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10/25【ドラディション】蝶野&武藤の援護射撃で40周年・ヒロが藤波超え サプライズ登場・長州も祝福

『DRADITION 2019 RAGING OUTLAW TOUR in TOKYO〜HIRO SAITO 40th ANNIVERSARY〜』東京・後楽園ホール(2019年10月25日)
ヒロ斉藤40周年記念試合 in TOKYO ○ヒロ斉藤&武藤敬司&天山広吉vs越中詩郎&獣神サンダー・ライガー&藤波辰爾×

 蝶野と武藤の援護射撃を受けて、ヒロがセントーンで藤波超え。40周年記念試合を自らの勝利で締めくくった。試合後のセレモニーでは長州力がサプライズ登場し、ヒロを祝福した。

 ヒロは78年8月に新日本プロレスでデビュー。カルガリーハリケーンズやブロンドアウトローズとして活躍後、90年代には蝶野と行動をともにし、狼群団、nWo、TEAM2000などでヒール道を貫いた。現在はドラディションに所属し、いぶし銀ファイターとして確かなテクニックを披露している。そんなヒロが40周年の記念試合に、新日本で共闘していた武藤&天山と豪華トリオを結成。かつてドラゴンボンバーズを結成していた藤波&越中&ライガー組と対戦した。特別レフェリーを務める蝶野はあくまで厳正なレフェリングをすると予告していた。

 普段は脇役のヒロだが、今宵は主役。藤波、武藤、ライガーらを抑えて、最後に単独で入場すると、場内は大歓声に包まれる。試合前に甥っ子らから激励の花束が渡されると、選手コール時もヒロが一番の声援を浴びた。特別レフェリーの蝶野が登場すると、ヒロとガッチリ握手。ヒロ組がウルフパックポーズを合わせると、蝶野まで加わる。藤波たちは猛抗議した。

 先発は天山に譲ったものの、2番手でヒロが登場。来年の1月に引退を控えるライガーが呼応し、まずは握手を交わす。ヒロはライガーと熱のこもった力比べを展開。結局は押し負けてしまったが、レフェリーの蝶野はヒロに肩入れして、何度も激励した。

 試合は武藤&天山が奮闘してヒロ組がリードしたものの、ヒロが再登場すると、藤波組が逆襲。越中とライガーがダブルショルダータックルを放つと、それを合図にライガーのスライディングキック、越中のエプロンからのヒップアタック、ライガーのイス攻撃、越中&ライガーの床直撃のハイジャックパイルドライバー…と立て続けに大技を浴びせた。その後も2対1の状況を作りながら、厳しくヒロを攻め立てる。これにはブーイングも飛んだ。

 長時間ローンバトルが続いたヒロだったが、天山が手拍子を巻き起こすと、決死の反撃へ。ライガーの串刺し掌底をバックエルボーで撃退すると、珍しくエキサイトしてライガーとビンタ合戦を繰り広げる。そして、突っ込んできたライガーをスパインバスターでなぎ倒すと、得意のセントーンを投下。場内は拍手喝采となった。

 その後、ヒロの40周年を勝利で祝おうと、天山と武藤が奮闘。得意技で流れを押し戻す。そして、いい場面でタッチをもらったヒロだったが、その直後に越中のジャンピングヒップアタックに被弾。ライガーのランニング掌底、越中のジャンピングヒップアタックが立て続けに火を噴くと、藤波はスリーパーから一気にドラゴンスリーパーへ。ヒロは思わずギブアップするが蝶野は認めず、そのまま試合を続行した。

 藤波は抗議するも、蝶野はケンカキックで返答。ライガーと藤波を蹴り飛ばす。藤波は2発目をドラゴンスクリューで切り返したものの、すぐに急行した武藤が同じくドラゴンスクリューで足止め。そして、蝶野&武藤があうんの呼吸でシャイニングケンカキックとシャイニングウィザードのサンドイッチ弾を藤波にぶち込むと、すかさずヒロがセントーンをズバリ。蝶野は一気にカウントを数え上げ、ヒロが藤波を下すまさかの幕切れとなった。

 記念の一戦でヒロが藤波超え。最初は抗議した藤波だったが、最後は握手でヒロを称える。記念セレモニーに移ると、まずは蝶野がマイク。「ヒロさん、40周年おめでとうございます。狼群団、nWo、TEAM2000…本当にヒロさんに我々は操られてました。今日はヒロさんの40周年ということで、たくさんの選手たち、それからお客さんたちが来ています。新日本プロレス、プロレス業界ではお・か・え・しという風習があります。これだけ借りを作ったんで、まだまだ試合を続けてもらわないと。ビッグマッチが続いています。明後日の大阪、まだまだ試合が残っています。今以上に頑張って、元気でいてください」とヒロにメッセージを送った。

