8/8【新日本】6人タッグ王座決定戦はCHAOS対決に YOSHI-HASHIが悲願のタイトル初戴冠へ「夢を見せたい」

『SUMMER STRUGGLE 2020』東京・後楽園ホール(2020年8月8日)
「第21代NEVER無差別級6人タッグ王座決定トーナメント」準決勝 ○YOSHI-HASHI&後藤洋央紀&石井智宏vs棚橋弘至&飯伏幸太&マスター・ワト×

　NEVER6人タッグ王座決定トーナメント決勝戦はCHAOS対決に決定。悲願のタイトル初戴冠へあと1勝と迫ったYOSHI-HASHIは「俺は明日、あなたがたに夢を見せたいと思っております」と観客に約束した。

　デビュー13年目ながらいまだにベルトに縁がないYOSHI-HASHI。そんな苦労人にまたとないチャンスがやってきた。後藤&石井とのCHAOSトリオでNEVER6人タッグ王座決定トーナメントにエントリーしたのだ。後藤&石井の後押しを受けて、燃えに燃えているYOSHI-HASHIは、1回戦で自ら本間を撃破して激勝。準決勝へと駒を進めてきた。今宵の対戦相手は棚橋&飯伏&ワトの正規軍トリオ。棚橋はスランプが続いていたものの、1回戦でIWGPタッグ王者のタイチを下して復活をアピールしたばかり。CHAOS軍としては一筋縄ではいかない相手だった。

　自信を取り戻した棚橋が先発を買って出ると、後藤と真っ向勝負を展開。飯伏との連係も完璧に機能し、ダブルドロップキックやダブルヒップトスなどでCHAOS軍をナデ斬りにすると、ノリノリでエアギターをかき鳴らした。一進一退の攻防になっても、今日の棚橋に気後れはない。後藤にはツイスト&シャウト連発。飯伏がハイキックで援護射撃すると、すかさず回転十字固めで丸め込み、ニアフォールに追い詰めた。飯伏との合体技・ゴールデン☆ブレイド(合体スリングブレイド)もさく裂。ハイフライフローは避けられて自爆に終わったものの、完全にスランプからは抜け出したようだ。

　しかし、CHAOSトリオも気持ちで負けない。石井がハイスピードの先読み合戦で飯伏と渡り合い、感情むき出しで打撃戦を繰り広げれば、後藤も村正、バックドロップの連続攻撃やリバースGTRで棚橋を追い込んでみせた。

　そんな2人のバックアップを受けたYOSHI-HASHIは奮戦。ワトに照準を絞り、石井と代わる代わるに大技を浴びせると、ランニング式ライガーボムやカチ上げ式ラリアットで3カウントを迫った。セコンドについた天山のゲキを受けて、ワトも粘りを発揮し、飯伏とのダブルハイキックやスクリューハイキック、新技の急角度変型回転十字固めであと一歩のところまで巻き返す。しかし、沈まないYOSHI-HASHIは後藤とのトラースキック&牛殺しで逆転。石井がスライディングラリアットを放てば、ダブルニーアタックで続き、最後は必殺のカルマでワトを仕留めた。

　YOSHI-HASHIが1回戦に続き、自ら勝利を挙げて準決勝突破。この結果、明日(9日)の決勝戦はオカダ&矢野&SHOとのCHAOS対決に決定した。試合後、エキサイトした石井とゴールデン☆エースが乱闘寸前となるが、YOSHI-HASHIも静かに闘志を燃やし、逸材の前に立ち塞がって下がらせる。そして、最後にマイクを持つと、悲願の初タイトルに向けて思いを吐露した。

　「明日、あと1つ。このあと1個というのがどれだけほど遠かったか、俺は身を持ってわかってるから。今こんな不安な世の中、俺もね、ずっと新日本でやってきて、ずっとずっと不安なこともあったし、今は特に凄い不安だよ」とこれまでの苦しい日々を思い出した様子のYOSHI-HASHI。それでも、「俺は明日、あなたがたに夢を見せたいと思っております」と前向きに決意をあらわにし、「明日の試合後、俺はこの言葉を叫びたいと思います。物事が変わるのは一瞬だ!」と堂々と後楽園大会を締めくくった。

　「明日はCHAOS対決だけど、カズも矢野さんもSHOも、絶対手を抜かないで来ると思うから、明日あと一発、明日こそは必ず勝ちを収めて、後藤さんと石井さんと3人でベルトを巻きたいと思います」とバックステージでも決意を告白したYOSHI-HASHI。これまで何度もタイトルに挑んでは弾き返されてきたが、同門対決を制し、今度こそ大願成就を狙う。

【YOSHI-HASHIの話】「リング上で言った通り、明日はCHAOS対決だけど、カズも矢野さんもSHOも、絶対手を抜かないで来ると思うから、明日あと一発、明日こそは必ず勝ちを収めて、後藤さんと石井さんと3人でベルトを巻きたいと思います」

※後藤、石井はノーコメント


【試合後の棚橋&飯伏】
▼棚橋「昨日の今日で、すぐ結果が欲しかったけど、大丈夫。昨日という日は、しっかり俺の胸に刻んだから」

▼飯伏「棚橋さん、それは僕もですよ。当たり前じゃないですか。僕は神になると誓ったんで。まだまだ足りないところはたくさんあるけど、でも、どんどん吸収しますよ。(棚橋と肩を組むと)もう、吸収しきってますけどね(ニヤリ)」

▼棚橋「大丈夫。棚橋は奥が深いから」

▼飯伏「その奥の深さ、このシリーズ…いや、今年中に、確実に決めますから。覚えますから。で、まだまだ僕らにはタッグ(王座)が残ってるんで」

▼棚橋「おぅ、気持ち切り替えてな! 『カミゴェ』が生まれ、神になった。『カミナリ』。あと1個考えるか。(やり投げのポーズをして)飯伏が俺を投げる。『カミナゲ』!」

▼飯伏「(手を叩くと)よし、『カミナゲ』! 1個できましたね!」

【天山の話】「(ダメージが深いワトに代わってコメント)ワト、よくやったよ。今日のとこは褒めてやるよ。あんだけの選手の中でね、あれだけできればいいんじゃないかなって。負けはしましたけど、これはいい経験やと思ってるし、これからまだまだ伸びしろあるしね。今日なんか最高やったっすよ。あれでね、最後返して、もう一回、もうひとひねり、最後追い込めばよかったですけど。NEVER6人タッグは終わったかもしれんけど、このままアイツもチャンスを何か掴んで、やらせたいと思ってますよ」