8/27【新日本】ザックに処刑式ドラスク返礼 復調・棚橋前哨戦連勝で神宮タッグ戦へ

『SUMMER STRUGGLE 2020』東京・後楽園ホール(2020年8月27日)
○棚橋弘至&飯伏幸太&マスター・ワトvsタイチ&ザック・セイバーJr.&金丸義信×

　王者組のお株を奪う処刑式ドラゴンスクリューを敢行した棚橋&飯伏が前哨戦に連勝。上昇気流に乗って神宮でのIWGPタッグ挑戦を迎えることになった。

　タイチ&ザックに棚橋&飯伏が挑戦するIWGPタッグ戦が2日後に迫った。が、タイチはゴールデン☆エースの挑戦を未だ認めず、最後の前哨戦となるこの日、いずれかを破壊し、タイトルマッチを行えない状況に追い込むことを予告していた。

　先入場の棚橋&飯伏&ワトを自分たちのテーマ曲が流れる前にやってきた鈴木軍が襲撃。タイチは棚橋と飯伏を次々にタッグベルトに叩きつけた。さらに金丸がドロップキックでワトの顔面を射抜き、タイチは棚橋の首を絞め、飯伏をフェンスに投げつけるなど鈴木軍が優位に立った。

　なおもワトの劣勢は続いたが、金丸にドロップキックで反撃して突破口を開くと、ゴールデン☆エースの逆襲が始まった。飯伏がミドルキック、その場飛びシューティングスタープレスでタイチを攻め立て、フロントハイキックの応酬もソバットで競り勝つ。タイチが狙った串刺しジャンピングハイキックも回避してフランケンシュタイナーで吹き飛ばした。

　呼応するように棚橋も躍動。フライングフォーアームでタイチに突っ込み、ジャンピングエルボードロップ、サマーソルトドロップを連続投下した。ザックの卍固めに捕まって棚橋が劣勢になると、タイチは「オイ、やっちまうぞ!」と宣言。ザックとの合体ドラゴンスクリューの構えに入ったが、飯伏が飛び込んで食い止めた。「いくぞ棚橋さん!」と呼びかけると、お株を奪う合体ドラゴンスクリューをザックの右足に敢行。掟破りの攻撃でザックを戦線離脱に追い込んだ。

　ならばとタイチが金丸と顔面蹴りと低空ドロップキックのサンドイッチ攻撃を棚橋にさく裂。金丸がディープインパクトで突き刺したが、飯伏がスワンダイブ式ミサイルキックでタイチを蹴散らす好フォローで棚橋をお膳立て。金丸がウイスキーの瓶を持ち出しても、ワトが奪い取ってスワンダイブ式エルボースマッシュを放つと、変型バスターをさく裂。すかさず飯伏がカミゴェ、棚橋がハイフライフローのフルコースで金丸から3カウントを奪った。

　ゴールデン☆エースが前哨戦に連勝。しかもザックの右足を痛めつける会心の勝利で追い風を吹かせ、IWGPタッグ挑戦を迎える。不調から脱し、完全復活を遂げた棚橋は「飯伏くんがきっかけを与えてくれたから、なんとかそこはね、一番底の状態を抜け出すことができて」と頼れるパートナーに感謝。コロナ禍にあって「今、俺みたいな人はいろんなところにいるんじゃないかなって。プロレス見てさ、楽しくなってさ。タッグチャンピオンしかできない仕事っていっぱいあると思う」と考えている逸材は以前の自分のように苦境にあえぐ人たちに力を与えるためにも、「俺は今、喉から手が出るほどタッグチャンピオンのベルトが欲しいです!」と言い切り、飯伏も「俺らはあさってから始まるから。これ有言実行させますから!」と呼応した。IWGPタッグ奪還へ向けてゴールデン☆エースに死角はない。

【試合後の棚橋&飯伏】
▼棚橋「おしっ、前哨戦最後ね、大事なラストの試合は勝ったか」

▼飯伏「勝ちましたね」

▼棚橋「俺ね、スゲー張り切ってんだよね。あのー、何だろう。心の底からチャンピオンになりたい、ベルト欲しいっていっつも思ってるけど、何だろう? 今回は飯伏くんと勝ちたい!っていう声がすげぇ強くて。何でかって言うと、太ってさ、ケガもあって、なかなか気持ち的には明るく振る舞ったけど、なんかこう、なかなかトンネルを抜け出せなくて。それを飯伏くんがきっかけを与えてくれたから、なんとかそこはね、一番底の状態を抜け出すことができて。それは、でも今、俺みたいな人はいろんなところにいるんじゃないかなって。プロレス見てさ、楽しくなってさ。タッグチャンピオンしかできない仕事っていっぱいあると思うし。俺は今、喉から手が出るほどタッグチャンピオンのベルトが欲しいです!」

