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7/19【NOAH】万感背負って熊野がしばしの別れ 「大きくなって必ず戻る」

『STAY TOGETHER FOREVER! Day2』東京・後楽園ホール(2020年7月19日)
熊野準休業前ラストマッチ ○丸藤正道&岡田欣也vs杉浦貴&熊野準×

 休業する熊野が、万感の思いとともに親しんだリングにしばしの別れを告げた。

 熊野は滑車神経に問題を抱えていた左目の治療専念と個人的事情も重なって休業を決断。当初は4・19後楽園大会を最後に休業予定だったが、新型コロナの影響で延期となっていた。「憧れ」の杉浦と組んで、丸藤&岡田と対決するタッグ戦で、仕切り直しの休業前ラストマッチに臨んだ。

 練習生時代のコーチだった故・青木篤志さんへの思いを込めた青い髪の毛と、青いコスチューム。そして有明合宿所時代をともにした『TMDK』(マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト)のTシャツに身を包んで登場。

 自身としても約5ヶ月ぶりの試合だっただけに、GHCヘビー挑戦が決まったばかりの丸藤から猛攻を浴びたものの、得意のエルボーやバックブリーカーを繰り出して食らいつき続けた。杉浦もコーナーから何度も「クマ!」と声をかけ続け、報いたい熊野もベアボトムやラリアットで丸藤を真っ向から押し返すと、終盤にはアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げて見せ場を作った。

 だが、最後は丸藤の串刺し虎王で動きを止められると、正調の虎王も被弾。そして最後は丸藤の新兵器“真・虎王"をこめかみに食らって完璧な3カウントを聞いた。

 試合が終われば、杉浦、丸藤、岡田が敵味方関係なしに熊野を抱き起こして健闘を称え、場内も万雷の拍手に包まれた。フラフラになりながらも、支え続けてくれたノアファンに頭を下げた熊野は、感極まりつつ、憧れの人・杉浦の肩の借りながら、親しんだリングに“しばしの別れ"を告げた。

 バックステージでは、杉浦から「ホントに彼は一番ノアが厳しい時代の新弟子をたった一人でやってきて。合宿所で後輩が入ってきても、すぐ辞めちゃう…っていうような状況のなか、彼一人だけ本当に辛抱強く頑張って、残って。ホントに一番辛い時期に彼は頑張って、何ひとつ文句を言わず。一番“ノア愛"があるんじゃないか、って俺は思ってるくらい」と声をかけられ、改めて万感胸にこみ上げる表情をみせた。

 丸藤も「戻ってくる時は今日以上の、今まで以上の、なんならベルトを一発で獲るぐらいの、そういう熊野で帰ってこいって。あいつはいつまで経っても仲間だから」と温かみのあるエール。

 熊野も「僕の人生なんで、絶対カンバックして、またこのノアで上を目指します。必ずパワーアップして、隣に立ってる杉浦さんと張り合えるくらい、いやそれ以上になって帰ってきます」と、いつの日かの復帰へ決意と誓いをあらたにした。


【試合後の熊野&杉浦】
――試合を振り返ると?

▼杉浦「今日はクマが頑張ったんでね。思いが俺にも伝わったし、お客さんにも伝わったと思うし」

▼熊野「…やっぱり憧れの杉浦さんと初めて組む機会をいただいて、それこそ相手にはデビュー前からお世話になっている丸藤さん。そのパートナーに後輩の岡田。こんなありがたいカードを組んでいただいて、感謝しかありません」

――そのタイツと髪の毛の色を選んだ理由は?

▼熊野「僕には凄くお世話になった人(故・青木篤志さん)がいたんですけど、その人ともう試合することはできなくなってしまって、その意志を…まぁ自分で勝手にですけど、こうやって継いだつもりで来たんですけど…。こうして休業してしまって、ふがいない思いもあるんですけど……僕の人生なんで、絶対カンバックして、またこのノアで上を目指します」

――試合後にリング上で熊野選手になんと声をかけた?

▼杉浦「『今まで頑張ったな』って。ホントに彼は一番ノアが厳しい時代の新弟子をたった一人でやってきて。合宿所で後輩が入ってきても、すぐ辞めちゃう…っていうような状況のなか、彼一人だけ本当に辛抱強く頑張って、残って。ホントに一番辛い時期に彼は頑張って、何ひとつ文句を言わず。一番“ノア愛"があるんじゃないか、って俺は思ってるくらい。だから『今までありがとう、頑張ったね』ってその一言を伝えましたよ」

――それにどう応えたい?

▼熊野「いや、もう…返せなかったっす。言葉にならなかったっす…。こうやってリングで闘えて…やっぱり楽しかったですし、絶対復帰してやろう!って思いました」

――いつか休業から帰ってくる?

▼熊野「はい! その時は必ずパワーアップして、隣に立ってる杉浦さんと張り合えるくらい、いやそれ以上になって帰ってきます」

▼杉浦「次は闘おうか、待ってるよ。ノアのリングで待ってるから」

――最後にファンへのメッセージを

▼熊野「デビューして7年間、勝てなかった時期もありましたけど、ずっと応援してくれてありがとうございました。次、今以上にパワーアップして帰ってきますんで、その時は何とぞ応援よろしくお願いします」

【試合後の丸藤】
▼丸藤「彼を入門の時から見てたからね。今日相手できて良かったし。今日見てもらうとわかるように、まだまだやれるよ。やれるけどさ、コンディションとか、そういう面というのは自分でしかわからないというところがいっぱいあるんで。それは俺も今まで経験してきてるんで。その代わり、戻ってくる時は今日以上の、今まで以上の、なんならベルトを一発で獲るぐらいの、そういう熊野で帰ってこいって。あいつはいつまで経っても仲間だから」

――丸藤選手の中にも熊野選手に対する期待がまだある?

▼丸藤「期待もあるし、やっぱりかわいいよ。ずっと見てきてるもん。そういう人間が欠場という形じゃなくて、休業という形でしばらくリングから遠ざかるっていうのはやっぱり寂しいし。いいところもあれば、ダメなところもあるけども、やっぱりかわいいよ。かわいいからさ。あいつはいつまで経っても仲間だから、戻ってこいって。戻ってくる時には…そうだな。あいつがいつ戻ってくるのかしらないけど、来週戻ってきたらどうしよう? でもさ、今、ノアっていうのは本当に希望に満ちあふれていると思うんだよ。そういう中で、彼がそういう決断をしたということはさ、相当なことだから。俺たちは待ってるよ」

――丸藤選手本人の話をすると、GHCヘビー級王座挑戦が決まった

▼丸藤「そうっすね。今の俺ならいけるでしょ? そんな気がしてならないよ」

――最後に見せたのは新技?

▼丸藤「そうだよ。あれで昨日は潮崎倒しているしね」

――技名は?

▼丸藤「真・虎王です。まあ、外国人の選手は言いづらいかもしれないけど」

――タイトルマッチに向けて一言

▼丸藤「言ったように、プロレスリング・ノア20周年。このリングで20年生きてきた俺が獲らないで誰が獲るんだって。話はそこからだよ。獲ってから始まるよ、話は」

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