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9/3【全日本】野村下剋上ならず 宮原が大熱戦制して盤石V7、三冠王者として王道Tへ

『2019 SUMMER EXPLOSION』最終戦 東京・後楽園ホール(2019年9月3日)
三冠ヘビー級選手権試合 ○宮原健斗vs野村直矢×

 野村の下剋上ならず。宮原が激闘を制して三冠王座V7を達成。エースの座を死守した最高男は王道トーナメント制覇によるシングル完全制覇を見据えた。

 野村の三冠挑戦は3・19後楽園以来6ヵ月ぶり2度目。史上最年少戴冠を誓う野村は2種類の新技も開発し、そのうちの一つ裏スピアーは8・24美幌大会で初公開し、王者からの直接勝利を呼び込んだ。「俺が宮原健斗政権に終止符を打つ」、「俺が全日本プロレスの新しい顔になる」とエース交代を迫る野村に対し、宮原は「99%負けることはない」と断言。両者による三冠決戦の時をついに迎えた。

 必勝を誓う野村が先に仕掛けた。序盤戦で強引に場外戦に持ち込むと、宮原を担ぎ上げ、脇腹から強引に鉄柱に投げつけたのだ。その後も脇腹からに集中砲火を浴びせる。対する宮原は首攻めで抵抗。場外で強烈な頭突きや鉄柵へのギロチンホイップを見舞うと、首4の字固めで執拗に絞め上げてリズムを掴んだ。

 勢いづいた宮原は低空ドロップキック→側頭部へのドロップキックという得意パターンを仕掛けるが、これを待っていた野村は自爆を誘うと、フットスタンプを投下。動きの止まった最高男にこれでもかとショルダータックルを浴びせると、エプロンでDDTをお見舞いする。さらに、場外から組みついて、エプロンの宮原にジャーマンスープレックスを強行した。這うようにしてリングに戻った宮原をノムラロック(仮)に捕獲して絞めに絞める。それでも王者が沈まないとみるや、フロッグスプラッシュで突っ込んだ。

 追い詰められた宮原はこれを剣山で撃墜すると、決死の逆襲へ。野村をコーナーに据えて、強引にジャーマンでぶん投げると、後頭部への串刺しブラックアウト、投げ捨てジャーマン、ブラックアウトと怒濤の猛攻。シャットダウンスープレックスで仕留めにかかった。

 これを振り払った野村は気迫全開で王者の牙城を崩しにかかる。こん身のスピアーを突き刺すと、壮絶なエルボー合戦では一歩も引かず、宮原の乱射を仁王立ちで受け止めた上で、ビンタ一発で張り倒した。しぶとい宮原は隙を突いてブラックアウト、ジャーマンと畳みかけ、またもシャットダウンの体勢に入ったが、野村はここでも回避。スピアーから新技の裏スピアーを突き刺すと、ノーザンライトボムがさく裂。場内が沸騰したが、宮原はギリギリで肩を上げた。重低音ストンピングが巻き起こる。

 王者の意地を見せたい宮原は、野村のスピアーをキャッチすると、距離ができた瞬間、スタンディング式ブラックアウトをグサリ。スピアーへのカウンター・ブラックアウト、正調ブラックアウトと3連発でねじ伏せにかかる。だが、野村は沈まない。三度シャットダウンを防ぐと、激情を爆発させて左右のエルボーを猛連打。後楽園を揺るがすような大歓声が飛ぶと、突っ込んできた宮原をなおもエルボーで下がらせ、とうとう必殺のマキシマムが決まった。誰もが新王者誕生を予感して、カウントの大合唱となったが、宮原は意地のキックアウト。再び重低音ストンピングが起こる。

 野村はまだ秘密兵器の新技を1つ披露していない。今こそそれを繰り出す絶好機。マキシマムの要領で宮原を担ぎ上げると、普段見せないエアプレンスピンでぶん回し、そこから何かを仕掛けようとした。が、その場内に充満した波乱の空気を切り裂くように、宮原は間一髪背後に不時着すると、今度こそとシャットダウンを狙っていく。死力を尽くして野村は再度宮原を担ぎ上げたが、ここでも背後に回り込んだ宮原は、とうとうシャットダウンスープレックスホールドをお見舞いして、執念で3カウントを奪い取った。

