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1/6【新日本】『怒りの獣神』大合唱でライガーがマットに別れ 猪木が惜別メッセージ

『NEW YEAR DASH !!』東京・大田区総合体育館
(2020年1月6日)
獣神サンダー・ライガー引退セレモニー

 『怒りの獣神』の大合唱でライガーがマットに別れ。師匠のアントニオ猪木がVTRで惜別のメッセージを贈ると、涙を流した家族たちも獣神の引退を見守った。

 1・5東京ドームでIWGPジュニア王者の高橋ヒロムに敗れ、完全燃焼で31年にわたる獣神伝説に幕を下ろしたライガーの引退セレモニーが大田区大会のオープニングに行われた。

 これまでの輝かしい足跡を振り返るVTRがビジョンに映し出されると、『怒りの獣神』に乗って、ガウン&コスチューム姿のライガーが入場ゲートから登場。大田区総合体育館はライガーコール一色になる。獣神はリングに入り、四方の客席に頭を下げた。

 柴田勝頼率いるLA道場勢を含めた新日本本隊、そしてCHAOS勢が順にリングに集結し、棚橋、オカダが花束を贈呈。新日本の菅林直樹会長、ハロルド・ジョージ・メイ社長、そして千景夫人や息子の貴光さんからも花束が贈られた。ライガーは家族と抱擁。場内は大きな拍手に包まれたが、ライガーは涙する息子を笑い飛ばす。

 続いて、VTRメッセージで師匠・アントニオ猪木がサプライズ登場。「元気ですか! 元気を売り物にしてきたけれど、俺も身体がボロボロなんだけど」と苦笑した猪木は、「何年になるのかな、ライガーは? 平成元年? 31年、よく頑張りましたね。ああいう衣装をつけたのも、当時はいろんな人間がいろんなアイディアを出し合って、『これでいこう』『あれでいこう』とか。そんな中でライガーというのは、あの当時としても非常に面白いキャラクターで、それで頑張ってきたんで。引退と言うと、ちょっと寂しい気もするけど、逆にまた新しい時代へ踏み出す一歩ということで、1回ゆっくりね。もう俺も酒が飲めなくなっちゃったんだけど、それはともかく美味しいものを食べながら、若い人たちや次の世代に夢を送れるように頑張ってもらいたいと思います。長い間、ご苦労さん」とねぎらい、はなむけに「1、2、3、ダー!」の雄叫びをあげた。

 最後にライガーが別れのあいさつ。「平成元年に東京ドームで獣神サンダー・ライガーはデビューいたしました。そして、昨夜同じく東京ドームで最後の試合をさせていただきました。対戦相手の高橋ヒロム選手に粉々に砕かれましたが、これで何の悔いもなく引退できると確信しました」と今の心境を吐露すると、「31年間、ファンの皆様、ご声援本当にありがとうございました。プロレスラー獣神サンダー・ライガーは今日で終わりますが、新日本プロレスはますます大きくなり続けていくと思いますので、変わらぬご声援を皆様にお願いいたしましてあいさつに代えさせていただきます」と観客にメッセージ。「それから最後に個人的なコメントをさせていただきたいと思います。今日広島から僕の母親がこの会場に来てくれています。お母ちゃん、頑丈な身体に産んでくれて、本当にありがとう。感謝しています。ありがとう。それから、千景ちゃん、貴光、今まで寂しい思いをさせたぶん、父親らしいことをこれからしていきたいと思いますので、よろしくお願いします」と家族にも感謝の思いを伝え、「本当に皆様31年間、ありがとうございました」を締めくくった。

 引退を告げる10カウントゴングが打ち鳴らされると、「世界の獣神、獣神サンダー・ライガー!」と最後の選手コールが告げられる。場内は大きな大きなライガーコールに包まれた。ライガーはリングを降りようとするが、オカダが引き止めて、本隊&CHAOS勢で獣神を胴上げする。さらに、棚橋が音頭を取り、会場中で『怒りの獣神』を熱唱することに。ライガーも棚橋並んで自身の入場テーマを口ずさむと、いつまでも続く大歓声の中、花道を去っていった。

 「わりと冷静な自分がいましたね。別角度から自分を見ている自分がいる感じがしました。ただ、ああこれで終わるんだなと。そういう実感はありますね」とセレモニーを振り返ったライガーは「武藤選手が『ライガー。ほとぼり冷めたら帰ってきたらいいから』と。ほとぼり冷めませんから。ずっと引退ですので、MASTERSでの復帰というのはまったくありません」と改めて復帰する可能性を否定した。

