プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

12/29【RIZIN/BELLATOR】川口春奈さんも号泣…矢地が大逆転勝利 上迫とのサバイバル戦制す

『BELLATOR JAPAN』さいたまスーパーアリーナ(2019年12月29日)
RIZIN MMAルール(71.0kg)※肘あり ○矢地祐介vs上迫博仁×

 矢地が交際が噂される女優の川口春奈さんが見守る前で大逆転勝利。上迫とのサバイバル戦を制し、連敗から脱出した。

 野性的なファイトと真っ向から打ち合う派手なスタイルでライト級戦線で活躍してきた矢地だが、RIZINで泥沼の3連敗。ライト級GPにもエントリーできなかった。対する上迫もライト級GPの1回戦に出場したものの、リス・グスタポにパンチでまぶたをカットし、無念のドクターストップ負け。出直しを余儀なくされた。激化するライト級戦の中で、生き残りを懸けたサバイバル戦で両者が激突した。

 スタンド席から川口さんが心配そうに見守る中、サウスポーの矢地は引き気味に試合を展開。反対に上迫は前に前にとプレッシャーをかけていく。それでも矢地はジャブを重ねて、上迫の右目尻から出血させた。2Rも緊張感溢れるスタンド勝負が続いたが、上迫が右フック2連発をクリーンヒットさせて攻勢に。ダウンした矢地にサッカーボールキックからパウンドを浴びせていくが、矢地はガードポジションに持ち込んで何とか耐え忍んだ。

 あとがない矢地は3Rで決死の反撃へ。ヒザ蹴りや左ハイなどを果敢に狙っていく。上迫は冷静にパンチで距離を詰めていきゲージ際に押し込んだものの、矢地も突き放してスタンド勝負を継続。こん身の右フックで上迫をヒザ立ちにさせると、顔面をサッカーボールキックで射抜き、大逆転勝利をあげた。

 劇的決着に試合を見ていた川口さんも思わず号泣。会心の勝利に矢地は喜びを爆発させると、「去年ぐらいから負けがこんで、RIZINで存在感を残せなくて、凄く苦しい時期が続いていましたけど、僕が負けている時もチームメイトを含め、家族やスポンサーの皆さんが懲りずに応援してくれて…。本当に大きな舞台で勝利できて嬉しいです。ありがとうございました。また応援をよろしくお願いします」と感謝の思いを口に。川口さんも口に手を当てながらその言葉を聞き入っていた。

 愛する人の前で1年7ヵ月ぶりに白星を挙げた矢地は、土俵際で踏みとどまり、ライト級戦線で生き残った。「変な話、4連敗して、それで僕は引退したいって気持ちがもしですよ、芽生えたとして、最後の試合はどうだったと思った時、楽しめなかったなと思うのはイヤだったんで。最後になってもいいように、楽しもうと。そういう覚悟で、楽しむ覚悟でやりました」とバックステージでは不退転の決意を持っていたと告白。川口さんについてはノーコメントを貫いたが、「また負けないように勝って勝って。『またRIZINのリングで試合をしてほしい』ってファンにもRIZINの関係者の皆さんにも言ってもらえるように勝つのみです」とその拳でさらなる勝利をプレゼントするつもりだ。

【試合後の矢地】
――試合を終えた感想は?

▼矢地「嬉しいっすね。久々の勝ちなんで、素直に嬉しいっす」

――戦ってみて、相手の印象は?

▼矢地「気持ちがあって、ドンドンドンドン前に出てきて。パンチをやっても前に出てくるし、気持ちを感じましたね」

――今後の展望は?

▼矢地「また負けないように勝って勝って。『またRIZINのリングで試合をしてほしい』ってファンにもRIZINの関係者の皆さんにも言ってもらえるように勝つのみです」

――試合前にこれで負けたらという不安はあった?

▼矢地「凄いありましたけど、3連敗は事実だし、4連敗は想像もしてないことだったんで。負けたらどうしようというのはあったんですけど、例えば負けてしまったとして、終わった時にその試合を振り返ってどう思うんだろうと考えたら、やっぱり楽しかったなって。変な話、4連敗して、それで僕は引退したいって気持ちがもしですよ、芽生えたとして、最後の試合はどうだったと思った時、楽しめなかったなと思うのはイヤだったんで。最後になってもいいように、楽しもうと。そういう覚悟で、楽しむ覚悟でやりました」

――実際に楽しかった?

