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8/12【DRAGON GATE】吉野が金網6WAY戦の最終入場者に 即引退へ黄信号もナンバーチェンジ戦での逆襲誓う

『THE GATE OF ADVENTURE 2020』東京・後楽園ホール(2020年8月12日)
ROAD to DANGEROUS GATE-スペシャル6WAYマッチ- ○YAMATOvsEita vs B×BハルクvsKAIvs吉野正人vsビッグR清水×

 9・21大田区で行われる金網6WAY戦の入場順が決定。最も不利な最終入場者となり、即引退へ黄色信号が灯った吉野だったが、9・9後楽園大会で入場順のナンバーチェンジ戦が行われることが決まると、悲壮な決意を胸に逆襲を誓った。

 9・21大田区大会での金網6WAY戦に出場する吉野。参加するメンバーはR・E・DからEita&ハルク&清水、DRAGON GATE世代からYAMATO&KAIと、どちらも複数なのに対し、闘龍門世代からは吉野のみと圧倒的不利な状況にある。しかも、出場選手はそれぞれ固有の“リスク"を背負うことになったが、吉野には「試合後に髪切り(丸坊主)が執行されたうえで土井成樹と引退試合を行い、そのまま引退となる」という最も過酷なものを課せられた。

 時間差入場で、金網の上部に設置された旗を取った者が勝ち抜けとなる試合形式だけに、入場順が早いほうが圧倒的有利になる。吉野はせめて入場順だけでも有利な立場に立とうと、今大会で行われた入場順を決定する6WAY戦に臨んだ。今回の試合は、勝ち抜けた者(オーバー・ザ・トップロープあり)がニュートラルコーナーにある6つのターンバックルに隠された番号を1つ開封し、それによって入場順が決定するというゲーム性に富んだ変則ルールとなった。

 のっけからユニット内の裏切りや思わぬ共闘など6WAY戦らしい見せ場が続いたが、やはり数的不利な吉野が攻め込まれる場面が続いた。そんな中、最初に勝ち抜けたハルクが「4番」を、同門・YAMATOを裏切って丸め込んだKAIが「2番」を引いた。

 すると、ここまで防戦一方だった吉野が闘龍門世代の仲間たちから声援を受けて奮起。Eitaと真っ向からやり合うと、YAMATOの共闘に応じ、連続串刺し攻撃を見舞う。そして、その直後に清水をトルベジーノ十字固めでクルリ。逆転の3カウントを手にした。吉野は迷いに迷ったあげく、1つのターンバックルから紙を取り出す。しかし、そこには「6番」の文字が。最悪の結果となった吉野をEita、清水、YAMATOがせせら笑った。

 続いて、コーナーに上がった清水を場外に突き飛ばして裏切り、まんまと勝ち抜けたEitaが「3番」を手にすると、試合はYAMATOと清水の一騎打ち状態に。清水は餅つきパワーボムで押し切りにかかったものの、背後に回り込んだYAMATOが起死回生のスリーパーで絞め落として勝利した。YAMATOは自らターンバックルを開封するが、そこから現れたのは「5番」の文字。3連敗を喫して大の字になった清水が棚からぼた餅で「1番」をゲットし、最も有利な第1入場者となった。

 納得のいかないYAMATOは八木隆行本部長に「おかしいだろ? 勝った俺が5番で、負けたあいつがなんで1番なんだよ。おかしいだろ? 八木、もう1回だ。もう1回やらせろ!」と猛抗議。即引退が懸かっている吉野も「お前、たまにはええこと言うやないか?」とYAMATOに同調し、「俺は負けたら坊主にされたうえに、その日で引退や。引退試合も土井ちゃんとシングルがあるだけや。どんな形でもいいから、俺もなりふり構ってられへん。八木さん、もう1回やらせてくれ」と懇願した。

 見かねた八木本部長は「そういう不満も出るんじゃないかと思って、ひとつ俺に考えがあるよ。お前らに別の形でチャンスをやろうじゃねえか」と助け船を出す。9・9後楽園大会で「ナンバーチェンジ6人タッグマッチ」を行うと発表したのだ。

 6人タッグ戦でギブアップかフォールを奪った者が一度だけ入場順をチェンジできるという特殊ルールで、自分と誰かを交換するだけでなく、他人同士の交換も許される。対戦カードは入場順の奇数、偶数に分かれて、「清水&Eita&YAMATOvsKAI&ハルク&吉野」に決定した。

 普段は敵対している同士が組むだけに、不穏な空気が漂うが、即引退に黄色信号が点灯した吉野にとってはイヤな展開を変える最後の好機となる。最後にリングに残った吉野は「ヘタすりゃ来月で後楽園最後よ? 1ヵ月後は引退してるよ、もう…。もしかしたら、(アンソニー・W・)森ちゃんの横に並んで受付立ってるかもしれん」とネガティブな言葉ばかり口にしたが、闘龍門世代のメンバーに激励されると「もうやるしかないよ」と気を取り直し、「今日は最後の6番という数字を引いてしまいましたけども、来月もう1回、泣きのもう1回、ナンバーチェンジマッチがあるから。そこでなんとか勝って、金網に繋げたいと思うんで、皆さん来月の後楽園もよろしくお願いします」と観客の前で誓った。

 年内引退を発表しているとはいえ、こんな形でレスラー人生を締めくくるわけにいかない吉野は「来月の後楽園でナンバーチェンジマッチが決まったから。もうそこにすがるしかない。理由はどうあれ、なにがどうあれ、フォールかギブアップを奪うしかない。それしかないもん。自分で勝たないと、誰も助けてくれへんやろ?」と悲壮な決意を告白。どんな形であれ、金網マッチで勝ち抜く覚悟を覗かせた。

【吉野の話】「なんでしょうね、もうこれ。なんとも言えんすわ。3番手で勝ったからね。(ターンバックルが)4つあったから、せめてもう少しいい番号を引きたかったけど、まさかあそこで6番を引くなんてね。いやあ、ある意味、持ってるとしか言われへんけど。最後ね、YAMATOもあんだけもう1回、もう1回言った甲斐もあって、泣きの1回、来月の後楽園でナンバーチェンジマッチが決まったから。もうそこにすがるしかない。理由はどうあれ、なにがどうあれ、フォールかギブアップを奪うしかない。それしかないもん。自分で勝たないと、誰も助けてくれへんやろ? 今日の戦いを見てても、シングルの6WAYやのに、やられたのは8割俺やったから。それを思うと、金網の展開もこのまま6番持ってたんじゃどうなるかわからんから。来月の後楽園ではなんとしてもナンバーチェンジマッチに勝って、来月の後楽園が吉野正人のプロレス人生最後の後楽園にならないように。そして、金網も引退を免れるように、なんとしてもやりますから見といてください」

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