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8/10【NOAH】潮崎-拳王、真夏の死闘60分 “ノアラスト文体"W王座戦はフルタイムドロー

『PRO WRESTLING NOAH 20th ANNIVERSARY NOAH the CHRONICLE vol.3』神奈川・横浜文化体育館(2020年8月10日)
GHCヘビー&GHCナショナルダブル選手権試合 △潮崎豪vs拳王△

 ノア“ラスト文体"のメインを飾ったGHCヘビー&GHCナショナル・ダブル王座戦は、死闘の果てにフルタイムドロー。規定により、潮崎がGHCヘビー級王座4度目、拳王がGHCナショナル王座初の防衛に成功した。

 わずか5日前の8・5後楽園大会で、拳王が提案して電撃決定したW王座戦。最高気温35度の猛暑のなかでゴングが打ち鳴らされた“黒vs赤"の一戦は、序盤からがっぷり四つの消耗戦となった。

 拳王が脇腹攻め、潮崎が右足攻めで互いを削りあった。ひとたび打撃戦に発展すれば、潮崎は猛烈な逆水平、拳王はミドルキックを計40発以上に渡って打ち合う。

 中盤には互いに捨て身の攻防。潮崎が決死のトップロープ越えトペを繰り出せば、拳王は断崖式ブレーンバスターを敢行。試合時間が30分を超えても、意地の張り合いはいつ果てることなく続き、幾度となく逆水平とミドルキックが交錯すると、ジャーマン合戦も痛み分けとなった。

 その後は大技での壮絶な“たたみ掛け合い"に。先に仕掛けた拳王が蹴暴、掌打連射、バズソーキックをぶちこんでPFS(ダイビングフットスタンプ)投下にも成功したものの、潮崎は肩を上げる。逆に2発目のPFSを豪腕ラリアットで空中撃墜すると、左腕ラリアット、ゴーフラッシャーと畳みかけ、こん身の豪腕ラリアットをフルスイングで叩き込んだ。

 拳王も譲らない。逆にムーンサルトを狙った潮崎を背後からおそうと、雪崩式ドラゴンスープレックスの構え。潮崎が踏ん張ったところで場外に転落させ、コーナー最上段から場外めがけてのPFSを敢行だ。息を呑む場内。構わず拳王は高速のドラゴンスープレックスを“ロコモーション式"で連発し、なおも立ち上がる潮崎に左右のハイキックを叩き込んだ。

 ところが潮崎も、続くトドメの右ハイキックをガード。逆にワンツー、ローリング、ランニングエルボー…と三沢光晴さんばりのエルボーコンボで前に出る。さらにはリミットブレイクをはさんで、師匠・小橋建太さんばりの“握り拳式"ムーンサルトプレスを放つ。避けられても豪腕ラリアットを叩き込んだが、拳王も負けじと右ハイキックを蹴り抜き、ダブルダウンとなった。

 残り時間は2分。必死に立ち上がった拳王が再びPFSで急降下したものの、3カウントは入らない。ミドルキックやビンタ、逆水平やローリング袈裟斬りチョップ、そして掌打と豪腕ラリアットが乱れ飛ぶ乱打戦となっても互いに立ち上がり続ける。残り30秒がコールされると、体を引きずるようにしてコーナーに上がった潮崎が、今度こそのムーンサルトプレス投下に成功したものの、這うようにして拳王を押さえ込んだところで、無情にも60分時間切れ引き分けのゴングが打ち鳴らされた。

 真夏の死闘60分。賛否両論が渦巻いたW王座戦は、猛暑のなかで究極まで互いを削り合った末の両者防衛。ノアが激闘をつむいできた横浜文体に、二人の王者が最後の激闘を捧げた形にもなった。

 金剛勢に支えられて拳王が無言で花道を下がるなか、ひとり残ってマイクを握った潮崎は「これがGHCだ! これがノアの戦いだ!」と最後の力を振り絞るように絶叫。コロナ渦の猛暑日でも横浜文体に駆けつけた方舟ファンとともに「こんな暑いなか、今日こそみんなで一緒に叫びたい! けど、心のなかで叫んでください。いくぞ! We are NOAH!」と“心の合唱"とともに締めくくった。

 ともあれ、夏の20周年ビッグマッチを終え、ノアマットは秋の『N-1 VICTORY』を見据えた闘いへと移行。「さらに進化して、絶対に歩みは…コロナ禍のなかで止めてこなかったこの歩みは絶対に止めさせてねえ。加速させていく!」と“ミスター・ノア"はさらなる高みを見据えた。


【試合後の潮崎】
――最終的に時間切れ引き分けという形になったが、改めて試合を振り返ると?

▼潮崎「なんだろうね? このGHCヘビー、GHCナショナル、それぞれお互いプレッシャーがあったのかな。重く考えるものがあったかもしれない。でも、それだけGHCを軽く見てない俺たちの戦いだよ。胸張って言えるよ。これがノアだ。これがGHCだ。(GHC)ヘビー、そしてナショナルの2冠を手にしたいというあいつの欲望。最初はね、俺もその欲望、そういうものはそこまでなかったけど、あいつと"どちらが強い"、そういう戦いをしたかった。そういう気持ちは最初あったよ。でも、だんだんだんだんあのベルトが欲しくなってきたよ。でも…ただ胸張って言えるのは、これがGHCだ。これがノアだ。以上だよ。(右腕を押さえて表情を歪ませると)ボロボロだよ。あいつもボロボロだよ。俺もボロボロだよ。後ろで小橋さん…小橋建太が見てたからね。そして、会場にいるよりもさらに多くのファンの人たち、HOMIESのみんな、いつも以上のみんなの目があったよ。簡単に負けられるかよ。まだまだこれから先、ノアの戦いも続くよ。さらに進化して、絶対に歩みは…コロナ禍のなかで止めてこなかったこの歩みは絶対に止めさせてねえ。加速させていく! 以上!」

※拳王はノーコメント

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