 続いてマイクを持ったのは藤波だ。「今日のレフェリングはおかしいだろ? 斉藤、タップしてんじゃないか」と蝶野に抗議したものの、「まあ、いいや。もうノーサイド、終わったことだ」と気を取り直し、「ヒロ斉藤選手、40周年を迎えました。おめでとう。まだまだ40年です。まだまだこれからです」と声をかける。そして「今日の40周年で、みんなヒロ斉藤選手のはなむけで来てくれました。彼は入門当時から僕のいろんな世話をしてくれたし、いろんな意味でいい大会にできたかなと思います。もう1つ、これはヒロ選手自身にも内緒にしました。ビッグプレゼントを僕は用意しました。この選手です」と呼び込むと、長州がサプライズ登場した。長州はヒロに花束を贈呈すると、「チョビ、よく頑張った。まだ頑張れるから。一生懸命トレーニングして、頑張れ」と激励した。

 最後はヒロ自身があいさつすることに。「皆さん、この天候の悪い中、ご来場ありがとうございます」と言葉少なに締めようとしたヒロだったが、慌ててライガーが止めに入る。すると、「この場を借りまして、藤波さんに感謝の気持ちを伝えたいと思います。藤波さん、ありがとうございました」と藤波に感謝。またもマイクを置こうとしたが、ライガーにここでも止められると、場内は「斉藤」コール一色に。それでも照れくさい様子で、「ありがとうございました」と、どこまでもヒロらしく短いながらも思いのこもった言葉で締めくくった。

 長州、蝶野を加えた8人で記念撮影に応じると、バックステージでも両軍並んでコメントを発表。主役のヒロはここでもほとんど喋らず、「あっと言う間で、頭が真っ白でわからないです」と試合を振り返ったのみだったが、ともに戦ってきた仲間たちに囲まれて笑顔を覗かせた。次なる50周年に向けて、これからも淡々とプロレス道にまい進していくことだろう。

【試合後のヒロ&武藤&天山&蝶野、藤波&ライガー】
※まずはライガーが単独でコメントを発表

▼ライガー「ヒロ斉藤さん、40周年おめでとうございます。僕はもう、来年の1月で引退しますので、40周年は無理です。僕はライガー30周年で終わります。これからまだまだ末永く頑張っていただければと思います」

※ここで藤波が姿をあらわして握手を交わすと、他の選手も呼び集めることに。越中以外のメンバーが揃い踏みした

▼藤波「お疲れさんです」

※口々に40周年を祝福して拍手を送ると

▼蝶野「なんかあれば。どうぞ」

▼ライガー「今日はヒロさん、なんでも答えるって。ベラベラ喋るから」

▼ヒロ「ベラベラ喋らない」

▼ライガー「おい!」

――藤波選手にフォール勝ちしたのは初めて?

▼藤波「いやいや、ありあますよ。顔面にセントーン食らったから」

――いろいろレフェリーに対する抗議もあったが?

▼蝶野「いやいや、そういうことはないです、特に。正統なレフェリーをしましたから。ここに来るまで3週間、俺はレフェリングのトレーニングやってましたから」

――公正さは保たれたと?

▼蝶野「ちゃんと見てます。ミリ単位で、身体の動きを見てましたから、問題ないです」

――改めて今日の試合の感想は?

▼ヒロ「あっと言う間で、頭が真っ白でわからないです」

――かなり捕まっていたが?

▼武藤「途中、死ぬかと思ったよ。殺されるかと思ったよ、あれ」

▼藤波「場外でライガーにイスで」

▼ヒロ「イスでやられるわ、痛いやらぶつかるわで。後頭部は打つわで」

――場外に降りた直後に味方の援護が途絶えていた

▼ヒロ「死ぬかと思いました」

▼藤波「下で1回ゴツンと言ったもんな」

▼蝶野「場外戦になった時も、この2人(武藤&天山)は『レフェリーが止めに行け。レフェリーが助けに行け』って言って、2人は行かないんですよ。あれはちょっとひどかったよ」

▼天山「でも、場外戦はやり過ぎじゃないですかね。あのパイルドライバーで死んだかと思ったんですけど(笑) どうしてくれるんだと思ったんですけど。危なかったですからね」

▼藤波「今日のレフェリングの絡みはまた。近くにWRESTLE-1でもう1回レフェリーに使ったら」

▼蝶野「また1年間ぐらいレフェリングの勉強しますんで(笑)」

▼藤波「どうもおめでとうございました」

※再びお祝いの言葉を各選手が口にしてお開きになる

▼武藤「俺が二番目かな。天山が一番若いのか。今日は若手だからな、お前」

▼天山「一番下っ端ですよ」

※天山だけ残ると

▼天山「ひとことだけ言わせてください。40周年、本当におめでとうございます。ヒロさん、蝶野さん、あの2人がいたからこそ、こうやって今までやってこれたと思います。40周年って本当に…自分もまだ30周年にならない下っ端のヒヨッコなんですけど、私生活でも何でもヒロさんに頼めば何とかなるという、本当にそういう先輩レスラーで、ヒロさんなくして自分はないと思うんですが、これからますます、40年が過ぎて、50年まで行ってもらいたいなと思います。自分も後ろを追いかけて頑張りたいと思いますんで、どうぞよろしくお願いします。お疲れ様でした」

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