▼矢地「そうですね。いろいろ自分がここまでやってきたことを試せて。悪いところも出ちゃったですけど、少しでも前進できて、技術的に一歩前に出れた気がしたんで。そういう意味では、そこが一番嬉しいですかね」

――具体的に成長を感じられた部分は?

▼矢地「試合前も言ってましたけど、打ち合いながら頭を下げてしまったり、目をそらしてしまうという。今日も何回かあったんですけど、距離に入った中で、しっかり落ち着いて見てれば大丈夫なんだっていうのが、今回の試合で。やっぱり目を背けた時にもらってしまったんですけど、その攻防の中で、ああこうやれば意外と大丈夫じゃんみたいな。そこに収穫があったかなって。自信持ってやっていいんだなと」

――向こうが階級を下げてしまったが、朝倉未来選手にリベンジしたい気持ちはある?

▼矢地「もちろん負けた相手には全員リベンジしたい気持ちなんで、朝倉選手のみならず、俺に勝ったヤツに全部お礼参りじゃないけど、やり返したい気持ちは、それはファイターなんで、いつでも持っています」

――大切な人が泣かれている姿がビジョンに映っていたが、そういう思いをさせてしまったことについては?

▼矢地「本当にノーコメントです」

――フィニッシュは素晴らしいサッカーボールキックだったが、決めた時の気持ちは?

▼矢地「サッカーボールキックなんて練習でもやったことないし、よくあそこで出たなっていう。幼き頃に数年やっていたサッカーの成果が出たなと思っています」

――ライトGPの勝者と戦いたい気持ちはある?

▼矢地「もちろんそこはファイターですから、戦いたい気持ちはあります。でも、そのためにはまだこの1勝じゃ足りないと思うし。3連敗したけど、3連勝してみたいな。そこでみんなが求めてくれたら、その時はもちろん戦いたいと思っています」

――長い暗い中を抜け出た感じ? それとも単純に楽しかった?

▼矢地「この長い暗いトンネルがあったからこそ気づけた部分というのもあって。本当によくないところなんですけど、失敗しなきゃわからないというか。やってみて、ダメだな、やっぱりこっちなんだと。前回なんかは凄い入れ込んで、相手に無理矢理怒りの感情を作り出してじゃないですけど、そういう風に臨んだんですけど、あんまり入れ込みすぎるといい結果が出なかったというか。勝ち負けのみならず、自分のパフォーマンスができなくて。じゃあ、どうしたら俺っていいパフォーマンスが出るんだろうと考えたら、やっぱり自分が楽しむことということに改めて気づけたんで。そういう意味では、本当に無駄じゃなかったなと胸を張って言えます」

――追い込まれている感じもしたが、最後はどういう風に戦局を見ていた?

▼矢地「気持ちも戦いの中でも、『受け手に回らないようにというのを意識しながら』というセコンドの一声で、『ああ、やばいやばい、受けちゃってるな』と。気持ちが劣勢になっちゃってるなみたいな。『ああ、ダメだ。ここはいかなきゃ』みたいに、気持ちの面で弱きにならないようにというのを意識してましたね。どんな時でも。自分に自信を持ってやろうというのが常に頭にありました」

――セコンドの声があったという話だったが、今回は出稽古が試合に活きた?

▼矢地「いろんなところに行くことによって、いろんな視点があって、いろんなこどに気づかせてもらって、いろんなアドバイスがあってという中で、一気に視野が広がったというか。もちろんチームメイトとの練習も本当に大事だし、一番俺をよく知っているのはチームメイトのみんなだし。だけど、外からの第三者的な視点を取り入れることによって、本当に一気に広がったんで。外の選手は俺のことをこう思っているんだとか、そういうのが技術的に凄く収穫があったんで」

――試合後、上迫選手を追いかけて声をかけていたが?

▼矢地「同じ日本人だし、共通の先輩がいたりして、繋がりがないわけじゃなかったんで、そういう意味であいさつに行こうと。誰に対しても行かなきゃいけないんですけど、なおさら。お互い複雑な心境だったんで。外の皆さんはわからないけど、そういう意味を込めて、今度はその先輩を含めて飲みに行きましょうみたいなことを話しました。お互いが好戦的に戦えたんで。お互いリスクを背負って、そういう中でああいう結果が生まれると思うんで、本当に上迫選手にも感謝したいと思っています」

プロ格 情報局