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7/24【金剛/NOAH】覚悟受け止め恩義の大演説…金剛興行第2弾で拳王が覇王と熱闘、感謝の弁に元オーナーも男泣き

『金剛興行 DIAMOND2』東京・後楽園ホール(2020年7月24日)
○拳王vs覇王×

 ノアの反骨集団『金剛』興行で、リーダー・拳王が覇王の覚悟を受け止める同門熱闘を展開。試合後には元オーナー・鈴木裕之さん(リデット・エンターテインメント社長)への感謝の大演説を繰り広げ、恩義を胸にさらなる前進を誓った。

 昨年12月の新木場大会以来、2度目の金剛興行。シングル全5試合で金剛メンバーそれぞれが“反骨の信念"を肉体で語る熱闘をつむいだが、そのメインに組まれたのが「拳王vs覇王」の金剛対決だった。

 拳王に惹かれて金剛入りし「すべてを捨てて」ノアに主戦場を移した覇王が、「覚悟も思いも全部ぶつける」と直訴して実現。言葉通りにドロップキックで奇襲すると、スピーディな丸め込みを連発し、たまらず場外に逃げ延びた拳王にトペ・スイシーダを浴びせた。

 強烈な蹴りやヒザ蹴りで動きを止められ、「テメエの覚悟はそんなもんか?」「小僧、そんなもんか?」となじられても、眼光鋭く食い下がり続けた。中盤には決死の断崖式アストロシザースホイップで逆転。後頭部へのミサイルキックやトラースキックもクリーンヒットさせ、コーナーに逆さ吊りにしてのダイビングダブルニードロップや足極め式ジャーマンで追い詰めると、必殺のファイヤーバードスプラッシュで勝負に出た。

 だが、避けて自爆を誘った拳王は、アンクルホールドの体勢からホイップ式でどてっ腹を蹴り上げる。負けじと覇王も蹴暴からのPFS(ダイビングフットスタンプ)を避けるや、スピーディにかく乱してのジャックナイフ式エビ固めで丸め込んだものの、3カウントは奪えない。逆にこん身の右ハイキックをズバリとぶち込んだ拳王はドラゴンスープレックスホールドへ。みちのくプロレス時代の必殺技をあえてセレクトして3カウントをつかんだ。

 第2弾金剛興行のメインで覇王の覚悟を受け止め、“特別な思い"がこもった一撃でこれに応えた拳王。マイクを握って来場者の「クソヤローども」に感謝した拳王は、「そして! 会社…いや、親会社…いや、元親会社で現スポンサー様の…」と続けてから、やはり会場に吊るされたリデット社のロゴを指差し、「リデットエンターテインメント株式会社の鈴木裕之さん、去年本当にいろいろありましたよね。そして、去年の暮れ、本当に本当にいろいろありましたよね」と客席で試合を見守っていた鈴木元オーナーに語りかけた。

 もともと『金剛』は、リデット社に反旗をひるがえして産み落とされた集団だった。約7ヶ月前の金剛興行・第1弾も「札止めにならなければ、拳王退団・金剛解散」の条件下で行われた。現在ノアはサイバーエージェント傘下の新体制に移行したが、リデット社はスポンサードを継続。拳王も今年2月、“対リデット社"に区切りをつけ、メンバー全員で社旗に一礼して憎しみをすべて“感謝"に変えていた。

 「俺たちは鈴木裕之元オーナーに本当に感謝してるんだぞ。正直、もう本当に潰れかけていたプロレスリング・ノアをこの状態に持ってきてくれたのは鈴木裕之さん、あなたです。金剛のみならずプロレスリング・ノアのファン、そしてここに来ているクソヤローども、そしてここには来れないけど、テレビでも、そしてずっとプロレスリング・ノアのこと思っているクソヤローども、みんなの意見です。どうもありがとうございます」。拳王がそう感謝の言葉を送ると、場内も大きな拍手に包まれた。

 立ち上がって深々と頭を下げた鈴木元オーナーも、思わず男泣き。リデット社はプロレス事業自体は継続しており、拳王は「リデット、新しい興行があるみたいですね。もちろんそのリデット興行に俺も参戦しますから、カード組んどいてください。よろしくお願いします」とも続けた。

 最後は「元をたどれば、金剛はあなたへの批判で生まれたチームです。この金剛という名をあなたがつけたようなもんだ。金剛という名をプロレス界…いや、世界のプロレス界…いや、日本中、世界中、どこでも知られているような名前にするからな。(※札止めにならず)まだまだ俺たちの実力はこんなもんだ。だけどな、あなたへの感謝の気持ちをこめて、そしてリデットエンターテイメントへの感謝の気持ちを心で思いながら、俺たち金剛はさらに突き進んでいくからな!」と改めて決意を新たにした。覚悟の熱闘をつむぎ、恩義を胸に原点回帰。“ダイヤモンドの輝き"を求める金剛の前進はまだまだ続く。


【試合後の金剛】
▼拳王「『金剛興行 DIAMOND2』、また俺たちはな、自分たちの興行なのに…計算してみろ。2勝4敗? 3勝3敗? まあ、その辺はよくわからないけど、負け越しは負け越しだよな。作って何年経ってんだよ? 『DIAMOND2』、金剛はこのままじゃ絶対終わんねえからな。俺たちはな、逆境のなか、這い上がっていくようなチームだろ? 会社の後押しもまったくないまま作ってるんだ。そりゃスタートラインが低いに決まってるだろ。だがな、逆境を跳ね返して頂点に立つ。お前らみんな大好きだろ? それをな、俺たちは実現させていくんだ。リング上でも言ったけどな、金剛はリデットエンターテインメント、元親会社に対しての反発で生まれたようなもんだ。リング上で言ったけど、俺たちはな、元親会社に本当に感謝してるんだぞ。この感謝の気持ちを込めて、この金剛という名を、俺は命懸けでもプロレス界の頂点へと持っていくからな。これを見ているクソ野郎ども! 首を長くして待っといてくれ!」

▼北宮「帰るぞ!」

▼稲村「はい!」

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