6/23【新日本】猛牛躍動も届かず YOSHI-HASHIが初シングルで天山突破

『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020』会場非公表(6月23日※無観客TVマッチ)
「NEW JAPAN CUP 2020」1回戦 ○YOSHI-HASHIvs天山広吉×

　天山が躍動したものの届かず、YOSHI-HASHIが初シングルで猛牛突破を果たし、NEW JAPAN CUP2回戦進出を決めた。

　昨年のNJC1回戦では第三世代の中西学を撃破し、最終的にベスト8まで勝ち上がったYOSHI-HASHI。今年はさらなる高みを目指し、1回戦で初シングルとなる天山に正面からぶつかった。

　気合いの入ったYOSHI-HASHIは序盤からアグレッシブに攻め込んでいく。場外戦では連続して鉄柵に投げつけると、リングアウト寸前まで逆水平を連打。リングに戻ると、天山の首に照準を合わせ、ジワリジワリと追い込んでいく。天山も自慢の石頭を活かした頭突きやニールキック、モンゴリアンチョップなど得意技で反撃したが、YOSHI-HASHIはヘッドハンターで再び首を狙い撃ち。動きの止まった天山に感情むき出しでエルボーや逆水平などを叩き込み、トラースキックやランニングダブルニーもクリーンヒットした。

　天山は雪崩式ブレーンバスターを狙ったものの決まらず、反対にライガーボムの餌食となって大ピンチを迎えるが、執念の追い上げを見せる。頭突きを叩き込んで形勢逆転に成功。2月に引退した盟友・中西を意識したというスピアーを放つと、珍しくSTFで絞め上げた。

　互いに勝負を懸けた天山のムーンサルトプレス、YOSHI-HASHIのスワントーンボムはどちらも避けられて自爆に終わり、試合はクライマックスに。2人は真っ向勝負を継続。ラリアットで正面衝突すると、YOSHI-HASHIのエルボー、天山のモンゴリアンチョップが交錯する。頭突きをアゴに食らったYOSHI-HASHIだったが、倒れずにカチ上げ式ラリアットを振り抜く。天山がカウント1でキックアウトしても、ダイブ式ヘッドハンターからバタフライロックに捕獲した。

　脅威の粘りで耐え抜いた天山はマウンテンボムから負けじとアナコンダバイスに絡め取る。立ち上がろうとするYOSHI-HASHIをアナコンダバスターでマットに叩きつけ、再びアナコンダバイスに捕らえた。失神寸前まで追い詰められたYOSHI-HASHIだったが、巧みに押さえ込んで脱出すると、即座にバタフライロックに再捕獲。絶叫しながら絞め上げてギブアップを奪い取った。

　奮闘する猛牛を撃破し、YOSHI-HASHIが初シングルで激勝した。天山のことをファン時代から見てきたというYOSHI-HASHIは「90年代とかずっと見てて、その時の怖い天山広吉だったと俺は思うけど。最近、天山、小島聡もそうだけど、タッグで2回対戦してて、それでもう次シングル当たる時は楽勝だろうと思ったけど、ぜんぜん天山の底力というか、思い知らされた」とベテランの奮闘に刺激を受けた様子。2回戦(7・1TVマッチ)の相手はBUSHIとなるが、「俺は1回戦、今日勝って終わりじゃないから。2回戦、3回戦、最後の最後の大阪城、出るからには当然、狙っていくからな」とこの勢いのまま頂点を狙う構えだ。

　一方、敗れた天山は「あっぱれ、YOSHI-HASHIですよ」と初シングルで対戦した後輩の実力を素直に賞賛。さらに、「YOSHI-HASHI強かったです。でも、やっぱり新日本の若手が育っていかないと、強くならないと。俺らも追い越せ追い抜けでやりますよ。また俺が体動く限りは。いやでも、YOSHI-HASHIタフやったな。このまま存分勝ち上がっていいところまで行くんちゃうかな」と自らの奮起を誓いつつ、YOSHI-HASHIにエールを送っていた。

【YOSHI-HASHIの話】「天山広吉はね、ファンの時からずっと見てて、今日の試合始まる前、90年代とかずっと見てて、その時の怖い天山広吉だったと俺は思うけど。最近、天山、小島聡もそうだけど、タッグで2回対戦してて、それでもう次シングル当たる時は楽勝だろうと思ったけど、ぜんぜん天山の底力というか、思い知らされた。でも俺は1回戦、今日勝って終わりじゃないから。2回戦、3回戦、最後の最後の大阪城、出るからには当然、狙っていくからな」

【試合後の天山】
▼天山「あぁ、マジか…。あぁ、マジで…。1回戦初戦。思いっきりぶつかったけど、YOSHI-HASHIよ、強くなったよ。シングル初めてだからね。正直、手の内がゼロに等しい。なにするかわからんかったって思いましたけど、こっちもなにするかわからんて気持ちで行ったから、最後はあんな…なんだろう。俺が決めて、これでこれでって決めようとしてね、アナコンダ。あんな返し方はね、やっぱココ(頭を指差し)がないと、返せないですよ。正直、その辺はあっぱれ、YOSHI-HASHIですよ。俺のことを負かせたこの罪、俺は執念深いからね。NEW JAPAN CUP初戦で、去年も初戦。まったく良いとこなく。試合で負けて、次に進めない。ほんまコロナ明けでがっちりコンディションもベストに整いましたけど、まだまだ。YOSHI-HASHI強かったです。でも、やっぱり新日本の若手が育っていかないと、強くならないと。俺らも追い越せ追い抜けでやりますよ。また俺が体動く限りは。いやでも、YOSHI-HASHIタフやったな。このまま存分勝ち上がっていいところまで行くんちゃうかな、はい。何かありますか?」

ーー今日は中西さんが解説席で応援していたが?

▼天山「試合前に控室来たから、『おぉニシオくん! ニシオくんが来たらOK、あれ出すしかない!』って思いましたよね。最初からそんなん考えてなかったけど、ニシオくんの一発逆転の一発出せたらスピアー。正直でもどこにいるかわからんかったから。どこやどこやと思ったけど、とにかく相手に対してぶちのめさなアカン思ったから。まあね、やっぱり中西という偉大な第3世代の一人が抜けて、そして永田、小島、天山残ったもんが中西のぶんまで面白いとこみせなアカン、勢い見せなアカン。まあ彼の引退がね、一つの刺激じゃないけど俺らもっともっと奮起せなアカンなって思ってますから。今日なんかほんまええシチュエーションでした。ニシオくんがね、背中押してくれとって。まあ素直に俺の完敗でしたよ。また来年のNEW JAPAN CUPにエントリーされたら行きまっせ。はい。期待してください」