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12/10【全日本】2020年最初の三冠戦へ宮原が主役継続宣言、異例の連続挑戦ジェイク断言「宮原健斗にも穴がある」

 1・3後楽園大会で三冠ヘビー級選手権試合が決まった王者・宮原健斗、挑戦者・ジェイク・リーが10日、神奈川・横浜市の全日本事務所で会見。宮原からの直接勝利によって約2ヵ月ぶりに早期再挑戦を決めたジェイクは「同じ人間なので穴がある」と断言し、年明け早々の政権交代を迫る構え。V9戦となる宮原はライバル・ジェイクとの再戦を「スター対決」と定め、「まだまだ宮原健斗イヤーは終わりません」と2020年も主役であり続けることを宣言した。

 野村直矢との新世代タッグで最強タッグに出場したジェイクは1位タイで公式戦全日程を終了。諏訪魔&石川修司との優勝決定戦に敗れ、惜しくも準優勝に終わった。が、その前の最終公式戦(vs宮原&青柳優馬)で宮原にピンフォール勝ちを収め、三冠挑戦を表明。タッグの栄冠は逸したものの、年明け早々、至宝ベルト初戴冠のチャンスをつかんだ。

 ジェイクの三冠挑戦は昨年10・24後楽園大会以来、約2ヵ月ぶり3度目。しかもこの短いスパンでの連続挑戦は近年ではまれなケースだ。「俺がいかないで誰がいくんだ」と言い切るジェイクは「実際に昨日しっかりとチャンピオンから3カウント獲ってるんで、年始から盛り上げていこうと思います。しっかり勝ちを獲ってね」と自信をみせた。日々の鍛練と経験の数々によって培われてきた上積みがその裏づけだ。

 9月の王道トーナメント決勝戦で宮原からシングル初勝利を奪ったが、10・24後楽園の三冠戦では敗れ去った。最高男は高い壁といえる存在だが、ジェイクは「俺は一人の人間としてみてるんで、必ず穴がある。どんな人間にもそれはいえること」と言うように、そう感じていない。「宮原健斗選手は三冠チャンピオンとして凄く盛り上げてきました全日本プロレスを。それは俺だって認めてますよ」と王者に一目を置いているが、「そんな彼にも穴があります」と断言し、2020年の幕開けと同時に政権交代を実現させる構えをみせた。

 一方、王者・宮原は2020年最初の三冠防衛戦に臨む。ジェイクに勝利し、V9を達成すれば、第32代王者・川田利明が樹立した最多防衛V10のタイ記録にリーチをかける。昨年10月の戴冠から1年以上の長期政権を樹立し、王者としての越年を決めた最高男は当然、防衛記録を強く意識している。

 だが、それと同等に値するのがジェイクとの三冠ベルトをかけた再戦だ。今年、宮原の中でジェイクの存在はライバルにまで昇華。「プロレスラーに大切な、スターに大切な、身長が高い、ルックスがいい、これを揃えている選手が僕はメインイベンターだと思っていて、そして心もメインイベンターとして必要なものを持ってる」と認めるからこそ、「2019年の下半期から宮原健斗とジェイク・リーというライバルの構図が出来上がって、この2020年、本格的にスタートする年だと思っているので、一発目にふさわしいカードが決まった」とライバル闘争の本格開戦も見据えている。

 ジェイクへの支持率の上昇も会場で実感しているが、相手を認めつつ、さらにその上をいこうとするのが最高男の真骨頂。「その上をいくスター・宮原健斗が同じ時代に生きてるってことだけですかね。ジェイク選手にとって残念なのが」と強調した宮原は、オリンピックイヤーを意識したうえで、「この2020年の1月3日は、スタートを切るためには防衛しないといけないと。まだまだ宮原健斗イヤーは終わりません」と言い切り、2020年も主役であり続ける構えをみせた。

 年明けとともにジェイクが初戴冠を果たすか、それとも宮原が頂点の座を守り抜くか。いずれにしても、この一戦が2020年の全日本の流れを左右する。


【会見の模様】
▼ジェイク「今回、三冠挑戦させてもらいますジェイク・リーです。俺がいかないで誰がいくんだっていう話なのでね。実際に昨日しっかりとチャンピオンから3カウント獲ってるんで、年始から盛り上げていこうと思います。しっかり勝ちを獲ってね」

▼宮原「まずはね、昨日、最強タッグ、日本全国、開幕戦から昨日のファイナルまで応援してくれた皆様に感謝したいと思います。そして昨日の最終戦では、昨日の負けで今回のこのチャンピオンシップが決まったわけですけど、僕の中で昨日の負けはあまり引きずってなくて、2020年の年明け早々の三冠、プロレスファンの皆様が誰と誰が見たいかとなると、おそらくこのカードを皆さんは望んでるんじゃないかなと思いますし、この2019年の下半期から宮原健斗とジェイク・リーというライバルの構図が出来上がって、この2020年、本格的にスタートする年だと思っているので、一発目にふさわしいカードが決まったかなという感想です」

――昨日の負けは引きずっていないとのことだが、10・24三冠戦で勝利している自信があるから?

