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7/11【新日本】棚橋&飯伏が新合体技でタイチKO タッグ戦前日に王者仁王立ち

『NJPW WORLD Special NEW JAPAN CUP 2020 決勝戦』大阪城ホール(2020年7月11日)
○エル・デスペラード&タイチ&ザック・セイバーJr.&金丸義信vs棚橋弘至&飯伏幸太&永田裕志&田口隆祐×

 IWGPタッグ王座戦の最終前哨戦は鈴木軍コンビに軍配が上がったものの、試合後に棚橋&飯伏が新合体技でタイチをKO。挑戦者の前で仁王立ちし、防衛戦に弾みをつけた。

 NEW JAPAN CUPを舞台に因縁を深めてきたIWGPタッグ王者の棚橋&飯伏と鈴木軍のタイチ&ザック。決着戦として明日(12日)にタイトル戦が組まれ、今回が最後の前哨戦となったが、試合中は挑戦者組の勢いが目立った。

 7・3TVマッチではバックステージで大乱闘を繰り広げたが、今大会も大混戦に。ゴング直後の奇襲を切り抜けた棚橋は、飯伏とともに怒とうの連続攻撃をタイチに浴びせて躍動するも、その直後に暗転。コーナーに上がったところをザックに襲撃されると、試合は鈴木軍に傾く。タイチが羽交い締めした棚橋の左右の足にザックは容赦なくドラゴンスクリューを連発。その後も鈴木軍が両ヒザに集中砲火を浴びせると、棚橋は何度も悲鳴を上げた。

 棚橋がタイチにドラゴンスクリューを決めて一矢報いると、逸材をフォローすべく、パートナーの飯伏が奮闘。その場飛びムーンサルトプレスやミドルキックなどでザックを攻め立てる。だが、リング中央で卍固めに捕まると一転してピンチに。棚橋のカットが間に合ったものの、余裕のタイチ&ザックは天翔十字鳳&ザックドライバーの合体技の構え。間一髪回避した飯伏は両足オーバーヘッドキックで難を逃れた。

 終盤、棚橋&飯伏は同時プランチャでタイチたちを場外に足止めして田口に勝負を託す。しかし、デスペラードは強烈なストレートパンチで田口の動きを止めると、一気にピンチェ・ロコで3カウントを奪い取った。

 試合後、タイチとザックはIWGPタッグのベルトを強奪。自分たちが王者だと言わんばかりにベルトを掲げる。怒り心頭の飯伏がリングに飛び込むと、タイチたちはベルト痛打で鎮圧しようとした。だが、棚橋が急行してザックをスリングブレイドで黙らせると、飯伏と合体。ダブルバックドロップの体勢から繰り出す変型合体スリングブレイドでマットに叩きつけ、タイチをKO。挑戦者の前で王者チームが仁王立ちした。

 試合では挑戦者組ばかりが目立っていたが、最後は新合体技を披露してタイチを返り討ちにしたゴールデン☆エース。ここまでの戦いは劣勢続きだったが、最後にキッチリとやり返して、決着戦に弾みをつけた。久々に観客がいる興行となったが、新型コロナ拡散を防ぐため、応援のスタイルは拍手中心だった。しかし、棚橋は「この拍手の響きがとても美しく聞こえました。なんか上品なホールでクラシックのコンサートを聞いているような」とその拍手に感銘を受けた様子。飯伏も「こうやってみんなの前でできたことが、ホントに嬉しいというか。心の底からホントにそう思います」と観客がいる状態でのファイトに興奮を隠せなかった。

 いよいよ明日は待ちに待った初防衛戦。タイチ&ザックは難敵だが、視界は良好。「よし、このエネルギーを明日に活かします」(棚橋)、「棚橋さんとこのベルトを明日、必ず防衛したいと思います。必ず。何回でも言います。必ず防衛します」(飯伏)とタイトル死守を誓っていた。

