勝となる。

 ジェイが加入したばかりのKENTAを含むBULLET CLUBの全メンバーを引き連れて入場。場内は大ブーイングに包まれる。一方、飯伏はたった1人でリングイン。歓声が集中した。すると、海野レフェリーは外道以外のセコンドたちに下がるように命令。ゴング直後に外道が介入すると、海野レフェリーは外道もバックステージに下がらせた。

 邪魔者がいなくなると、飯伏はレッグラリアットで先手。一気に三角飛び式ケブラーダの構えに。しかし、ジェイは足に絡みついて阻止すると、昨日に続いて非情な左足攻めに打って出る。飯伏の反撃をことごとく潰しして、一方的に蹂りんしていく。飯伏はムーンサルトプレスや人でなしドライバーを繰り出すも流れは奪えず。ジェイはラリアット、裏投げ、キーウィークラッシャーと大技ラッシュに出ると、武道館には悲鳴にも似た飯伏コールがこだました。

 飯伏はハーフネルソンスープレックスを決めて歓声を誘うが、ジェイは海野レフェリーとの交錯を誘って無法地帯を作り上げる。ローブローを放つと、笑みを浮かべて外道が花道から登場。その外道からパイプイスを受け取ったジェイは容赦なく左足首にイスを振り下ろした。場内はブーイング一色となるが、気にせずジェイは相手の名前を技名に刻む変型裏足4の字固め・ITO(イブシ・タップ・アウト)に捕獲し、ギブアップを迫った。

 それでも飯伏は諦めない。ジェイにオーバーヘッドキックを叩き込んでやっと好機を掴む。フラストレーションを爆発させるかのように、やり投げ、スワンダイブ式ジャーマンと得意の大技を惜しげもなく披露すると、打撃戦でも圧倒し、シットダウン式ラストライドを繰り出して、大歓声を浴びた。

 しかし、続くボマイェをジェイはリング上に自ら倒れ込んで阻止。客席からはブーイングも飛んだ。気にせずジェイは手招きして挑発。海野レフェリーがそちらに気を取られていると、メリケンサックを装着した外道がリングに乱入する。飯伏はハイキックで返り討ちにすると、ジェイのスリーパースープレックスを食らったものの、すぐに立ち上がって後頭部に、そして正面からボマイェを叩き込む。

 さらに、飯伏はこん身の右ハイキックを連続してぶち込んだものの、ジェイは一瞬の隙を突いてブレードランナーを敢行。両者大の字となったが、一気にジェイペースに傾いた。飯伏は死力を振り絞って立ち上がり、クロスアームスープレックスからカミゴェに繋げようと試みるが、読んだジェイはスリーパースープレックス、クロスアーム式ブラディサンデーと猛ラッシュ。しつこく2発目のブレードランナーを狙っていく。粘る飯伏は距離ができた瞬間、ヒザ蹴りをねじ込むと、スタンド式のカミゴェを一閃。そして、正調カミゴェ、生ヒザ式カミゴェと怒濤の3連発でジェイから逆転勝利を挙げた。

 飯伏が悲願のG1初制覇。トロフィーと優勝旗を受け取ると、武道館は大・飯伏コールに包まれる。疲労困ぱいの飯伏だったが、「このG1は僕にとって本当に人生でも一番大切な1ヵ月になりました。去年、僕は決勝で負けることなりました。でも、今日、こうやって1年ぶりにまた決勝のリングに立つことができて、そして、そこで勝つことができて、本当に嬉しいです」と喜びを爆発させた。そして、G1に出場した選手たちに感謝の言葉を口にすると、「何回も言うけど、僕はここで去年のリベンジを果たすことができて、最高に嬉しいです! こうやってドンドンドンドン新日本プロレスをみんなで大きくしていきたいです」と呼びかけた。

 さらに、「僕に言う権利が回ってきたので、言わせてもらいます。もう1回、言います。こうやってみんなで! みんなで! 新日本プロレスを、プロレス界を盛り上げていきます! これから新日本プロレスは新しい時代に進みます!」と新時代到来を宣言。「みんな一緒についてきてください。本当にありがとうございました。また次のG1もよろしくお願いします」と叫んでフィナーレとなった。