▼宮原「この10月24日の三冠戦というのは、もう僕の中では凄く昔のことなので、それぐらい日々、クリアな日々を過ごしているので、その時とはまたシチュエーションも全然違いますし、そう感じてます」

――ジェイク選手は自らの勝利で2ヵ月ぶりの連続挑戦を決めたが、流れを引き寄せている勢いは感じている?

▼ジェイク「感じてます。もちろんです。それにここで僕がいかないで誰が盛り上げるんですかね。僕はそう思ってますよ。誰もいく気配があまりないんでね。それだったら俺がいってどんどん盛り上げてやるとよっていう感じです」

――この最強タッグでジェイク選手の支持率が高まっているのを感じるのでは?

▼宮原「正直、支持率が上がっているのは日本全国の会場でも感じてますしね。宮原健斗は全国区ですけど、それに並ぶんじゃないかなっていうぐらいのものをこのシリーズでも、期待してるエネルギーを感じますね。プロレスファンの。やっぱりプロレスファンというか、そういうエンターテインメントは次なるスターを常に求めてますから。ただね、ジェイク選手、支持率上がってますよ。で、プロレスラーに大切な、スターに大切な、身長が高い、ルックスがいい、これを揃えている選手が僕はメインイベンターだと思っていて、そして心もメインイベンターとして必要なものを持ってる。その3つが揃ってる選手というのはいそうでいない。それが同じ時代に生まれたと。二人同じ場所で。ただ残念なのがね、その上をいくスター・宮原健斗が同じ時代に生きてるってことだけですかね。ジェイク選手にとって残念なのが」

――王道トーナメント決勝では宮原選手に勝利しているが、三冠戦ではまだ勝利できていない。対宮原健斗に壁を感じる部分はある?

▼ジェイク「うーん、壁か? 相手は人間なんで同じ。同じ人間なんで。壁というのはあくまで言葉のたとえで使っているもので、そういうふうに使っちゃうと、どうしてもみんな意気込んで正面からいくべきか、押して引いて、それとも上げて下げるべきか。逆にいろんなことを考えがちですけど、俺は一人の人間としてみてるんで、必ず穴がある。どんな人間にもそれはいえることで、宮原健斗選手は三冠チャンピオンとして凄く盛り上げてきました全日本プロレスを。それは俺だって認めてますよ。ただ、そんな彼にも穴があります。俺はそこを今回も突こうと思います」

――短いスパンの挑戦になるが、前回以降の上積みはどこだと思う?

▼ジェイク「今回の最強タッグだけでも、僕は物凄くいい経験をさせてもらっているのでね。タッグとシングルは全く別のものなので。けど、こういうふうに試合が重なって、その都度、考えて考えてやるので、一つのことだけじゃなくて、トータル的に僕は日々上積みされてるんじゃないかなと自分自身でそう感じてます。それはキックの精度にしても投げの精度にしてもそう。全てにおいてです。僕はそれは自信を持って言いきれるし、そういう鍛錬を毎日してます」

――今回が9回目の防衛戦で、これまで野村選手を2回退け、ジェイク選手とは2回目。若い選手と三冠戦を争うのは望んでいた状況では?

▼宮原「だから僕が2年ぐらい前からそう言ったのがスタートで、選手によっては若い力とかね、若い選手とか表現してる選手もいますけど、全然若くないですからね、ぶっちゃけ。確実にプロレスファンの人が望んでるのは、この世代だというのを他のプロレスラーももっと自覚した方がいい。若い選手、若い力っていうのは言い訳で、全然若くないし、それは他のスポーツの世界をみてもそうだし。この世代が全日本プロレスの中心になってるのは間違いないんですよ、事実。それを踏まえて、他の選手もプロのレスラーとしてこのリング上で表現しないと。もう時代は変わってますよ。この三冠に若い選手が挑戦すると言っても見てる人はそう捉えてないと思うし、別にそれはマスコミの人も若い選手、若い力と表現したら簡単ですけど、もう若くない。どんな世界のスポーツも僕らの世代がトップを走ってるんで。プロレス界もそうなってる。ただそれだけの現実です。2020年もそれが加速することになると思いますよ」

――ベテランが入り込めないぐらいのものを作り上げる?

▼宮原「みてわかるでしょ、昨日の会場の雰囲気をみて。感じるのはそれぞれですよ。お客様が求めてるものを提供して、お客様が求めてるものが何かってわかってるからこそ、この戦いが2020年の初めてのタイトルマッチに決まったんだと僕は思ってるんで。別に若い世代同士というのはない。そういう意識は俺には。スター二人が2020年のしょっぱなのチャンピオンシップを戦うということなので、それは譲れないですよ僕は。どう思いますか、この戦い? 何を期待してるんですか? マスコミの意見を聞きたい」

――スター二人の戦い

▼宮原「うん、間違いないでしょ? とにかく2020年は東京でオリンピックも開催されるし、スポーツに世間の皆様の目がいくんで、俺たちもその輪を盛り上げられるようにね、この2020年の1月3日は、スタートを切るためには防衛しないといけないと。まだまだ宮原健斗イヤーは終わりません」

――今回、勝てば最多防衛記録V10にリーチがかかるが意識する?

▼宮原「めちゃめちゃ意識してますね。ただね、それと同じぐらい今回の戦いはブランドとしては大きいものなので。とにかくファンの皆様には一言言うなら、お見逃しなくと最後に言っておきたいですね」