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2/2【新日本】「なまら強かった」タイチと死闘30分超…再起星・オカダが謎の「猪木!」絶叫締め

『THE NEW BEGINNING in SAPPORO〜雪の札幌2連戦〜』北海道立総合体育センター 北海きたえーる(札幌市)(2020年2月2日)
○オカダ・カズチカvsタイチ×

 オカダが30分を超える死闘の末、12年ぶりとなったタイチとの一騎打ちに激勝。「なまら強かった」とタイチを称えたレインメーカーは、謎の「アントニオ猪木!」の絶叫とともに札幌2日目メインを締め、「今ベルトがないんでね。好き放題やらせてもらいますよ」と意味深長に宣言した。

 オカダの新日本デビュー戦となった2008年4月12日、蓮田大会以来、約12年ぶりとなる両者の一騎打ちがついに実現した。IWGPヘビー級王座リマッチ権強奪を宣言しているタイチは前日の札幌2連戦初日でオカダを首攻めで圧倒し、試合後もアイアンフィンガーフロムヘルでKO。それでも飽き足らず花道上でブラックメフィスト、聖帝十字陵を決めて首を徹底攻撃した。「明日のメインイベント、延期してやってもいいぞ」とまで言い放ち、肉体的にも精神的にも優位に立った。

 手負いのオカダは首にテーピングを施して出陣。タイチがゴング前の奇襲攻撃を仕掛け、オカダの後頭部を容赦なく蹴りつけると、早くもアイアンフィンガーを装着した。オカダもフロントハイキックで阻止し、場外戦ではフェンス超えのフライングボディアタックを発射したものの、タイチが急角度のバックドロップで突き刺し、首にダメージを負ったオカダの動きが止まる。すかさずタイチはマイクケーブルでノドを絞め上げ、フェンスに首を食い込ませて徹底攻撃。リングに戻っても拷問コブラで絞め上げ、序盤からオカダの首にダメージを蓄積させた。

 それでもオカダはDDTやリバースネックブリーカーで反撃。花道へと連行されても、ブラックメフィストは決めさせず。逆に花道上でツームストンを狙い、不発に終わっても花道を走っての正面飛びドロップキックでタイチを吹き飛ばした。リングに戻るとオカダはダイビングエルボードロップを発射したが、レインメーカーポーズからのレインメーカーは時期尚早。阻止したタイチが串刺しジャンピングハイキック、ミドルキックで巻き返す。オカダが対角線を走っての正面飛びドロップキックで反対側コーナーに吹き飛ばしても、タイチは死角を突いてアイアンフィンガーを装着。アイアンフィンガーフロムヘルを繰り出した。

 読んだオカダもタイチをコーナーに乗せてのドロップキックで場外に叩き落としたが、放送席で解説を務めていた金丸が場外でレフェリーの注意を引くスキに、リングインしたタイチがイス攻撃を連発。アックスボンバー、顔面蹴りを叩き込むと、聖帝十字陵でギブアップを迫る。耐えたオカダがジャーマン、ドロップキックで必死の反撃をみせても、タイチは再び聖帝十字陵で絞め上げ、急角度バックドロップを連発。ジャンボ鶴田ばりに右手を突き上げると、バックドロップホールドを敢行した。

 オカダも意地で3カウントを許さない。天翔十字鳳をかいくぐってツームストンパイルドライバーで突き刺した。激しい攻防の連続にオカダコールとタイチコールが交錯する中、両者はフロントハイキックを打ち合って火花を散らし、タイチがローリングソバット、カウンターエルボーで競り勝つと、お株を奪うドロップキックを発射。ブラックメフィストの体勢に入ったが、阻止したオカダはレインメーカーを連発して譲らず。3発目はタイチがレフェリーをつかんで阻止。急所を蹴り上げてからタイチ式外道クラッチで丸め込んでオカダを3カウント寸前に追い込んだ。

 すかさずタイチは串刺しハイキック、延髄アックスボンバー、ジャンピングハイキックでたたみかけ、タイチ式ラストライドを敢行したが、オカダは肩を上げてみせる。観客が床を踏み鳴らして場内に重低音ストンピングが響いた。自らの頬を叩いて気合を入れたタイチは、タイチコールの大合唱が後押しする中、ブラックメフィストで勝負に出たが、オカダは不時着して九死に一生。ローリングレインメーカーで逆襲ののろしを上げ、タイチがブラックメフィストを狙っても決めさせず。天翔十字鳳をキャッチすると旋回式ツームストンパイルドライバーでグサリ。すかさずこん身のレインメーカーを叩き込んでようやく3カウントを奪った。

 30分超の激闘はオカダが制し、12年前の雪辱を遂げた。試合後、必死に起き上がろうとしたタイチはオカダに手を伸ばしたものの前のめりに倒れ込む。その姿に笑みを浮かべたオカダが「タイチは帰れ!」とあおると、札幌のファンは「レッツゴー・タイチ!」の叫びでタイチを称賛。「札幌!」と絶叫したオカダも「いやぁ、タイチさん、なまら強かったです」と北海道弁で認めた。そして「何も札幌大会、起きなかったので、僕が今、気になっている一つのことを言わせてください」と前置きすると、なぜか「アントニオ猪木!」の叫びを上げた。

 政変時、かつて猪木が“神"として降臨したことのある札幌だからか、それとも同様に「猪木!」と叫んだことのある先輩・中邑真輔を真似たのか。バックステージでも真意は語らず、意図は謎のままだが「今ベルトがないんでね。好き放題やらせてもらいますよ」と意味深長に予告。オールスター戦開催を提唱し、他団体勢との対戦に前向きな姿勢をみせているレインメーカーは無冠ならではの動きをこれからみせていくのかもしれない。

【オカダの話】「こうやってシングルマッチやるとね、あれ? ベルトがないなと。あれ? セレモニーがないなと。腰が寂しいなと、改めて思ってしまいました。でもね、こんだけのお客さんが集まって、俺は精いっぱい戦っていくだけだから。でも今ベルトがないんでね。好き放題やらせてもらいますよ」

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