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1/5【新日本】新日ラストマッチのジェリコに棚橋敗戦も「上がっていけばいいだけ」

『バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム』東京ドーム(2020年1月5日)
○クリス・ジェリコvs棚橋弘至×

 2020年戦い初めとなった棚橋がジェリコにまさかの敗戦を喫したものの、「2020年、どういう年になるかわかんないけど、上がっていけばいいだけの話だから」と前をみた。勝利したジェリコは「この試合が今の自分の中で新日本のリングに上がるのが最後」と新日マットに別れを告げた。

 棚橋とジェリコの遺恨が芽生えたのは昨年6・9大阪城大会。ジェリコがIWGP王者オカダに挑戦し、敗戦。腹いせに試合後もオカダを暴行し、これを棚橋が救出した。「バカハシ」呼ばわりしたジェリコは「1・5東京ドームがオマエの引退試合だ」と宣戦布告。この日の一騎打ちが決まった。ジェリコは棚橋が勝てば、自身が保持するAWE世界王座への挑戦権を与えるとの意向を示している。

 棚橋は前日出場しなかったため、これが2020年初ドーム。試合前のVTRではジェリコのメッセージを真似て挑発した。ジェリコはAEW世界王座のベルトを巻いて現れた。ゴングと同時に棚橋コールの大合唱に包まれると、中指を突き立て、「バカハシ!」と罵倒してブーイングを浴びた。冷静な棚橋はジェリコの冬木弘道さんばりポーズで挑発されても、同じポーズで応戦して「カモン・ベイベー!」と逆挑発。早くもエアギターを披露した。

 先手を取ったのは棚橋。コーナーに詰まったところでカンガルーキックを放ち、ダイビングボディアタックで飛びつくと、ジェリコを踏みつけながら再び冬木さんポーズで「カモン・ベイベー!」と挑発した。が、ジェリコも棚橋をエプロンに追いやり、三角飛びミサイルキックですぐさま反撃。フェンスの扉を棚橋の顔面に激突させ、ビデオカメラを手にして中指を突き立てると、テーブル上でDDTを敢行した。

 この一撃で棚橋の動きが止まった。主導権を握ったジェリコはダイビングニードロップを投下し、棚橋がエルボーを連発してもダブルアーム式バックブリーカーで返り討ち。お株を奪うエアギターを披露すると、フロッグスプラッシュを発射した。

 これを自爆させた棚橋は不敵な笑み。ジェリコが場外に叩き落とそうとしてもロープをつかんで戻り、エルボーを連発。フライングフォーアームを放ち、串刺しフライングボディアタックを放ったが、ジェリコはレフェリーを盾に回避。すかさず急所を蹴り上げ、巻いていた革製ベルトで何度も殴打する暴挙に出たが、棚橋もローブローでお返しした。

 ここから棚橋が仕掛ける。串刺しフライングボディアタックで突っ込み、ダイビングサマーソルトドロップを投下し、太陽ブローを連打。ジェリコがライオンサルトを狙っても場外に叩き落とし、コーナー最上段からの場外ハイフライフローを発射だ。ジェリコが辛うじて場外カウント19で生還すると、棚橋はロープ越しドラゴンスクリューを連発。ジェリコが狙ったコードブレイカーを阻止してドラゴンスクリューをなおも連発すると、ハイフライフローを発射した。

 だが、ジェリコが両ヒザで迎撃し、ライオンサルトで反撃ののろしを上げた。コードブレイカーを阻止した棚橋もダルマ式ジャーマンで応戦したが、ジェリコがウォールズ・オブ・ジェリコで捕らえ、一転してピンチを迎えた。

 これを切り抜けた棚橋は起死回生のスリングブレイドをさく裂。ファイナルカットから再びハイフライフローを放ったものの、ジェリコがコードブレイカーで迎え撃つ。「アイ・アム・ア・チャンピオン!」と叫ぶジェリコに棚橋は張り手を見舞い、掟破りの逆コードブレイカーを敢行。スリングブレイドが不発に終わっても、ウォールズ・オブ・ジェリコを首固めで丸め込み、ツイストアンドシャウト、スリングブレイドで流れを作った。が、ハイフライフローをキャッチしたジェリコが再びウォールズ・オブ・ジェリコに持ち込んで万事休す。悲痛な棚橋コールの中、意地で耐え続けた棚橋だったが、急角度で絞め上げられてたまらずタップした。

