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11/2【NOAH】初参戦エルガンと大熱戦、杉浦が初代GHCナショナル王者に 立会人・長州さんも祝福

『NOAH the BEST 2019〜美学のある闘い〜』東京・両国国技館(2019年11月2日)
GHCナショナル選手権初代王者決定戦 ○杉浦貴vsマイケル・エルガン×

 杉浦がノア初参戦となったエルガンとの激闘を制して、初代GHCナショナル王者に。特別立会人・長州力さんから日の丸の“赤ベルト"を受け取った。

 「王座戦は原則国内限定で無差別級」。ノアマットに新設された日の丸があしらわれた赤いベルト。その初代王者の座を争ったのは、GHCヘビー最多防衛記録保持者の杉浦と、ノア初参戦となるエルガンだった。

 ベルト新設を推進した親会社リデットエンターテインメントの長州力会長が特別立会人に。『パワーホール』の爆音のなか、スーツ姿で両国の花道を歩んだ長州会長が赤ベルトを掲げるなか、注目対決のゴングが鳴らされた。

 あいさつ代わりにエルガンが圧倒的パワーを見せつける。真っ向勝負を信条とする者同士だけに、のっけから肉弾戦となったが、エルガンはエプロンでデスバレーボムを決めて早くもアクセル全開に。杉浦は何度も反撃を試みたものの、エルガンはトペスイシーダやミサイルキックなど空中戦でもリードした。杉浦がコーナーめがけてジャーマンを繰り出し、馬乗りになってエルボーを乱射する得意パターンに持ち込んでも、エルガンはまったく同じで譲らず。ロコモーションジャーマンで畳みかけたが、杉浦も投げ捨てジャーマンで挽回し、両者大の字に持ち込んだ。

 真っ向勝負はなおも続く。互いにワンツーエルボーでせめぎ合うと、杉浦がエルガンボム狙いをフランケンで丸め込んで、アンクルホールドで絞めに絞めた。さらに、雪崩式ブレーンバスターを挟んで、五輪予選スラムへ。これをエルガンが不時着して切り抜けると、丸太のように太い腕でラリアットをこれでもかと連発する。そして、一気にコーナーへのパワーボムからエルガンボムが爆発するが、杉浦はギリギリでキックアウト。場内は沸騰した。

 実況席で見守る小橋建太さんを意識するように、エルガンはバーニングハンマーで勝負に出るが、落とされた瞬間に着地した杉浦は不意を突くフロントネックロックで絞め上げる。エルガンは力ずくで腕を払いのけると、杉浦のジャーマン、エルガンのスライディングエルボーが交錯し、再び両者は大の字となった。

 壮絶なエルボー合戦で正面からぶつかり合うと、杉浦はビンタをお見舞いするが、倒れないエルガンはバックエルボーから再びバーニングハンマーへ。だが、これを待っていた杉浦は流れるようにバックに回り込むと、一気に五輪予選スラムで引っこ抜いた。杉浦は左手でエルガンの左手を掴むと、空いた右腕でエルボーを乱射。沈まないエルガンも打ち合いに持ち込み、ラリアットを振り抜いたが、これを潜り抜けた杉浦はジャーマンスープレックスを敢行。エルガンはカウント1でキックアウトしたものの、杉浦はランニングエルボーから急角度の五輪予選スラムを繰り出し、熱戦に終止符を打った。

 大熱戦を制した杉浦が初代ナショナル王者に。「お前、頑張ったよ」と長州さんから真新しい赤いベルトを受け取った。敗れたエルガンは悔しさをあらわにしたものの、長州さんのとりなしで試合後はノーサイド。杉浦とエルガンは互いを称え合い、最後は抱擁を交わして拍手が起こったものの、同時に新たな“ライバルストーリー"幕開けも予感させた。

 杉浦は「日本のプロレスをよく理解してるし、あと彼のスピリット。試合終わったら相手を称える。そういう日本人の精神ね」とエルガンを手放しで賞賛。「何度でもこのベルトかけて彼とやれば、もっともっと上のステージにいけると思うんで機会があれば」と再戦に意欲を見せつつ、「逆に今日の俺とエルガンの試合に嫉妬して誰かが出てこないとナショナルの意味がないんで。黙ってる奴はアホだよ」と他の選手を挑発することも忘れなかった。

 「いやぁ、うれしいよね。しかもあの長州さんからベルトを渡されて、『お前、頑張ったよ』って言われたから、やっぱうれしいよね。デザインもかっこいいじゃん。日の丸があって。俺にふさわしいよ。日の丸がうれしいよ。俺も一応、日の丸の下で働いてたから」と笑顔を見せた杉浦だったが、すでに防衛ロードを見据えている。「このベルトの価値を高めていくことと、あとこのベルトを使って、もう一つのベルト巻いてるチャンピオンにプレッシャーをかける。それで団体がよくなればいいんじゃない」と目標を掲げると、「俺もちょうど20周年なんで。団体も俺もちょうど。これは守っていきたいね、20周年で」とベルト死守を誓った。

【試合後の杉浦】
▼杉浦「かっこいいね。最高だよ」

――凄まじい戦いだったが?

▼杉浦「このぐらいいくとは思ってたけど、相手もタフなんでね」

――それでも歩いて帰ってきたが?

▼杉浦「それはテンション上がってるからだよ。エルボーで頭クラクラしてるし、パワーボムも食らったし、きついよ」

――向き合った瞬間、名勝負を予感させたが?

▼杉浦「どうなの、それ? どうだった?」

――予想を超えたが?

▼杉浦「じゃあよかった。やったかいがあった」

――エルガンが杉浦選手含めノアを研究してきたのを感じたが?

▼杉浦「それは感じた。非常に感じた。日本のプロレスをよく理解してるし、あと彼のスピリット。試合終わったら相手を称える。そういう日本人の精神ね」

――もう一回やれと言われれば?

▼杉浦「まぁでも異論はないでしょ。何度でもこのベルトかけて彼とやれば、もっともっと上のステージにいけると思うんで機会があれば。逆に今日の俺とエルガンの試合に嫉妬して誰かが出てこないとナショナルの意味がないんで。黙ってる奴はアホだよ」

――メインのGHCヘビーに負けない凄みをみせたのでは?

▼杉浦「それはわかんないよ、(メインを)やってみないと。わかんないけど、プレッシャーはかけといた。でもメインイベンターだからね。プレッシャー跳ねのけて最後締めてもらわないと困るから」

――初代王者となったが、このベルトに対する思いは?

▼杉浦「いやぁ、うれしいよね。しかもあの長州さんからベルトを渡されて、『お前、頑張ったよ』って言われたから、やっぱうれしいよね。デザインもかっこいいじゃん。日の丸があって。俺にふさわしいよ。日の丸がうれしいよ。俺も一応、日の丸の下で働いてたから」

――杉浦選手なりの道をみつけたのでは?

▼杉浦「そうだね。このベルトの価値を高めていくことと、あとこのベルトを使って、もう一つのベルト巻いてるチャンピオンにプレッシャーをかける。それで団体がよくなればいいんじゃない」

――ノアは来年20周年を迎えるが?

▼杉浦「そうだね。俺もちょうど20周年なんで。団体も俺もちょうど。これは守っていきたいね、20周年で」

【エルガンの話】「見ての通り、スギウラは本物の戦士だった。くそったれと思うくらい戦士だった。でも俺は負けたことが本当に悔しい。俺は敗北が大嫌いだ。今日は確かに負けた。でも、必ず彼に追いつき、追い越してやる」

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