6/16【新日本】デスペラード肉薄も 石井が真っ向粉砕で快勝発進

『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020』(2020年6月16日)
「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 ○石井智宏vsエル・デスペラード×

　階級を超えて奮戦したデスペラードが肉薄したが、石井が真っ向から粉砕。NEW JAPAN CUP快勝発進を遂げ、2回戦に駒を進めた。

　3ヵ月半ぶりに新日本の大会が再開となり、本来なら春に予定されていたNJCは無観客でのTVマッチで改めて開催されることになった。今年はジュニアの選手もエントリー。開幕戦のメインイベントでは、前回4強まで勝ち上がった石井と鈴木軍のジュニア戦士・デスペラードの異色対決が1回戦として実現した。

　デスペラードは自分のほうが身長が高いと石井を大胆挑発。真っ向勝負では押し負ける場面が目立ったものの、ローキックを皮切りに執ような左ヒザ攻めで主導権を握った。剥き出しになったコーナーの金具にも連続して投げつけると、石井の背中を踏みつけて勝ち誇る。石井もヒザ狙いで攻勢に転じるが、デスペラードは海野レフェリーを盾にして追撃を防ぐと、低空ドロップキックでヒザ攻めを再開。ヌメロ・ドス(変型マフラーホールド)で絞め上げた。

　流れを変えたい石井はブレーンバスター、パワースラムで連続してぶん投げると、ステップキック合戦になってもエルボーでねじ伏せる。パワーボムで叩きつけ、デスペラードの急所蹴りをガードし、飛びつき十字固めも押し潰すと、スライディングラリアットがクリーンヒット。横綱相撲を展開した。

　しかし、デスペラードもヘビー級狩りに執念を見せる。海野レフェリーとの交錯を誘ってから、ローブローをズバリ。首固めで丸め込んで千載一遇のチャンスを掴む。石井が肩を上げると、マットを叩いて悔しさを爆発させたが、金具へのコンプリートショット、ギターラ・デ・アンヘルとなおも猛攻。これでも決まらないとみるや、ピンチェ・ロコの構えに。石井がこらえても、こん身のエルボーで腰砕けにしてみせた。

　だが、石井も感情むき出しのノーモーション頭突きで劣勢を打開。豪快なラリアットを振り抜く。勝負を捨てないデスペラードはエル・エス・クレロで丸め込むも、肩を上げた石井はすぐさまラリアットをズバリ。一気に垂直落下式ブレーンバスターでマットに突き刺して3カウントを奪い取った。

　開幕戦のメインに相応しい激闘を制した石井は「俺からしたらヘビーもジュニアも関係ねえよ。俺は新日本来る前から、ずっとそういう戦いをしてきたんだ。体の大小は関係ねえんだよ。ゴチャゴチャうるせえな。もちろんよ、体の大きさで有利不利はあるよ。でも、リング上がったら関係ねえんだよ」と断言。親指で自分の胸を指し、「ここだよ、ここ。要はよ。それを実践すりゃいいんだよ。本能の赴くままに戦えばいいんだよ」と己のプライドを垣間見せた。

　快勝発進を遂げた石井は2回戦に進出。6・24TVマッチでは真壁刀義と対戦することが決定した。昨年は準決勝まで勝ち上がったものの、同門のオカダ・カズチカに敗れて涙を飲んだ石井。この勢いで真壁を粉砕し、一気に初制覇まで駆け上がる構えだ。

【石井の話】「このトーナメント、ジュニアとかヘビーとかよ、騒いでるけどよ。特にあいつ、試合中も言ってたな? でも、俺からしたらヘビーもジュニアも関係ねえよ。俺は新日本来る前から、ずっとそういう戦いをしてきたんだ。体の大小は関係ねえんだよ。ゴチャゴチャうるせえな。もちろんよ、体の大きさで有利不利はあるよ。でも、リング上がったら関係ねえんだよ。(自分の親指で自身の胸を指し)ここだよ、ここ。要はよ。それを実践すりゃいいんだよ。本能の赴くままに戦えばいいんだよ、おら、おい! ゴチャゴチャうるせえな!」

【デスペラードの話】「(スタッフの肩を借りてコメントスペースに現れると)俺が石井智宏に負けた。それだけだ。ヘビーだ、ジュニアだは関係ねえ。最高じゃねえ? あの男、凄えな。最高だぜ。絶対いつか食ってやるからな。いつか? ああ、若手かよ、バカ野郎! 明日にでもやってやる。クソッ、クソーッ!」