 棚橋の2020年初戦はまさかの敗戦に終わった。「言葉もないです。悔しいです。ジェリコに勝ってスタートダッシュ決めるイメージしかなかったですね。何も思い浮かばない」とさすがにショックを隠せない逸材だったが、ジェリコからの引退要求を受け入れるつもりはない。「2020年、どういう年になるかわかんないけど、上がっていけばいいだけの話だから。必ずここから1段1段」と前を見据え、「ここからどうやって今の新日本のトップ戦線に食い込んでいくのか、全くわかりませんけど、俺ならまだできるっていう変な自信はあります」と豪語した。

 一方、勝利したジェリコは戦前こそ、棚橋に引退を迫るなど挑発を繰り返してきたが、「これが俺にとって3年連続3回目の東京ドーム。最初はケニー・オメガ、その次は内藤、そして今日が棚橋。どれも最高の試合だったと思っているが、今日の試合が一番好きな試合だったと思う。彼こそがこの団体のエースだと肌で感じることができた」と称賛の言葉を口に。というのも棚橋戦は新日本参戦時から待ち望んでいた一戦だったからで、「俺と棚橋の試合が実現したことによって、日本とアメリカの懸け橋が出来上がったのではないか」と豪語した。そして「もちろん日本に帰ってきたい気持ちは凄くある」としたうえで、「本来ならリングの中で邪悪なことを叫んで終わっているが、今日はそれをしなかった。なぜならこの試合が今の自分の中で新日本のリングに上がるのが最後だからだ」と明かした。

【試合後のジェリコ】
▼ジェリコ「これが俺にとって3年連続3回目の東京ドーム。最初はケニー・オメガだった。その次が内藤、そして今日が棚橋。どれも最高の試合だったと思っているが、自分が一つ挙げるとすれば今日の試合が一番好きな試合だったと思う。棚橋、彼こそがこの団体のエースだと肌で感じることができた。彼は俺と同じように歴史に残るようなキャリアを持っている。だからこそ今日の試合前、俺は棚橋に向けて、この試合にもし勝つことができればAEWのベルトをかけて戦おうとコメントした。彼は本当に強い男だった。たぶん俺のアゴが脱臼しているかもしれないし、ヒザも傷んでいる。ドラゴンスクリューでやられたのかもしれない。アメリカに帰ってからMRIの検査を受けないとわからないが、だいぶ痛んでいるだろう。俺をここまでリングで痛めつけた男はなかなかいない。内藤、ケニー、EVILともやったが、ここまで自分の体が痛んだことはなかった。本来ならリングの中で邪悪なことを叫んで終わっているが、今日はそれをしなかった。なぜならこの試合が今の自分の中で新日本プロレスのリングに上がるのが最後だからだ。ケニー、内藤、オカダ、棚橋らとリングの上で戦ってきたが、全員ともう一度戦いたいという気持ちももちろん大いにある。だが、いろんな問題もあるし、政治的な問題もあり、自分自身ビジネスとしてプロレスに集中するためにも、これからやっていかなきゃいけないことがある。俺はプロレスを29年間続けてきた。ここまでのキャリアを築けたのも、ひとえに自分が真面目な労働者だからかもしれない。そして世界中で戦いを繰り広げ、ここまでやってきた。もちろん、まだ戦っていない鈴木、オスプレイたちとも戦ってみたい気持ちはあるが、俺は新日本のオーナーではないし、何かを決める権利はない。ただ、最高のショーをみせる男であることは間違いない。今の時点で日本に帰ってくるかどうかはわからないが、チャンピオンであり、ペインメーカーであるという立場から言わせてもらえば、俺はビジネスをやり続ける。そして俺こそが日本とアメリカの橋渡しという立場を担っているのではないかと思う。俺とケニーの戦いがその橋渡しの第一歩になったと思う。日本を知らなかった外国人、外国を知らなかった日本人があの試合をもってお互いを知ることができた。そして世界はあの試合を通して飯伏やオカダ、新日本にいるたくさんの日本人レスラーを見る機会に恵まれたんだ。俺は新日本でのその懸け橋的な役割をAEWでも同じようにしたいと思っている。アンバサダーであるとかビジネスマンであるとか、どんな肩書になるかわからないが、できることなら日本に戻ってきたいし、そのような役割を続けいけたらと思う」

――新日本との契約はどうなっている?