▼飯伏「棚さん、やりましたよ。本当に頑張って、有言実行! ちゃんと身体を絞ってやりましたよ」

▼棚橋「ありがとう」

▼飯伏「でも! まだ、終わってないから。まだ始まってもないですから! これはあさってから始まりですから」

▼棚橋「はい」

▼飯伏「俺らはあさってから始まるから。これ有言実行させますから! はい、やりましょう!」

▼棚橋「よし! お願いします!」

▼飯伏「本気出しますよ! あと2日しかないから」

▼棚橋「おし!」

▼飯伏「やってやるよ」

▼棚橋「(帰り際に)いつの間にか、いつの間にか、立場が逆転してる……」


【ワトの話】「金丸! ついにあさってだよな! 勝つのは今日と同じ俺だ!」

【天山の話】「神宮まで待ったなしや! うん。あの角瓶のオッサン、覚悟しとけって。マスター・ワトがおまえを完全に潰したるからって。これは俺が見ても、誰がどう見てもワトが勝つに決まってんやね。がっつり行かせよう。ここで一気にあいつを踏み台にしてトップに、ジュニアの、新日本の頂点目指していかな。そこまで上り詰めるワンステップに過ぎないからね。うん、がっちり行かせますよ、OK」

【試合後のタイチ&ザック】
▼タイチ「オイ、ふざけんなよ! オイ、やってやるよ! やってやるよ! ザックがこんなに痛がってるの俺も見たことねえ。わかった、やってやるよ! やってやるよ! ザックのこの痛がりに免じて、明日、あさって…タイトルマッチ、いいじゃない。受けてやるよ。おまえらなんて何の力もないやつ。新日本プロレス、てめえらの商品価値だけで挑戦者決めやがってよ! 俺らにはこんな試練与えて。やっと、やっと手元に来たこのベルト、おまえらの好き嫌いで決めて。そんなに棚橋と飯伏、商品として大事か? あいつら大事か、あいつらにチャンスいっぱい与えたいと。そうか。その方が金になるっつーのか。あっそ。そんなんで簡単に挑戦認めるんだったら、もういいよ。やってやるよ! 逆にやってやるよ、腹立ったよ! マジでムカついたよ! やってやるよ。その代わりよ、新日本プロレス、お前が贔屓した飯伏、棚橋。あさって、もう1回俺らに負けたらどうなんだよ? どう責任とるんだ、この野郎! なあ、次はないんだぞ、お前ら。横綱に残ってるのは番付が下がるんじゃないんだよ。引退しかねぇんだぞ。この代償はでかいぞ。肉体的にも精神的にも破壊してやるよ。あさって、ゴールデンボールズは解散だ! 摘出だ! ボールズ全摘出。それでお前らはもう何もできねえんだ。立ち上がることすらできねぇんだ。次は摘出。なあザック、やってやるよ。なあザックなぁ」

▼ザック「(神宮で)棚橋のヒザを破壊して、丸刈りにしてやる。新人として一からやり直せ。黒のパンツを履いて第一試合で若手たちと一緒に頑張れよ。タナハシ、お前は面白くもなんにもない! おまけにお前はズルい。反則野郎のくせに! お前は偽物のベビーフェイスだ。お前の本当の正体は反則野郎だ」

▼タイチ「そうでもしないと勝てねぇんだろ、おまえらはテメェ。どんな手を使ってでも来いよ。おまえら弱いんだから。わかってるぞ。棚橋、飯伏、お前らは実はそんなに仲良くないことも知ってるぞ。飯伏、お前は神じゃない。死神になるんだ! 分かってるだろ?」

▼ザック「ゴールデン・ボールズよ、バイバイだ」

▼タイチ「これで本当の最後だぞ。2度とゴールデンボールズを名乗るなよ! ここ数日間の、今日を含めて最近、好調が戻ってきたって言ってるけど、その好調は落とし穴になるぞ。俺には全部わかる。俺には全部見えた、それが落とし穴になるぞ、気をつけろよ!」

※金丸はノーコメント