【棚橋の話】「いよいよ明日、初防衛戦。そして、(手を叩くと)なんだろう? この拍手の響きがとても美しく聞こえました。なんか上品なホールでクラシックのコンサートを聞いているような。(今日は)大きな一歩だと思います。ただ、欲張らないように。僕たちプロレスラーは少しずつ信頼を積み重ねていかないといけないので。(手で高さを示し、それを少しずつ上げながら)ここまで行けた。ここまで行けた。ここまで行けた。元通りになった。それ以上行けた…っていうね。あと、やっぱりこういう会場で、いろんな制限がある中で、制限があるからこそ『何ができるか?』って考えて。それが拍手っていう形であったり。ね? もうみんな手が痛くなるぐらいじゃないかなと思うけど、そういうことを考えて、実行に移せるところがプロレス好きな人の…まあ僕も含めて、一番いいところかな? これを今日、ホントに感じました。よし、このエネルギーを明日に活かします」

【飯伏の話】「(厳しい表情で)まず…まず最初に言いたいのは、タイチとザック、じゃなくて、(笑顔になると)みんなの前でこうやって試合ができるということが(嬉しい)。4ヵ月近く続いて、できなかった期間が。それがこうやってみんなの前でできたことが、ホントに嬉しいというか。心の底からホントにそう思います。それ以前の問題なんでね。タイトルマッチ、できる、できないじゃなくて。僕は、プロレスはホントにライブ感だと思っているので。みんなの前でいかにできるか。まあ、もちろん無観客というのも経験としてホントに大切だった期間だと思うんですけども、やっぱりこうやって、みんながいる前でプロレスができて、本当に大爆発できたんじゃないかなと。ここから、さらにプロレスは上がっていくんじゃないかと。そして、棚橋さんとこのベルトを明日、必ず防衛したいと思います。必ず。何回でも言います。必ず防衛します」

【試合後のタイチ&ザック】
※ザックに支えられながら、タイチがおぼつかない足取りでコメントブースにやってくると、崩れるようにフロアに両ヒザをつく

▼タイチ「オイオイ、試合終わってんだ、コラ。なんだ、オイ? 試合終わってんだ、コラ。潰すんだろ? 潰すんだろ、お前ら? わかったよ。棚橋&飯伏。明日、ぶち殺してやる、コラ。棚橋、ぶち殺してやる。オイ、2人とも、ただのワン・ツー・スリー、ギブアップじゃねえぞ。破壊だ。破壊だ、破壊だ、コラ。あの2人、ぶっ壊してやる。ただの決着じゃ、絶対済ませねえ。ぶっ壊してやる。ぶっ壊してやる、お前ら。俺とザックがよ。ザックが怒った日にゃ(どうなるか)、明日証明される。今日はオレの首一つ、くれてやるよ。明日、思う存分、オレらが最強ってこと、証明される。ぶっ壊してやる。ぶっ壊してやる…」

▼ザック「タナハシとイブシがまだタッグチャンピオンなのは数ヵ月リングに立っていなかったから、それだけだ。もし俺たちが挑戦できていたなら、とっくにベルトは奪っていた。5ヵ月間一度も防衛してなかった。そんなんで正真正銘のチャンピオンと呼べるか? クソだな。あいつらテクニックでは俺たちチームの足元にも及ばない。棚橋のキャッチフレーズは『愛してまーす』だっけ? 明日はそう言えないぞ。もう愛はもらえない。俺たち“デンジャラス・テッカーズ"が始末してやる」

【デスペラードの話】「おお、おお、おお…まあ、しゃべることねえな。しゃべることなんかねえよ。特に俺に今。目標は山ほどある。目的もたくさんある。なんだけど、直近で頑張ってる仲間の邪魔する気はねえんだ。今ここでなんか言ってみろ。例えば、田口とシングルマッチを求めたと。その話はもういらんだろ。見てわかっただろ? (試合に)出るだけで客が喜んじまう。そんなヤツ相手したって、俺の損なだけだ。俺の目標はほかにある。だけど、今、この試合は何が大事だ? ザックとタイチが…明日だぜ、明日。思ってたより(客は)入ってたな、今日な。俺、正直、みんなまだビビッて来ないと思ってたんだ。それも正しい選択だと思う。何が正解で、何が間違いなんてのは、何日もあとにならないとわかんない。だけど、明日の試合…ま、今日もだ。見に来たヤツが正解だったと思う大会になるだろうよ。そのための努力をしてるんだ、俺たちは。いや、新日本のスタッフは。俺たちは特に…」

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