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2/24【NOAH】“20周年の重み"で清宮返り討ち 杉浦故郷で激闘V3、稔迎撃へ

『PRO WRESTLING NOAH 20th ANNIVERSARY NOAH the CHRONICLE vol.1』愛知・名古屋国際会議場(2020年2月24日)
GHCナショナル選手権試合 ○杉浦貴vs清宮海斗×

 ノア旗揚げ20周年記念ビッグマッチ第1弾となる名古屋大会のメインイベントでGHCナショナル王者・杉浦が激闘の末に清宮を返り討ちにして3度目の防衛に成功。地元・名古屋でノアと自身の“20周年の重み"を見せつけ、3・8横浜文体大会では田中稔を迎え撃つことになった。

 ノアも杉浦も今年で20周年。地元・名古屋で行われた旗揚げ20周年記念ビッグマッチ第1弾のメインに立った杉浦は、"新しい景色・第2章"を目指す清宮を迎え撃った。ここ最近はGHCヘビー級王座戦を通じて清宮に連敗中。それでも今年50歳を迎え、「もう後がない」危機感を殺気に込めた杉浦が凄みあるファイトを繰り広げた。

 のっけから躍動した清宮の三沢式トペフェイントを先読みした杉浦は、スピアーで狙い撃ち。そのまま徹底したボディ攻めで鬼の猛攻に出た。清宮の反撃の芽もことごとく摘み、コーナーめがけて投げ捨てジャーマンを見舞うと、馬乗りになって強烈なエルボーを乱れ打った。

 清宮は串刺しタックルを鉄柱に誤爆させて、ようやく活路を開くと、後頭部へのミサイルキック、ドロップキック、ジャーマンと猛ラッシュを仕掛けた。杉浦の予選スラムも着地してストレッチプラム式フェイスロックで切り返すや、そのまま強引に投げ飛ばす。譲らない杉浦も追撃を得意のフロントネックロックで絡め取ったが、後方回転した瞬間、清宮も背後に回り込んで再びストレッチプラム式フェイスロックで捕獲し、両雄の攻防はさらなる“進化"を遂げた。

 杉浦もなりふり構わず必死にロープをつかむ。猛攻を止めない清宮は急角度ジャーマン、変型エメラルドフロウジョンと畳みかけ、タイガースープレックスホールドで3カウントを迫ったものの、杉浦は何とかキックアウト。逆に再びタイガースープレックスを狙う清宮を一気に予選スラムでぶっこ抜いて両者大の字に持ち込むや、カイトコール、スギウラコールが交錯した。

 試合は消耗戦に突入。猛烈なエルボーをひたすら打ち合い、清宮が気迫全開のエルボースマッシュやドロップキックをぶち込んでも、杉浦は沈まず、逆に浴びせ倒すようなランニングエルボーを突き刺すと、なおも立ち上がってきた挑戦者を強烈なラリアット2連発でなぎ倒した。清宮も肩を上げたが、杉浦はこん身の鬼エルボー連打でメッタ打ちに。前のめりに崩れ落ちた清宮を鬼の形相で「終わりだ!」と引きずり起こすや、この日2発目の予選スラムへ。清宮はなおも肩を上げ、場内を沸騰させたが、最後は雪崩式予選スラムでダメを押した杉浦が超新星をねじ伏せる3カウントを奪った。

 清宮に連敗中だった杉浦だが、ノアの20年間、そして自身の20年間の“重み"を見せつけてナショナル王座V3に成功。赤いベルトを受け取ってマイクを握ると「ノアの20周年記念の大会の第1弾をこの名古屋でできて嬉しく思ってます。本当にありがとう。名古屋は俺の生まれ育った故郷でもあるし、その故郷で、みんなが集まってくれる前でGHCの防衛戦ができて幸せです」と感謝して万雷の拍手を受けた。

 今春には全日本のチャンピオンカーニバル出場も決まっているだけに、再び“急上昇モード"に入った最強の49歳は、「全日本のチャンピオン・カーニバルに上がるというので、全日本のヤツでもケンカ売ってくるかなと思ったら、別になんもしに来ねえし。どうしようかね? 俺は誰でもいいんだけどね」と次期防衛戦へは首をかしげた。

 そこへ現れたのは意外な男。稔だった。「杉浦さん。その赤いベルトにスゲエ興味あります。そのベルトがもし無差別級のベルトだって言うんだったら、俺の挑戦を受けてくれないですか?」と表明。杉浦も「面白いねえ。ヘビーで3回やったから、ちょっと違う形を見せたいと思ってたんで。そういうのを思ってたんで。ぜひ、ぜひ。場所はどこでも」と即諾してガッチリと握手を交わし、3・8横浜文体大会での王座戦が決まった。

 確かに稔は昨年の12・8むつ大会で当時GHCヘビー級王者だった清宮と一騎打ち。熱戦を展開した試合後に“とある野望"の存在を明かし、「これからヘビー級の選手と当たる時に一個一個実験していきたいことがある」と話していた。

 ともあれ、超新星返り討ちの次は、ジュニアのベテランを迎撃。広い守備範囲で、杉浦が20周年イヤーに器の大きさを見せつける。

【試合後の杉浦】
――タイトル防衛に成功したが?

▼杉浦「清宮はベルトを1年持ってて、だいぶ違ったよね。俺からベルトを奪った時から1年守って、一回り、一つの上のステージにレスラーとして上がったのかなという。なんか違うね」

――今日は対等に戦っているように見えたが?

▼杉浦「そうだね。もうなんか普通の若手じゃないよ。とにかく1年で頑張ったのか、全然違うよ。結構(防衛戦を)やっちゃってるよね? 潮崎よりもいいペースで防衛しているし、タイトルマッチやってるし。全日本のチャンピオン・カーニバルに上がるというので、全日本のヤツでもケンカ売ってくるかなと思ったら、別になんもしに来ねえし。どうしようかね? 俺は誰でもいいんだけどね」

※ここで稔が姿を現す

▼稔「杉浦さん。その赤いベルトにスゲエ興味あります。そのベルトがもし無差別級のベルトだって言うんだったら、俺の挑戦を受けてくれないですか?」

▼杉浦「面白いねえ。ヘビーで3回やったから、ちょっと違う形を見せたいと思ってたんで。そういうのを思ってたんで。ぜひ、ぜひ。場所はどこでも」

▼稔「お願いします」

▼杉浦「やりましょう」

※稔が去っていくと

▼杉浦「いや、まさかヘビー級が来ると思ったら、ちょっと違った相手で楽しみだね」

――稔選手の印象は?

▼杉浦「上手いって印象かな。あと、40代のわりには若いよね。コンディションもいいし」

――もう決まりということで?

▼杉浦「俺はもういいから、あとは会社がどう言うかだけで。会社の発表を待つだけで。いいんじゃない? ちょっと違う形もいいでしょ? 変化を見せて。このベルトだからね。いいと思うよ」

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