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8/5【NOAH】“ノア20周年"に捧ぐ激闘…丸藤下して潮崎V3 まさかの拳王表明でW王座戦へ

『DEPARTURE 2020 Day2』東京・後楽園ホール(2020年8月5日)
GHCヘビー級選手権試合 ○潮崎豪vs丸藤正道×

 ノア旗揚げ20周年記念日に行われたGHCヘビー級選手権試合で、王者・潮崎と挑戦者・丸藤が“ザ・ノア"な30分超の激闘を展開。3度目の防衛に成功した潮崎に、GHCナショナル王座戴冠を果たしたばかりの拳王がまさかの“ダブル王座戦"を申し込み、8・10横浜文体大会でのGHCヘビー&ナショナルW王座戦「潮崎vs拳王」が電撃決定した。

 2000年8月5日。ディファ有明で方舟が帆を上げてから、この日でちょうど20年が経った。その記念日興行のメインを飾ったのは、「I am NOAH」を叫ぶ潮崎と、「I am REAL NOAH」を名乗る丸藤によるGHCヘビー級選手権試合だった。

 序盤から丸藤が攻めに攻めた。前夜の前哨戦、パーフェクト・キーロックで痛めつけた潮崎の左肩に狙いをつけた。フライングショルダーをピンポイントで空中撃墜する虎王で左肩を襲った丸藤は、そのまま肩極め式のフェイスロックなどでいじめ抜く。さらには若手時代に多用していたムーンサルトアタック、エプロンサイドでのパイルドライバー、そしてフロム・コーナー・トゥ・コーナー…と、予告通りにノア一筋の20年間で培った“引き出し"を次々と開けていった。

 苦境が続いた潮崎もゴーフラッシャーで流れを変えにかかったものの、丸藤は止まらない。トラースキックコンビネーションや前方回転式不知火などで潮崎の動きを再び止め、正調不知火もさく裂。焦った潮崎の動きを利用して、雪崩式不知火も完璧に決まった。そして、前夜にギブアップを奪ったパーフェクトキーロックで捕獲。リング中央で絞めに絞め上げた。

 潮崎も観客の手拍子を力に換えてロープをつかむ。決定機を逃した丸藤は天を仰いだものの、ならばとトラースキックと虎王を交互に乱射だ。股抜き式のトラースキックまで繰り出すや、コブラクラッチ式延髄虎王、そして7・18後楽園で潮崎を沈めた真・虎王もぶち込んだ。

 勝負あったかと思われたが、潮崎はギリギリで肩を上げる。“声援禁止"の場内も、あらゆる感情の詰まった大きな手拍子がこだました。

 決定機を逃したくない丸藤は再び真・虎王を狙ったものの、今度は寸前で体を担ぎ上げた潮崎は起死回生のエメラルドフロウジョンで大逆転。そのまま両者は互いの左腕を握り合う“セルフ・チェーンデスマッチ式"の逆水平合戦を繰り広げ、痛々しい破裂音を響かせながら互いの身体を削りあった。

 そして競り勝ったのは潮崎。故・三沢光晴さんばりのワンツー→ローリングエルボーで丸藤をグラつかせ、この日2発目のエメラルドフロウジョンへ。そして、こん身の豪腕ラリアットを振り抜く。丸藤も懸命に肩を上げて意地を見せたが、最後は師・小橋建太さんばりの握り拳からのムーンサルトプレスで熱戦に終止符を打った。

 極限まで削り合い、すべてを受けきったうえでの3カウント。ノアで育った互いのすべてを注ぎ込む“ザ・ノア"ともいうべき30分超の激闘が、旗揚げ20周年記念日に捧げられた。試合後には丸藤が潮崎に“託す"ようにベルトを渡し、場内も大きな拍手に包まれた。

 一方で、潮崎V3の余韻に浸る間もなく“まさかの男"が現れる。前夜、GHCナショナル王座戴冠を果たしたばかりの拳王だ。

 “赤ベルト"を肩にかけながら潮崎の前に立った拳王は「潮崎、GHCヘビー級防衛おめでとう。だがな、プロレスリング・ノアに一番強いヤツは2人もいらねえからな。俺のベルト、そしてお前のベルトを懸けて、正真正銘、一番強いヤツを決めようじゃねえか?」とやはり“ダブル王座戦"を提案。潮崎も「よし、やってやるよ! 横浜文体で」と8・10横浜文体大会を舞台に指定し、GHCヘビー&ナショナルW王座戦「潮崎vs拳王」が即日電撃決定した。

