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1/4【新日本】ヒロムが完全復活の1年半ぶりIWGPジュニア戴冠、新技投入でオスプレイ撃破

『バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』東京ドーム(2020年1月4日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○高橋ヒロムvsウィル・オスプレイ×

 ヒロムが新技・TIME BOMBIIでオスプレイを撃破。1年半ぶりにジュニア王座を戴冠し、完全復活を遂げた。

 首の怪我から1年5ヵ月ぶりに復帰し、東京ドーム決戦初日にジュニア王者・オスプレイに挑むことになったヒロムだが、昨年12月の後楽園3連戦で行われた前哨戦で3連敗。再起後、一度も勝利できないままドーム決戦を迎えていた。

 それでもリングに上がったヒロムに気後れなど皆無。ゴング早々にオスプレイとハイスピードバトルを展開する。激しい先読み合戦で競り勝つと、エプロンへのパワーボム、エプロンからの場外ドロップキックと破天荒な荒技を連発した。

 しかし、オスプレイは冷静に戦況を見定めていた。古傷の首狙いで反攻。ロープを挟んだ状態から急角度のDDTを繰り出すと、場外ネックブリーカードロップもズバリ。ヒロムも反撃を試みるが、オスプレイはその上を行く。サスケスペシャルを避けられても着地し、場外ジャーマンも1回転して不時着。ならばとヒロムはエプロンめがけてフロントスープレックスで投げ飛ばしたが、オスプレイはそれを利用してリングに戻ると、今度こそサスケスペシャルを浴びせた。そして、後頭部へのスワンダイブ式フットスタンプ、ミサイルキックなど古傷狙いで圧倒。場内は悲鳴にも似たヒロムコールに包まれた。

 声援に応えるべくヒロムは雪崩式カサドーラやダイナマイトプランジャーを爆発させたものの、オスプレイはサマーソルトキック、延髄斬りの連続攻撃からロビンソンスペシャル(コークスクリューキック)に繋げて鎮圧。危険なリストクラッチ式の変型ドライバーで頭からマットに突き刺すと、四つん這いになったヒロムの背中にシューティングスタープレスを落とし、オスカッターが完璧に決まった。

 ヒロムはギリギリでキックアウト。ならばとオスプレイは後頭部にバックエルボーを振り抜くが、ヒロムは間一髪で回避し、ポップアップ式パワーボムで流れを押し返す。笑みまで見せながらエルボー合戦を繰り広げると、ハンドスプリング攻撃をキャッチして投げ捨てジャーマンをズバリ。オスプレイがジャンピングパワーボムを狙っても、カナディナンデストロイヤーで切り返すと、コーナーめがけてデスバレーボムをお見舞いし、TIME BOMBをしつこく狙っていく。

 オスプレイはトラースキックを放つと、その場飛びスパニッシュフライで撃墜。後頭部にバックエルボーを振り抜くと、ストームブレイカーを狙うが、勝負を捨てないヒロムはヨシタニックで決死の逆襲。カチ上げるようなラリアットをぶち込むと、TIME BOMBをとうとうさく裂したが、オスプレイは肩を上げた。それでも止まらないヒロムはこん身のランニングエルボーを突き刺すと、密かに狙っていた新技・TIME BOMBII(通常と反対側から相手を持つ変型式TIME BOMB)で死闘を制した。

 オスプレイを新技で沈めて、ヒロムが1年半ぶりにジュニア王座返り咲き。復帰4戦目でベルト獲りを果たしただけでなく、再起後初勝利を挙げた。「この1年半…何も先が見えない1年半をさまよい歩き続けました。その結果がこうやって今日という日に繋がったんだと、俺はそう信じてます」とコメントブースで真面目に語り始めたヒロムだったが、一転して「…そんなわけあるか! そんなわけあるかよ。くだらねえ」と自身の発言を斬り捨て、「首の骨がへし折れようが、俺がどうなろうが、俺はこのプロレスを、新日本プロレスの戦いを楽しんでやるよ」と断言した。

 ヒロムの怪我で改めてプロレスの危険性にも注目が集まったが、ヒロム自身は「誤魔化すんじゃねえぞ。ちゃんと書けよ。プロレスはスゲエ危険なスポーツだ。でも、それ以上にスゲエ楽しいスポーツなんだよ。今日4万人のお客さんが集まったんだろ? 最高じゃねえか」と危険と隣り合わせの充実感をあらわにし、「俺が思うプロレスを、俺が好きなプロレスを、最高に楽しいプロレスを、今日は見せれたはずだ」と胸を張った。

