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7/25【新日本】33分超…ヒロム退けEVIL無法初防衛 「レンタル期間終了」通告の内藤と再戦へ

『SENGOKU LORD in NAGOYA』愛知県体育館(2020年7月25日)
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合 ○EVILvs高橋ヒロム×

 暗闇の二冠王・EVILが、元同門のヒロムの挑戦を退けてIWGPヘビー&IWGPインターコンチネンタル両王座の初防衛に成功した。試合後には前王者・内藤哲也が「ベルトのレンタル期間は終了だ」と挑戦を要求。EVILも即諾し、立場を逆にしての両雄による再戦が決定的となった。

 ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを裏切って、BULLET CLUBに電撃加入。NEW JAPAN CUPを制したばかりか、内藤を破って二冠王座にも就いた暗闇王の前に立ちふさがったのは、ヒロムだった。

 ロスインゴの元同門であり、現IWGPジュニア王者であり、EVILの前身・渡辺高章とは入門時期も近く、苦楽をともにした仲。

 あらゆる思いがグチャグチャになったような、不気味なまでの静かな気迫をまとって登場したヒロムが、ゴングと同時に感情を爆発させた。いきなりジョン・ウーをぶっ放すと、「EVIL」の名を絶叫しながら攻めかかり、捨て身のトペで突っ込む。

 ところが白いスーツに身を包んだEVILの“新パレハ"ディック東郷がヒロムの足を引っ張って暗躍。EVILも場外戦での“パイプイス・フルスイング"を迷いなく繰り出し、予告どおりにヒロム長期欠場の要因となった“首狙い"を開始。金具むき出しのコーナーも使うなどして手段を選ばずに非情の一点集中攻撃に出た。

 苦境が続いたヒロムも決死ファイトで猛逆襲に出る。トップロープ超えのサンセットフリップ式パワーボムで、東郷の上にEVILを叩きつければ、エプロンサイドでのデスバレーボムも発射。さらにはコーナー最上段から場外へのダイビング・セントーンも敢行し、捨て身続きの覚悟に場内も大拍手でヒロムの背中を押した。

 その後もダイナマイトプランチャや、痛みと思いを刻みつけるような逆水平連発でEVILを押し込んだものの、EVILもコーナーへのブレーンバスターで逆転。投げ捨てジャーマン合戦でも競り勝ち、そのまま投げ捨てジャーマンを非情の連発。ヒロムの首に再びダメージを重ねた。

 それでも沈まぬヒロムは、TIMEBOMB2とEVIL、急所蹴りの読み合いで上回ると、こん身のラリアットを発射。さらにはコーナーへのランニングデスバレーボムを繰り出したものの、暗闇王もレフェリーとの誤爆を誘ってリング上は無法地帯と化した。

 すかさず介入した東郷がラリアットでヒロムをなぎ倒すと、EVILと二人がかりでマジックキラーをさく裂。さらに東郷は得意のダイビングセントーンを投下しにかかった。

 ヒロムもEVILを蹴り飛ばしてロープを揺らし、東郷はバランスを崩して転落。さらには掟(おきて)破りの逆EVILまで見舞って場内を拍手で染めると、再びコーナーへのランニングデスバレーボムを繰り出し、必殺のTIME BOMB発射に成功だ。EVILがギリギリで肩を上げると、TIME BOMB2も完璧に決まって3カウント……かと思われた。

 場外の東郷がレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。“スポイラーズチョーカー"と呼ばれるワイヤーで絞首刑に処す。ヒロムが逃れようとしても、EVILが急所攻撃で阻止だ。東郷のワイヤー絞首刑でついに腰砕けとなったヒロムを引きずり起こしたEVILは、ダークネスフォールズへ。そしてぐったりするヒロムを必殺EVILで叩きつけ、リングに戻ったレフェリーが力なく完璧な3カウントを叩いた。

 観客が声援を送れないコロナ影響下。ブーイングの代わりに“反発の静寂"が場内を包むなか、あろうことか今度は石森太二が現れてブラディークロスでヒロムに追い打ち。逆にIWGPジュニアベルトを見せつけて、ヒロムに挑戦を迫った。

 続けて石森がベルト殴打の公開処刑を狙ったところで、猛ダッシュで花道を駆け込んできた男が一人。前二冠王者の内藤だった。

 すかさずEVILとにらみ合った内藤は、マイクを握ると「最近、正義って言葉を使ってるみたいだけど、正義って言ってみたり、ダークネスって言ってみたり、もしかしてEVIL、迷ってるの?」と揺さぶりをかけたうえで「そんなEVILに2本のベルトは荷が重すぎるだろ? ベルトのレンタル期間は終了だ。その2本のベルト、そろそろ返してもらおうか」と挑戦&再戦を要求。静寂の場内は打って変わって、大拍手に包まれた。

 「笑わせんなよこの野郎。返り討ちにしてやるよ」と暗闇王も即諾。珍しく焦りにも似た怒りのまなざしの内藤に対して、EVILは不敵な笑みでにらみ合いに応じた。かくして立場を逆にしての「EVILvs内藤」二冠戦が決定的に。21年ぶりの神宮球場大会も発表されたが、決戦の舞台やいかに――。


【EVILの話】「(※2本のベルトを下げてコメントスペースに入ってくる。用意されていたテーブルにベルトを置き、イスに座る。東郷と石森が両脇を固め、拍手で勝者を祝福)見たか、今の試合?ヒロムの心も体も、そして夢も、地獄の底に葬ってやったよ。これが現実だ。これがリアルだ。そして内藤、笑わせんな。この俺が正義だ。お前なんか、返り討ちにしてやるよ。分かったか。(※立ち上がると右手でウルフパックサインを作り)TOO SWEET!(※と言って、東郷、石森の3人で腰の位置でサインを合わせ、ベルトをわしづかみにして控室に消えた)」

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