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9/3【全日本】ベルト初挑戦・アキラが奮闘も…TAJIRI接戦制してオーストリア王座V2

『2019 SUMMER EXPLOSION』最終戦 東京・後楽園ホール(2019年9月3日)
オーストリアEWAインターコンチネンタル選手権試合 ○TAJIRIvsフランシスコ・アキラ×

 TAJIRIがベルト初挑戦となったアキラの奮闘の前に意外な苦戦を強いられたが、最後は丸め込み合戦を制して、オーストリアEWAインターコンチネンタル王座V2を果たした。

 TAJIRIが保持するEWAインターコンチ王座にアキラが挑戦を表明し、この日のタイトルマッチが決まった。弱冠19歳のアキラは今年2月の初参戦から7ヵ月で全日マットにおけるベルト初挑戦を実現。EWA王座を戴冠して、全日マット定着の通行手形とし、日本、ヨーロッパで防衛戦を行っていく青写真も描いていた。

 試合は握手でスタート。TAJIRIは若き挑戦者の頭を撫でて余裕を漂わせる。しかし、アキラに気負いは皆無。しつこく左腕に絡みついてTAJIRIの出鼻をくじくと、腕を固めたままロープ渡りを披露する。ゼロ戦キックで場外に蹴落とすと、フェイントで幻惑してから、スライディングキック、セカンドロープとサードロープの間を抜けてトペスイシーダをぶち込んだ。

 だが、「邪魔者になります」と宣言していた王者・TAJIRIがここから高い壁となって立ちはだかった。鉄柵に首から叩きつけたのを皮切りに、首攻めにシフト。リングに戻っても、ネックブリーカードロップを見舞い、執拗にスリーパーで絞め上げた。ミドルキック合戦になっても破壊力でTAJIRIが圧倒する。

 アキラの苦闘が続いたが、スキを突いて顔面を蹴り上げて王者の動きを止めると、打撃戦になっても気迫全開で食らいつく。そして、TAJIRIのハンドスプリングエルボーをドロップキックで撃墜。場外戦になると、エプロンからのトペコンヒーロで飛翔した。TAJIRIの反撃をものともせずに、スリングブレイドをズバリ。強烈な逆水平に苦しんだものの、TAJIRIの股の間をすり抜けて翻ろうし、ダイビングダブルニーアタック2連発で好機を掴んだ。

 TAJIRIもダイビングフットスタンプを回避し、不時着した直後のアキラを蹴り飛ばして、必殺のバズソーキックに繋げたものの、挑戦者はそれを空転させる。そして、トラースキック、コルバタからのスイングDDT、エプロンから飛びついてのダイヤモンドカッターと惜しげもなく大技を連発してTAJIRIを追い詰めた。

 しかし、TAJIRIは沈まない。アキラが狙ったフランケンシュタイナーをパワーボムで切り返し、ジャックナイフ式エビ固めで押さえ込む。粘るアキラはこれを切り返して丸め込み合戦に持ち込んだものの、勝負どころを見逃さなかったTAJIRIは一気に押さえ込んで3カウントをもぎ取った。

 善戦空しくアキラの全日マット初戴冠はならず。予想外の苦戦を強いられながらも、TAJIRIがEWAインターコンチネンタル王座V2を果たした。「思ってたより全然手強かったです。この2ヵ月、あいつが全日本に来て、僕は1回も見てないんで。あんなに芯が通っているレスラーになっているとは思わなかった」とアキラの急成長に驚きを隠せない様子のTAJIRIは、「ジュニアに絡んでこなきゃもったいないんじゃないですかね」と今後の活躍に太鼓判。「あいつが全日本のジュニアで名を上げたってことになったら、ヨーロッパにいい選手がいっぱいいるんですけど、そういうヤツらが『俺たちも行きてえ』って言って、乗り込んでくると思うんですよ」と全日本マット活性化に繋がる可能性まで示唆した。

 今後のオーストリア王座については「実は今日アキラに防衛したら、ある選手とのシングルが今度あるんですけど、それにこのベルトを懸けてみたいなと思いました。で、それを今日、Twitterでたぶんつぶやくと思います」と意味深げに宣言。このベルトを巡る戦いにも期待が持てそうだ。

【試合後のTAJIRI】
▼TAJIRI「思ってたより全然手強かったです。この2ヵ月、あいつが全日本に来て、僕は1回も見てないんで。あんなに芯が通っているレスラーになっているとは思わなかった。前はもっとフニャフニャしてたんですよ。ビックリしたなあ。危なかった」

――特にアキラ選手が成長したと感じた部分は?

▼TAJIRI「なんていうかな、パワフルになりましたね。あと、アグレッシブになったと思うな。前はもっと遠慮があったんですけど、遠慮がなくて。ていうか、俺が遠慮してましたね、逆に。全然気を遣ってなかった。何とも思ってないんだろうな、俺のこと」

――アキラ選手は今後の全日本ジュニアのタイトル戦線でも活躍できる実力を持っている?

▼TAJIRI「ジュニアに絡んでこなきゃもったいないんじゃないですかね。あいつが全日本のジュニアで名を上げたってことになったら、ヨーロッパにいい選手がいっぱいいるんですけど、そういうヤツらが『俺たちも行きてえ』って言って、乗り込んでくると思うんですよ。そうやってもう今、本当に世界中どこでも連動してやっているんで、プロレスって。もう行き来が凄い盛んなんですよ。そういうのじゃない、ここで全日本だけでやっていくというのも、それもありなのかもしれないですけど。わからないですけどね」

――今後の防衛戦については?

▼TAJIRI「実は今日アキラに防衛したら、ある選手とのシングルが今度あるんですけど、それにこのベルトを懸けてみたいなと思いました。で、それを今日、Twitterでたぶんつぶやくと思います。ちょっと今は全日本の会場なんで。他団体のことなんで言えないんだけど、会場から出た瞬間に何か言うと思います、きっと」

【アキラの話】「せっかくのチャンスだったのに勝つことができなかった…。最後は2カウントじゃなかったですか? 2カウントで返したつもりだったんだけど…アイム・ソーリー。TAJIRIサン、おめでとうございます」

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