 バックステージではマスコミにビールを配り、自ら乾杯の音頭を取ると、一気飲みまで見せた飯伏。次なる目標を問われると、「夏のG1を獲ったら、なんですか、次は? IWGPヘビーのベルトを獲りにいきますよ。1回、それを獲りたいと本当に思います。そして、本当にそれを実現させます。これから作っていきます」とIWGP獲りに照準を絞った。

 「僕の中でずっと覚悟はあったつもりだったんです。今、こうやってわかった。そう言えばあの時はそういうつもりだったなと。今はでも、それが確信に変わってます。今は本当に覚悟してます。これからも変わらないです」とこの真夏の祭典で新日本をけん引する“本物の覚悟”を掴んだ飯伏。G1覇者の称号を胸に、頂点まで駆け上がる構えだ。

【試合後の飯伏】
▼飯伏「これほどまでに過酷ですか。僕は去年からこの日を待ってました。どうにか掴み取ることができました。でも、こんだけ頑張らないとこれは掴み取ることができないのか、僕はわかりました。今までもわかってたつもりだったけど、わかっていたようなふりをしてたのかもしれない。でも、今は最高に嬉しいですよ! わかりますか、この嬉しさが。最高に嬉しいですよ。(乾杯用の瓶ビールを動かしながら)最高に嬉しいですよ。最高に、最高に、最高に。みんなで乾杯しましょう」

※マスコミにビールを配ると

▼飯伏「いきますよ、じゃあ、みんなと乾杯!」

※飯伏はビールを一気飲みしてどよめきを誘う

▼飯伏「最高に嬉しい」

――去年の自分と今年はどこが違ったと思う?

▼飯伏「去年と今ですか? 全てが違いますよね。特に精神的な面が違うと思いますよ」

――優勝を手にして、次の目標で見えているものは?

▼飯伏「夏のG1を獲ったら、なんですか、次は? IWGPヘビーのベルトを獲りにいきますよ。1回、それを獲りたいと本当に思います。そして、本当にそれを実現させます。これから作っていきます」

――今回、相手チームにはたくさんセコンドがいたが、飯伏選手は最後まで1人だった。心細さはあった?

▼飯伏「いや、僕はずっと1人でしたから…ていうのはもうやめましょう。いや、寂しすぎましたね。1人ですよ」

――相手のジェイ選手については?

▼飯伏「まだ1回目だからわからないですね。これから何回もやって、積み重ねていくんで。それが僕の中では見えたし、またやってみたいなと。今はただただ優勝できたことが嬉しいですよ。それだけです」

――G1中には毎日のように「諦めない」と言っていた。この1年、口にしていた覚悟がわかったということで臨んだ決勝戦はどうだった?

▼飯伏「僕の中でずっと覚悟はあったつもりだったんです。今、こうやってわかった。そう言えばあの時はそういうつもりだったなと。今はでも、それが確信に変わってます。今は本当に覚悟してます。これからも変わらないです」

――それが先ほどの「新しい時代を見せていく」という発言に繋がる?

▼飯伏「そうです。そのままです」

――ことあるごとに「僕にはあとがない」と言ってきたが、その感覚は少し変わった?

▼飯伏「今現在は変わらないですね。そこも変わらないけど、でも覚悟は変わりましたね、やっぱり。自分が言っていた覚悟とはまた違う覚悟ができました」

――「新日本プロレスを大きくしたい」と言っていたが、具体的に目指していることはある?

▼飯伏「やっぱりもっともっとプロレスっていうものは可能性があるのかなと僕は思っているので。もっともっとたくさんプロレスを、たくさんの人に見てもらえたらなと。もっともっと可能性があるので、本当に。それはもう僕だけじゃなくて、他の人と関わり合って、プロレスを盛り上げていきたいなと。プロレスはもっともっと本当に広がる可能性があるので。そこは変わらないですよ。そこは今までとも変わらないです、そこは」

――これまでもいろいろなタイトルを獲得してきたが、その中でもG1のタイトルは特別な重みがある?

▼飯伏「何回目出てると思っているんですか? 4回目…4回G1に出て、掴むことができなかった。それをやっとこうやって積み重ねて、獲ることができて、最高に嬉しいです」

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