 最後まで感謝の言葉を繰り返していたが、「今はゆっくり寝たいですね。ちょっとゆっくり寝たい。練習も何もしないで、食っちゃ寝、食っちゃ寝で、1日2日それをやってみたいですね」と全てを終えてホッとした様子。すでに第二の人生に向けて動き出しており、「いろんな方々がさらに引退したあとの僕を、『こうしたらどうか』『ああしたらどうか』と力になってくれます。ライガーの歴史は皆様の支えによる歴史だと思っています。そういう考えを持った皆様をガッカリさせないように、猪木さんも言われてましたけど、頑張ってほしいということですので、頑張りたいと思っております」と前向きに語っていた。リングを降りても、これまでと同じように挑戦的な獣神を見ることができそうだ。

【ライガーの話】
▼ライガー「どうもお世話になりました。ありがとうございました」

――セレモニーを終えた今の気持ちは?

▼ライガー「わりと冷静な自分がいましたね。別角度から自分を見ている自分がいる感じがしました。ただ、ああこれで終わるんだなと。そういう実感はありますね」

――セレモニーでは猪木さんからメッセージがあったが?

▼ライガー「いや、ビックリしました。僕は本当にアントニオ猪木さんの教え子としては落第生だと思います。よく怒られてましたし、ろくなことをしてませんでした。でも、最後に猪木さんからああいうメッセージをいただいて、本当にありがたいですね。これもやっぱり感謝ですね。感謝しかありません」

――ご家族やお母さんも会場に来ていたが?

▼ライガー「普段、なかなか母親には言えないし、憎まれ口ばっかりお互いが叩いてますんで。まあ、親不孝だなと思って。最後、カミさんと息子が出てきた時に、ちょっとやばかったですね。汚いオジサンの涙を見せるところでしたけど、貴光のバカが先に泣きやがって、ボロボロ泣いてたから。ええっ!?と思って。それで冷静になりました。息子のおかげです。オジサンの涙を見せなくて済みました。そういう意味でも感謝ですね。息子に感謝です」

――最後はフルコスチュームでリングに立ったが?

▼ライガー「今日はファンの皆さんと先に撮影会があって、それは私服でやらせていただきました。変化があったほうがいいなと思って。それと、獣神サンダー・ライガーというのはこれがやっぱり獣神サンダー・ライガーなんですよ。もう試合はないので、フルでというのはあんまり考えませんでしたけど、特別かなと思いましたし。良かったんじゃないかなと僕は感じています。本当に31年間…素顔の時代を合わせると36年。当然、マスコミの皆様にもお世話になりましたし、会社のみんなにもお世話になった。世界中の皆さんにもお世話になった。そして今、ファンの皆さんはもちろんですけど、いろんな方々がさらに引退したあとの僕を、『こうしたらどうか』『ああしたらどうか』と力になってくれます。ライガーの歴史は皆様の支えによる歴史だと思っています。そういう考えを持った皆様をガッカリさせないように、猪木さんも言われてましたけど、頑張ってほしいということですので、頑張りたいと思っております」

――明日からはどういう生活をする?

▼ライガー「明日からは取材とかがまだ1月はかなり入っています。いろいろ計画されていることもありますので、それはおいおい発表できると思うんですけど。武藤選手が『ライガー。ほとぼり冷めたら帰ってきたらいいから』と。ほとぼり冷めませんから。ずっと引退ですので、MASTERSでの復帰というのはまったくありません。これだけのファンの皆さん、レスラーの皆さん、関係者の皆さんに見送ってもらったんです。カンバックは絶対にない。これは誓います。だから、武藤選手にはごめんねって伝えておいてください」

――今一番やりたいことは?

▼ライガー「今はゆっくり寝たいですね。ちょっとゆっくり寝たい。練習も何もしないで、食っちゃ寝、食っちゃ寝で、1日2日それをやってみたいですね。身体はこのまま練習して動かし続けると思うんですけど、とりあえず1日2日は何もしない日っていうのを作ってみたいと思います。それからまた第二の人生を頑張ります。よろしいでしょうか。本当に皆さんありがとうございました。31年本当にありがとうございました。お世話になりました。ありがとうございました」

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