 最後は「あんまりダブルタイトルマッチというのは好きじゃないけど、一番強いヤツを決めます。横浜文体、皆さんついてきてください。俺がそこで証明してみせます。I am NOAH! We are NOAH!」と締めくくった潮崎。二人の“REAL NOAH"による20周年記念激闘を経て、真夏の方舟マットは“黒vs赤"の大一番へと舵を切る。


【試合後の潮崎】
――2人の全てを出した、全てを懸けた試合に見えたが?

▼潮崎「それがGHCでしょ? あれが丸藤正道、そして“I am NOAH"潮崎豪の戦いですよ」

――本当に苦しい戦いだったと思う。丸藤選手もたくさんの引き出しを開いてきたが、戦ってどうだった?

▼潮崎「いや、その引き出しを全て受けて、それでなお立っているのがGHCチャンピオン。そのことだけを考えながらやってたんで。俺も勝てて安心してますよ。丸藤正道の挑戦表明した時の『I am REAL NOAH』。あの言葉は俺に本当に響いたから。丸藤正道がノアを見ている。ノアを戦う場所としてくれている。それで、俺はあの言葉でこのタイトルマッチを決めたんで。やることができてよかったと思ってます」

――肩への攻撃も厳しかったが、攻められれば攻められるほど気迫が乗ってきたように見えた

▼潮崎「彼の技術、彼の技、それを上回るものは俺にはできない。できないかもしれないけど、気迫だけは折れないように、折らさせないように、リング上に立ってましたよ。それが勝利に繋がったと思ってます」

――エメラルドフロウジョンもムーンサルトプレスも出した

▼潮崎「とっておきを出し切らないと彼には勝てない。それがノア、それが“I am REAL NOAH"丸藤正道でしょ?」

――その勝負のあとに拳王選手がやってきたが?

▼潮崎「彼のナショナルの赤いベルトを巻いて出てきた覚悟…ただこのGHCに挑戦するというだけじゃない彼の覚悟。ノアに強いヤツは2人もいらない、その覚悟をしっかりと受け止めましたよ。“I am NOAH"潮崎豪は真っ向からこのタイトルマッチを受けます」

――最後に20周年の節目の時となったが、ファンの皆さん、HOMIESの皆さんに一言

▼潮崎「会場に来てくれたみんな。そして、会場には来れなかったけど、見てくれた、感じてくれたHOMIESのみんな。ただ本当に感謝だよね。こんな辛い時期に、またどうなるかわからないこの状況。でも、俺はこのGHCベルトを巻いて、前だけを見て突き進んでいくんで。それがノアの、I am NOAH、GHCヘビー級チャンピオン、潮崎豪、その生き方。俺はこの生き方を突き通していきます。そして、また必ず会場でこのベルトを巻いた姿を見せれるように。して、みんなで『We are NOAH!』と叫びましょう。I am NOAH!」

【拳王の話】
――拳王選手、すぐに動いたが?

▼拳王「俺がチャンピオンになったんだぞ? 今までに見たことのないものを俺は見せてやるんだよ。だからな、チャンピオンになったんだ。即行動だよ。そしてな! 勝つのはどっちだ? 俺に決まってんだろ。プロレスリング・ノアで一番強いのは誰だ? この俺、拳王だ!」

――GHCヘビー級の戦いを見て出ていくことを決めた? それとも、チャンピオンになった時から心は決まっていた?

▼拳王「両方に決まってんだろ。俺はな、チャンピオンになってない時でも強さには自信があるんだ。気持ちには自信があるんだ。ハートはプロレスリング一強えんだよ。俺がな、強い信念を持ってこのプロレスリング・ノアのリングをダイヤモンドのように輝かせてやるからな」

――横浜文体まであっと言う間だが?

▼拳王「もう1週間切ってるだろ? いいか、潮崎はわかんねえぞ。俺はな、もう気持ちの準備はできてんだ! いいか、テメーらクソ野郎ども。横浜文体、今までに見たことのないようなものを見せてやるからな。いいか、横浜文体のあとにはGHCヘビー、GHCナショナルの二冠王になるこの俺、拳王。俺に…ついてこい」

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