 薄氷を踏むような紙一重の勝利だったが、27分の激闘を制した宮原が三冠王座7度目の防衛に成功。野村の下剋上を食い止め、エースの座を守り抜いた。「野村直矢、2度目も奪取ならず。3度目はどうだろうな? 楽しみにしているよ」と挑戦者に呼びかけた宮原は「今日でV7。宮原健斗は最多防衛記録を狙っている。俺は過去にV8が最高だ。そして、記録的にはV8は3位らしい。3位は俺には似合わない。ということは、2位か1位かだ。宮原健斗に似合うのはナンバー1だ」と最多防衛記録更新を改めて見据えると、恒例の「最高!」締めで締めくくった。

 バックステージでも「最多防衛記録はやりたい夢じゃない。やらなきゃいけないんだ。それも2019年中にやる」と記録更新を自らに厳命した宮原は、次期シリーズの『王道トーナメント』に言及。チャンピオン・カーニバルを三冠王者として18年ぶりに制覇した最高男は、史上初の三冠王者としての王道トーナメント優勝を狙っている。

 リング上では「王道トーナメントに関しては明日からにしてくれ」と語っていたものの、バックステージでは高ぶる気持ちを抑えきれず、「俺は歴史を変える男。そして、全日本プロレスの歴史を背負っている男だ。チャンピオン・カーニバルが18年ぶりならば、王道トーナメントは俺しかいないでしょ? 俺が全ていただく。2019年の冠は全て俺がいただく。そのほうがわかりやすくて、宮原のスーパースター感が出て、いいでしょ?」と早くも優勝宣言をぶち上げた。「王道トーナメントの最有力優勝候補は宮原健斗って書いておいてくださいよ」と記者にもアピールして締めくくった宮原。三冠王者として王道トーナメント連覇し、2019年の秋も宮原色に全日本マットを染め上げる構えだ。

【試合後の宮原】
▼宮原「よし、OK。V7、V7だ。あと、野村直矢、凄え選手だな。さあ、俺が戦前に言った『俺にあって野村直矢にないもの』は探したかな? 1つ、見つかったか? 次は3度目。楽しみにしてるよ。早くも王道トーナメントがあるからな。ただ、俺は歴史を変える男。そして、全日本プロレスの歴史を背負っている男だ。チャンピオン・カーニバルが18年ぶりならば、王道トーナメントは俺しかいないでしょ? 俺が全ていただく。2019年の冠は全て俺がいただく。そのほうがわかりやすくて、宮原のスーパースター感が出て、いいでしょ? そして、世の中も、この今、来ている男・宮原健斗が気になってしょうがないんだ。そうやって、スーパースター感を出していくことで…まあ、もうスーパースターだけどな。それは見てればわかるでしょ? ナンバー1が似合うんだ、俺は。とにかくもうV10は俺がやらなきゃいけないこと。そして、最多防衛記録はやりたい夢じゃない。やらなきゃいけないんだ。それも2019年中にやる。王道トーナメント優勝するぞ」

――「宮原選手にあって野村選手にないもの」は結局何だった?

▼宮原「俺が今言ったら、抜かれちゃうじゃないか。答えは教えられないよ。競争の世界なんだよ。みんなで1位なんてありえないんだよ、この世界は。それは新時代のメンバーに宣告しておくよ。みんなで1位になりましょうと思っているヤツがいるならば、俺には勝てねえぞ。俺はみんなで1位なんてそんな甘ったるいことを考えたことは一度もない」

――3月に野村選手が来た時は「ナルシストが足りない」と言っていたが、今回、紙一重の差があったとしたら、それはどこ?

▼宮原「だから、教えられないって。しつこいな、週刊プロレス」

――野村選手に足りないものは?

▼宮原「だから、足りないものは教えられないんだって。こっちは終わったばっかりなんですよ」

――帯広での指先特訓は効果あった?

▼宮原「指先の特訓の効果はあったでしょ、どう考えても。今日3回弾かれましたけどね。効果あったかないかは勝ったからわかるでしょ? とにかく王道トーナメントの最有力優勝候補は宮原健斗って書いておいてくださいよ」

【野村の話】「(セコンドに肩を借りながら)もう1回、一から這い上がるだけです…」

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