 これでジュニア王者として明日(5日)の東京ドームで引退試合を行うライガーの前に立つことになった。ヒロムは「明日は俺の想像する怒りの獣神サンダー・ライガーで俺のことを叩き潰してください。運が良かったら、このベルトを持ってってくださいよ」と獣神を挑発していた。

【試合後のヒロム】
▼ヒロム「この1年半、辛く険しい、何も見えない闇の中にいました。俺はもがき苦しみながら、少しの光を見つめて、歩き続けてきた。いろんな人たちに応援され、支えられながら、この1年半…何も先が見えない1年半をさまよい歩き続けました。その結果がこうやって今日という日に繋がったんだと、俺はそう信じてます…そんなわけあるか! そんなわけあるかよ。くだらねえ。先が見えてなかった? 見えているに決まってんだろ。今、俺が勝手に言っただけだよ。見えているに決まってんだろ? こんなに楽しい世界に復帰できるってわかった瞬間から、俺の中では最初からこうなることは見えてたよ。こんな楽しい世界、辞められるわけねえだろ? 首の骨がへし折れようが、俺がどうなろうが、俺はこのプロレスを、新日本プロレスの戦いを楽しんでやるよ。楽しいしな、実際。オスプレイ、俺のいない1年半、素晴らしかった。オスプレイ、お前は間違いなく最強だ。お前とは一生ジュニアとしてやり合いたい。とにかく最高だよ。オスプレイ、ありがとう。当分やりたくないけど、ありがとう。オスプレイ、いつでもこのベルトに挑戦する権利をお前は持ってるよ。当分やりたくないけどね。少なくとも半年は勘弁してくれ、オスプレイ。まあ、やりたいなら構わないけど。なんだかんだ言って、お前とやるのは楽しみにしている俺がいるよ。プロレスは危険なスポーツだよ。スゲエ危険なスポーツだと思っている。プロレスラーの俺が言うのはおかしいことか? いや、プロレスラーの俺だからこうやってはっきり言えるんだろ? 誤魔化すんじゃねえぞ。ちゃんと書けよ。プロレスはスゲエ危険なスポーツだ。でも、それ以上にスゲエ楽しいスポーツなんだよ。今日4万人のお客さんが集まったんだろ? 最高じゃねえか。こんな楽しいプロレスを趣味に持っているお客さん、なんて素晴らしい方々だ。レスラーでありながら、あなた方が、今日ドームに来ているお客さん1人1人が羨ましくて仕方ない。プロレスは確かに危険だ。実際、俺が首の骨を折っているからな。危険なのはわかっている。デビューする前からわかっている。デビューしたあとももちろん理解している! だからって、誤魔化すんじゃねえぞ。プロレスは危険だ。でも、それ以上にメチャクチャ楽しいんだ! だから、俺は言ってんだろ、いつも。もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、みんなで楽しもうぜ、ってな。その通りだ。この言葉に嘘偽りは何もない。俺が思うプロレスを、俺が好きなプロレスを、最高に楽しいプロレスを、今日は見せれたはずだ。何よりもこれ(ベルト)が証拠だ。ありがとう。ありがとう、ベルトさん。これからも高橋ヒロムのプロレスを楽しんでくれよ。以上」

――最後の新技は?

▼ヒロム「TIME BOMB2!」

――明日、チャンピオンとしてライガー選手の前に立つことになったが?

▼ヒロム「獣神サンダー・ライガー。あなたとの約束、ちゃんと守りました。明日は俺の想像する怒りの獣神サンダー・ライガーで俺のことを叩き潰してください。運が良かったら、このベルトを持ってってくださいよ」

【オスプレイの話】「(部屋を出て行く記者を見て)ベルトのない俺から聞くことは何もないのかい。何をいうべきか、まったくわからない。自分を過信しすぎたのかもしれないし、ヒロムを超える何かを自分が持っていなかったのかもしれない。俺は負けた。IWGPジュニアのベルトを失ったんだ。もしかしたら、仕方のないことかもしれないけど、失いたくないものだった。楽に理解できることじゃない。今、何をすればいいんだろう?」

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