▼ジェリコ「ここでは契約内容の話をするつもりはない。ただ一つ言えるのは今日の試合が現時点で新日本での最後の試合という約束になっているということだけだ。本来なら棚橋ともっと早い段階で戦いたいと望んでいたが、去年は内藤と試合をした。そして棚橋とは絶対にやってみたいと思っていたので、今年になって実現できてよかった。最後の試合とは言っているが、もちろん日本に帰ってきたい気持ちは強くある」

――懸け橋という言葉についてどんな意味がある?

▼ジェリコ「それはたぶん今日の俺と棚橋の試合で一つ出来上がった橋ではないかと思っている。俺は試合前に、もし棚橋が俺に勝ったらAEWをかけてまたやろうという話をした。彼は天才で、俺も同じである。この試合が実現したことで、この橋というのが出来上がったのではないかと思っている。試合前にプライベートジェットの前で撮影したVTRを流させてもらった。こういった全ての一連の流れが世界を変えたのではないかと思っている。ただ、残念ながら俺は新日本でもAEWでも責任者という立場にはいないので、どういう動きになるか、自分が言ったことが実現するかわからないが、両方の会社に対して、これからも同じように収入を増やし、役立ちたいと思っている」

――今日の試合が一番好きとのことだが?

▼ジェリコ「心理戦というのがとても今日は冴えていたと思っている。そこが気に入っている。新日本に戻ってくるにあたって、オカダ、オメガ、内藤の話はたくさん聞いていたが、ついに棚橋と対戦できたという気分だった。これはWWEで10年経ってようやく実現したアンダーテイカー戦の時と同じ気分だった。その時も、これまでこの長い間、お前はどこにいたんだってリングの中でいい気分になったのを覚えている。そのような心理戦が思い出されるぐらい素晴らしい試合だったと思う。もちろん先に挙げた選手たちと比べると機動力や可動域に関して棚橋は劣っているかもしれないが、彼が持つファンとのつながりというのがリングでも感じられて、それが素晴らしかった。彼が素晴らしいショーマンであるというところも肌で感じることができた。さっきも言ったように自分のアゴが脱臼するほどのパワーを持っていて、ヒザも彼の技のおかげで痛んでしまった。そういったパワーを感じることがあった。やはり棚橋と対戦ということで少し恐怖心もあった。だからこそ今日もペインメーカーというキャラクターでいったんだ。棚橋は今日勝たなかったが、フィニッシュ以外は全て彼が持っていったんじゃないかという思いすらある。ただ、髪型だけは変えた方がいい。あれはバカげている。バカハシと言ったが、そのままになったな。だが、素晴らしい試合だったと思っている」

【試合後の棚橋】
▼棚橋「言葉もないです。悔しいです。ジェリコに勝ってスタートダッシュ決めるイメージしかなかったですね。何も思い浮かばないんで」

――今後については?

▼棚橋「今そこ聞きますか? 俺もわかんないです。2020年、どういう年になるかわかんないけど、上がっていけばいいだけの話だから。必ずここから1段1段。逆エビ食らって、あの独特のきつさ。息ができない、腰が詰まるような。若い頃を思い出しましたね。21年目、気持ちはデビューした時と変わってないつもり。始めるのに早いも遅いもないでしょう。今はそう言っておきます」

――ジェリコは気にしていた選手だと思うが、実際に触れてみて?

▼棚橋「ホントね、実はというか初めてああいうタイプとは。独特のリズム。独特の真。あぁ世界広いなって。こういう選手もいるんだっていうのが感想です」

――これから上がっていくためにジェリコへのリベンジも含まれる?

▼棚橋「今回いろんなものが逃げていったからね。向こうのご好意を無にしてしまった。ここからどうやって今の新日本のトップ戦線に戻っていくのか、戻るか。違うな、食い込んでいくのか。全くわかりませんけど、俺ならまだできるっていう変な自信はあります。ここでまだまだ期待してください!って言うと、ちょっと俺も心配だから。まだ少し棚橋に期待してくださいよ」

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