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8/2【2AW】吉田が無差別級王座V1、1年越しで浅川に雪辱 梶が挑戦名乗り

『GRAND SLAM in 後楽園ホール』(2020年8月2日)
2AW無差別級選手権試合 ○吉田綾斗vs浅川紫悠×

 吉田がバックドロップで浅川を撃破し、無差別級王座初防衛に成功するとともに、約1年前に初代王者決定トーナメントで敗れた雪辱を果たした。試合後、梶トマトが次期挑戦者に名乗り。吉田は対戦を受諾し、V2戦での対戦が決定的となった。

 吉田は7・5千葉の2AW1周年興行で大日本・岡林を破り、無差別級王座を奪還。そんな新王者に挑戦を表明したのが同期の浅川だ。吉田にとって浅川は昨年9月の無差別級王者決定トーナメント決勝戦で敗れた因縁の相手だった。

 のっけから意地の張り合いに。サッカーボールキックやエルボー合戦でしのぎを削る。しかし、浅川はコブラクラッチや肩固めなど絞め技を多用して、スタミナを奪い取る作戦を仕掛け、序盤戦を優勢に進めた。

 なかなか流れを掴めなかった吉田だったが、何度迎撃されても止まらず、気持ちのこもったランニングエルボーをぶち込んで決死の反撃へ。足取り式のDDTでマットに突き刺すと、NO WAY OUTで絞め上げた。浅川はパワーボムやエプロンでのデスバレーボムなど大技攻勢で逆転。延髄へのダイビングエルボードロップ、ストレッチプラム、雪崩式ブレーンバスターと猛攻を浴びせた。

 吉田も空中で浅川をキャッチしての裏落としを皮切りに、トラースキック、ロックアウト(腕極め式変型DDT)と惜しげもなく得意技を繰り出して押し返す。2人は感情むき出しでエルボー合戦を展開すると、浅川が投げ捨てジャーマン、リベリオンで攻勢を強めたものの、吉田もバックドロップでぶっこ抜き、ダブルダウンに。

 懸命に立ち上がった吉田は再びNO WAY OUTに捕獲。エスケープを許すとバックドロップの構えに。粘る浅川は必死にこらえると、続くハイキックを右腕を振り抜いて払いのけ、スピンキックをもらっても倒れず、こん身のリベリオンを一撃。変型ノーザンライトスープレックス、左腕ラリアットから、なおもリベリオンにこだわった。だが、吉田はことごとく回避して、強引に裏落としでぶん投げると、浅川が一発逆転を狙ってバーニングハンマーを仕掛けても不時着して切り返し、トラースキックをグサリ。最後は豪快なバックドロップで3カウントをもぎ取った。

 吉田が浅川を下して初防衛に成功。同時に1年越しで浅川にリベンジを果たした。試合後、マイクを持った吉田は、リングを去っていく浅川を呼び止め、「やっとこの腰にベルト巻けたわ。お前を倒してからじゃないと、ちゃんとしたチャンピオンとして認められてないような気がしてよ」とベルト姿を観客の前で披露し、「でもな、今日勝ったんは俺や。ほんでな、今日は勝ったかもしらんけど、この2AWは俺とお前が引っ張っていかなあかんねん。まだ俺たち5年目や。まだまだやり合うぞ」とライバルに呼びかけた。

 浅川がバックステージに下がっていくと、入れ替わるようにリングに上がったのが梶トマトだ。「今さ、聞いてたけど、これからの2AWは吉田、浅川2人で引っ張っていくんだって? 確かにお前たち2人はスゲエよ。でもな、2AWはお前たち2人だけじゃないんだよ。勘違いすんなよ」と苦言を呈した。悠然と構えた吉田は「梶さん、このベルトに対して来てくれたのは嬉しいけど、このベルトに挑戦できるぐらい価値ある実績を最近残してますか?」と皮肉る。

 すると、梶は「吉田君、メッチャ上から来るね。でもな、冗談じゃねえよ。冗談なんかじゃねえんだよ。お客さんだって梶トマトが獲れるなんて1ミリも思ってないんじゃないの? でも、今回はいつもと違うんだよ。俺は今まで周りに流されてベルトに挑戦したり。結構周りに流されてきたけど、でも今回ばかりは自分の意志で、本気でそのベルトを獲りたいと思ったんだよ。本気の梶トマト、梶トマトの覚悟を見せてやるよ」と悲壮な決意をあらわにして挑戦表明。その覚悟を感じ取った吉田は「梶さんのいつも以上に笑ってない目を見たら、本気度が伝わってきたんで、梶さん、どんな手を使ってもいいんで、どんなやり方でもいいんで、自分からこのベルトを獲ってみてくださいよ」と上から目線で挑発する。梶も「どんなやり方でもいいから、このベルトを獲ってやるよ」と宣戦布告した。

 リングに残った吉田は「このベルトはこの団体のトップの証しやから、うちの団体がこうやって出てくるべきだと思っている。ああやって名乗りを上げてくれて、本気度さえ伝われば、俺は誰でもいいと思っているから、次の挑戦者は梶トマトで決定です」と明言した。

 因縁の浅川を下した直後に早くもV2戦が決定的となった吉田だったが、「毎回言ってるけど、今日もいい景色ではない」と現状に満足はしていない。「この景色を変えるのが2AW無差別級チャンピオン吉田綾斗の使命やと思ってますんで。自分はこれからもこの2AWだけはなにがあっても諦めないんで。これからも2AW、自分が大きくして見せますんで、皆さんぜひとも今後も応援よろしくお願いします」と新型コロナ禍の中で来場してくれたファンの前で誓った。

【試合後の吉田】
▼吉田「やっぱり歩いてきた道は違うかもしらんけど、浅川とはライバルやとは思っている。ただ、考え方がこうやってあわん以上、今後もずっとずっと俺とあいつはやり合っていく関係やと思うから。今までで一番の試合をして、チャンピオンとして相応しい試合はできたんじゃないかとは思ってるけど、まだまだ俺は上に行くから。もしあいつがここで止まっているなら、もう終わりや。そして次、梶トマト。認めるよ。本気度は認める。ただな、もたもたしてたら、俺ら下の人間は上のあんたらを置いていくからな。それだけはよう覚えとけ」

――そのベルトを腰に巻いた感覚は?

▼吉田「本当にやっとっていう思いが強いんで。やっぱり肩にかけるのと腰に巻くのとじゃ、またこれも重みが違ってくるなって、自分の中で勝手に想ってるので。今後はこの腰からこのベルトがなくならないように、自分はより高みを目指していきます」

【浅川の話】「俺が8月2日、後楽園…負けた? クソ。力で負けたよ。なにも言えなくなるのがこの世界なのかもしれへんけど、でもよ、あいつが確かマイクで言ってたよ。まだまだ俺は5年しかプロレスやってない。プロレスラーっていうのは長い道のりなんやろ? マラソンのような、長い長い長い道のりや、ゴールを目指すのに。そのゴールの行く果てはまだまだ途切れてないから。これからもそのゴールを見据えて俺はしていくし、もっともっとお客さんもそのゴールに向かってついてくるのがここから2AWの巻き返しやと思うから。クソ。今日は反逆の鉄槌にならへんかったけど、まあ、次があるさ。次は俺がボコボコにしてやる!」

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