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9/16【新日本】鹿児島凱旋・飯伏がKENTAに雪辱で権利証死守、EVIL名乗り 石森とジュニアタッグV1でファンタズモが2冠王手

『DESTRUCTION in KAGOSHIMA』鹿児島アリーナ(2019年9月16日)

 新日本9月のビッグマッチ『DESTRUCTION』の第2弾・鹿児島大会が16日に行われ、G1覇者として地元・鹿児島凱旋を果たした飯伏幸太が大苦戦を強いられながらもKENTAに雪辱を遂げてIWGPヘビー級王座挑戦権利証を死守。G1で飯伏を破っているEVILが挑戦の名乗りを上げた。大熱戦となったIWGPジュニアタッグ戦はエル・ファンタズモ&石森太二がウィル・オスプレイ&ロビー・イーグルスを返り討ちにし、初防衛に成功。10・14両国大会でIWGPジュニア王者オスプレイに挑戦するファンタズモはジュニア2冠に王手をかけた。

 今夏G1で悲願の初優勝を飾った飯伏がIWGP王座挑戦権利証を獲得。1・4&5ドーム2連戦でのIWGPヘビー&インターコンチネンタルのダブル戴冠をぶち上げた。その前に借りを返す必要のある相手がいる。その一人が7・6ラスベガス大会におけるG1公式戦で敗れているKENTAだ。G1覇者として地元・鹿児島に凱旋となったこの日、権利証をかけての雪辱戦に臨むことになった。対するKENTAはBULLET CLUB入りを果たし、8・31ロンドン大会で石井を破ってNEVER無差別級王座を奪取。次なる標的をIWGPヘビーに定めて再戦を迎えた。

 NEVERのベルトを手にブーイングを浴びながら登場したKENTAは権利証強奪へ手段を選ばない。大歓声とともに入場してきた飯伏にフロントハイキックの奇襲攻撃に出ると、権利証入りアタッシュケースを奪って殴打。アタッシュケースを踏みつけて破壊し、「オイ鹿児島のクソヤローども。今日からこの権利証は俺のもんだ。このだっせぇデザイン、BULLET CLUB仕様に変えとけよ」と吐き捨てた。

 飯伏コールの大合唱が後押しする中、三澤トレーナーが飯伏の意識を確認し、ようやく試合が始まったが、KENTAはゴングと同時にブサイクへのヒザ蹴りを発射。場外フェンス攻撃を連発し、硬い床の上にDDTを敢行してリングアウト寸前に追い込む。飯伏もセカンドロープからのムーンサルトやプランチャで反撃。サッカーボールキック、ローキック、ローリングソバットを蹴り合う意地の攻防に持ち込んだが、三角飛びケブラーダが不発に終わり、テーブルへのニークラッシャー、2度にわたるドラゴンスクリューからのアキレス腱固めと左足を徹底攻撃されて防戦一方に追い込まれた。

 ほぼワンサイドな展開が20分以上も続いたが、飯伏はショートレンジラリアットを振り抜いてようやく流れを引き寄せた。大・飯伏コールが後押しすると、たぎってからのボマイェを狙ったが、KENTAはレフェリーに抱きついて回避。そのスキにGOD・トンガ&ロアが乱入してきた。これを飯伏はオーバーヘッドキックで蹴散らし、ハイキック、ボマイェでKENTAを攻め込んだが、ロアがレフェリーを場外に叩き落としてカウントを阻止。GODがマジックキラーを敢行し、スーパーパワーボムの構えに。またも飯伏がピンチを迎えた。

 するとIWGPタッグ戦の遺恨を引きずる石井とYOSHI-HASHIが駆けつけて阻止。石井が雪崩式ブレーンバスターでロアを叩き落とし、YOSHI-HASHIがラリアットでトンガを蹴散らした。再び1対1のタイマン勝負になると、両者は意地のエルボー合戦を展開。KENTAがPKで蹴り飛ばし、掟破りの逆カミゴェを叩き込んだが、go 2 sleepは飯伏がキャッチ。飛びヒザ蹴りでKENTAの動きを止めた。ここで勝利の呼び水となったのは、鹿児島の地で誕生したカミゴェだった。一発目こそKENTAも3カウント寸前に返したが、飯伏はむき出しにした右ヒザで2発目をぶち込んで逆転勝利を決めた。

