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10/20【全日本】前哨戦劣勢も宮原に動揺なし ジェイクとの三冠戦は「どっちの価値観が全日本を引っ張るか」の勝負

『2019旗揚げ記念シリーズ〜ゼウス祭り〜』エディオンアリーナ大阪 第2競技場(2019年10月20日)
○宮原健斗&ヨシタツ&青柳優馬vs崔領二&ボディガー&TORU×

 宮原がジェイクとの三冠王座V8戦のテーマを「どっちの価値観が全日本プロレスを引っ張るんだという段階にきてる」と定め、自らにプレッシャーをかけた。

 三冠王者・宮原と王道トーナメント覇者・ジェイクによる秋の頂上決戦はいよいよ4日後。前哨戦は10・22新木場大会を残すのみとなったが、10・14郡山大会でジェイクのハイキックでKOされている最高男の不利は否めない。

 だが、そんなマイナスムードを宮原は微塵も感じさせず。この日もリングで躍動した。ボディガーを相手に正面突破を挑み、終盤にはTORUが丸め込みを連発し、延髄斬りで粘っても、フロントハイキックで鎮圧。ブラックアウト、二段式ジャーマンで一気にたたみかけて快勝した。

 「あの王道トーナメントの決勝戦で完全に覚醒してる相手なんでね。本物の蹴りってこの業界、何人かしかいないと僕は思ってるんで、そういう選手じゃないですか」。そう珍しく相手を称えたが、最高男が見据えているのはそんな次元ではない。

 すでにジェイクを「ライバル」と認めているが、「(全日本の)象徴は間違いなくこの二人でしょう」とまで言ってのけた。ジェイクを最大級に評価しているからこそ、10・24三冠戦で宮原は自らを苦境に追い込むつもりでいる。今シリーズ、ジェイクをつぶさに見てきて「価値観が違う選手なんですよね。みた感じもそうですけど、心の中のエンターテインメントという部分で過程が違うんですよ。エンターテインメントに対する考えがたぶん違うと思う」との印象を抱いた。そこで宮原は「どっちの価値観が全日本プロレスを引っ張るんだという段階にきてる」と確信し、「戦ってどっちの価値観が全日本プロレスの価値観になるのか」との壮大なテーマを設定した。

 ここ数年は宮原が全日本の中心となって団体の色を作り上げてきたが、この一戦の勝者が10・24以降の全日本をけん引する存在になると予想している。「その見慣れたもの、三冠チャンピオンは宮原健斗が当たり前のものか、新しいものをファンが見たいのかという戦い」と見据える宮原だが、もし負ければ全日本の価値観、色、そしてエースとしての座を全てジェイクに奪われてしまうことになりかねない。

 自らを追い込んだのはジェイクを認める裏返し。10・24三冠戦の結末が2020年へ向けた全日マットの勢力図を大きく塗り替えることになるかもしれない。

【宮原の話】(試合前)
――三冠前哨戦でジェイクのハイキックで3カウントを奪われ、不利な状況が否めないが?

▼宮原「うん、あの王道トーナメントの決勝戦で完全に覚醒してる相手なんでね。本物の蹴りってこの業界、何人かしかいないと僕は思ってるんで、そういう選手じゃないですか。でも前哨戦うんぬんは関係ないですけどね。どっちの価値観が全日本プロレスを引っ張るんだという段階にきてると思ってるんで。価値観が違う選手なんですよね。みた感じもそうですけど、心の中のエンターテインメントという部分で過程が違うんですよ。エンターテインメントに対する考えがたぶん違うと思うんで、それは客観的に彼がメインイベントを締めてるものとかをみたりして、プロレスに対する価値観が違うと思いますね」

――ジェイクはハイキック、ヒザ、バックドロップと勝負を決めるパターンの豊富さに自信を見せていたが?

▼宮原「やることに自信があるんでしょうね。王道トーナメント優勝というシングルでは初めてでしょ。そういうものが何かジェイク・リーというプロレスラーの商品価値を確立させたんでしょうね」

――結果的に宮原選手が覚醒させた形になる?

▼宮原「僕は結構あれですからね。チャンピオンですからね。そうならざるを得ない立場ではあるんで。いい踏み台になってしまいましたね」

――当然、同じ結果にはならない?

▼宮原「まぁ、僕の中では王道トーナメントは忘れてるんで。タイトルマッチ初めてなんでジェイク選手とは。とにかくこの全日本プロレスをビジネスとしてどっちが引っ張ることが上がるんだっていう勝負だと思ってるんで。そんな簡単な戦いではないと思いますよ」

――2020年に向けて全日本の象徴が決まるぐらいの戦いになる?

▼宮原「象徴は間違いなくこの二人でしょう。今、日本全国のファンの皆さんがみてわかると思うんで。戦ってどっちの価値観が全日本プロレスの価値観になるのか。チャンピオンということは、その団体の価値観になりますからね。ビジネスとしてどっちが引っ張るんだってことになると思います。凄く内側の話ではなく、凄く大きなことだと思います。この二人が向き合うのは」

――今後、全日本がさらに上がっていくか否かの責任もあるが?

▼宮原「上がるのは間違いなく上がるんですよ。それをどっちがやるんだ? どっちの価値観がこの世の中に伝えるんだ?ってことになりますね。上がるのは間違いなくて、どっちの色になるのか。チャンピオン=団体の色ですから」

――ここ数年その色を宮原選手が作ってきたが?

▼宮原「それはありますよね。だからその見慣れたもの、三冠チャンピオンは宮原健斗が当たり前のものか、新しいものをファンが見たいのかという戦いですね。そういった戦いになると思います。いろんなものが渦巻いてますね。ビジネスの勝負ですよ」

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