 大苦戦の末に飯伏がKENTAにリベンジを遂げ、権利証を死守した。試合後、新たに権利証を狙う男が現れた。KENTA同様にG1公式戦で飯伏に勝利しているEVILだ。KENTAと入れ替わるようにやってきたEVILは「オイ飯伏、俺がその権利証を獲って、東京ドームのメインイベントをダークネスに染め上げてやる。よく覚えとけ!」と宣戦布告した。これには飯伏も拒む理由などない。バックステージで「いつでもどこでもいいですよ。どこでもやりますよ」と受けて立つ構えをみせた。

 EVILが去ると、飯伏は「ありがとうございます。僕がまずはじめに鹿児島で言いたいこと。ただいま」と鹿児島のファンにあいさつ。「僕は去年ここで、鹿児島でG1を優勝して帰ってくると言いました。そしてこの通り今日も権利証を守りました。これが最初の報告です」と1年前の約束を果たせた喜びをかみしめた。「二つ目の約束。わかりますよね? IWGPヘビー級のベルトとインターコンチネンタルの二つのベルトを巻いて鹿児島に帰ってきます」。新たな誓いを立てた飯伏は「これはみんなとの約束です。次の約束を守れることを願っててください。ありがとうございました」と締めた。再び鹿児島のファンとの約束を果たすためにも、飯伏は権利証を守り抜き、東京ドームにたどりつく。

 セミファイナルでは王者組・石森&ファンタズモが持つIWGPジュニアタッグ王座にオスプレイ&イーグルスが挑戦した。8月の「SUPER J CUP 2019」を制覇したファンタズモがIWGPジュニア王座への挑戦を表明し、王者・オスプレイはジュニアタッグ王座への挑戦を要求。8・31ロンドン大会でイーグルスと組んで王者組ファンタズモ&石森に勝利して挑戦権を得た。同時に10・14両国大会でのIWGPジュニア戦も決定。オスプレイとファンタズモがタッグ&シングルのタイトルマッチ2連戦を争うことになった。

 試合はハイレベルな大熱戦が繰り広げられた。プランチャの同時発射でオスプレイ&イーグルスが先手を取れば、王者組も石森がバックブリーカーでイーグルスの動きを止めたところにファンタズモがダイビングエルボーを放つ合体技をさく裂。ファンタズモの肩車からホイップされた石森がコードブレイカーをさく裂させ、そこにファンタズモがムーンサルトを投下してオスプレイを攻め込んだ。

 一進一退の攻防は時間の経過とともに激化していく。オスプレイが石森を肩車したところにイーグルスがスワンダイブ式フランケンで飛びつき、対角線を走ってのトペコンヒーロを同時発射。ロンドン大会でのフィニッシュとなったダブルスパニッシュフライを狙う。ファンタズモが回転エビ固めでまとめて落としにかかってもオスプレイとイーグルスは不時着。ダイビングフランケンを放った石森をオスプレイがキャッチし、そこにイーグルスがスライスブレッドを放つ合体技をズバリと決める。オスプレイがスワンダイブ式450°スプラッシュを放つと、イーグルスがロンミラースペシャルで石森を捕らえて勝機を作った。

 ここでファンタズモが大立ち回りをみせた。イーグルスにライオンサルト、オスプレイにトペスイシーダ、イーグルスにトップロープからのフェンス越えケブラーダを立て続けに発射。スライスブレッド式リバースDDTで反撃するイーグルスが再びロンミラースペシャルを狙っても石森がベルトで殴打する暴挙に出ると、合体サイファーウタキ、ダブルトラースキックと王者組の連係が冴え渡る。最後は石森がブラディークロス、ファンタズモがCRIIの必殺技リレーでイーグルスを料理した。

 白熱した攻防戦を制した石森&ファンタズモがIWGPジュニアタッグ初防衛を果たした。これでファンタズモは10・14両国でオスプレイを破れば、IWGPジュニア2冠王に君臨。現在保持するブルティッシュクルーザー級王座も併せれば3冠王となる。ファンタズモが新日ジュニア完全制覇に王手をかけた。

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