プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

8/29【新日本】真夏の神宮で内藤48日ぶり二冠奪回 “心の大合唱&花火"締め

『SUMMER STRUGGLE in JINGU』東京・明治神宮野球場(2020年8月29日)
IWGPヘビー級・IWGPインターコンチネンタルダブル選手権試合 ○内藤哲也vsEVIL×

 真夏の神宮大会で内藤がEVILを下し、48日ぶりに二冠奪回。新型コロナ禍の影響で「デ!ハ!ポン!」の大合唱は実現しなかったものの、観客とともに“心の大合唱"で締めると、内藤を祝福するかのように、夜空には花火が打ち上がった。

 内藤は7・12大阪城でロス・インゴの元盟友・EVILに敗れて、二冠から陥落。BULLET CLUB入りし、さらに凶悪化したEVILは7・25名古屋で同じくロス・インゴのヒロム相手に無法防衛を果たした。その試合後、内藤は「レンタル期間終了」を通告して再戦を要求。21年ぶりに開催された神宮大会のメインで、約1ヵ月半ぶりに2人は再び二冠を懸けて激突した。

 日が暮れたとはいえ、うだるような暑さの中、EVILが先に仕掛けた。ゴング前に難癖を付けたEVILのセコンド・ディック東郷を場外に投げ捨てた内藤だったが、そこをEVILがベルト痛打で奇襲。不意打ちを食らった内藤が場外に転落すると、ようやく試合開始のゴングが鳴る。EVILは非情な首攻めに打って出ると、リング内外で一方的に蹂りん。今大会で導入されたリモート応援システムにより、内藤コールとブーイングが場内に響き渡る。

 ベルト奪還に燃える内藤はジャンピングビッグブーツで顔面を射抜いて反撃開始。介入を狙う東郷をスライディングキックで蹴散らすと、デスティーノの布石にすべく首攻めで試合を立て直す。エプロンに両足を固定しての場外ネックブリーカードロップや雪崩式フランケンもさく裂した。闇の王が猛追に転じても、必殺のEVILは阻止。グロリアやリバーススイング式DDTなど大技を惜しげもなく浴びせた。

 しかし、レフェリーの死角を突き、東郷が場外からパイプイスで内藤を痛打すると、流れはEVILペースへ。暗黒の王は強引に海野レフェリーをコーナー金具に投げつけて無法地帯を作り上げる。東郷とともにマジックキラーをお見舞いすると、ロス・インゴ軍のBUSHIがリングに駆けつけても、今度は外道が乱入して排除。東郷が金属製のワイヤーで内藤の首を絞め上げると、EVILがパイプイスを振り上げた。BULLET CLUBの暴挙に場内はブーイング一色に。

 それを歓声に変えたのがSANADAだ。花道からダッシュしてリングに飛び込み、内藤を救出。東郷&外道をバックステージに連行すると、場内は内藤コールに包まれる。その声に内藤が答えた。ランニング式デスティーノを繰り出すと、EVILの激しい抵抗を受けても、体勢を崩しながらエスペランサ(前方回転式変型フェイスクラッシャー)で鎮圧。EVILのローブローをキッチリと阻止し、バレンティアでマットに頭から突き刺すと、最後はデスティーノで熱戦を制した。

 内藤が48日ぶりに二冠王に返り咲き。激闘の爪跡と真夏の暑さにフラフラだったが、それでもマイクを持つと、「ブエノス・ノチェス、神宮球場〜!」と勝利の雄叫びをあげる。「21年ぶりの新日本プロレス神宮球場大会、そして野外にて行われる真夏のビッグマッチ、皆様楽しんでいただけましたでしょうか? 今回の神宮大会の成功は、テレビの前の皆様、インターネットの前の皆様、そしてこの暑いなか、わざわざ神宮球場に来てくださった皆様のおかげ。感謝します。グラシアス、アミーゴ!」と真っ先に観客に感謝の意を表すと、「まだまだコロナの影響で我慢の日々が続きますが、その我慢の先に明るい未来がきっと待っていると思うので、一緒に乗り越えていきましょう」と力強く呼びかけた。すっかり暗くなった神宮球場は大きな拍手に包まれる。

 内藤は「神宮大会、最後の締めはいつものあれ。でも、今日は皆様と一緒に大合唱ができませんが、ぜひ心の中で一緒に叫んでください」と語りかけると、満を持して「デ!ハ!ポン!」締めに。観客との大合唱はお預けとなったが、1・5東京ドーム、7・12大阪城ホールと今年のビッグマッチは実現できなかった雄叫びで21年ぶりの神宮大会がフィナーレとなると、内藤を祝福するかのように、打ち上げ花火が真夏の夜空を彩った。

 「俺はいまだにプロレスファン気質が抜けないからさ。この神宮球場、21年前、レフトスタンドで見ていたこと、あの頃のこと、思い出しながら試合をしちゃいましたよ。これはもしかしてプロとして失格かもしれない。でも、これが俺の一番の弱点であり、一番の武器かな。21年前の俺に改めて言いたいよ。君は21年後、この神宮球場大会のメインイベントで試合をし、そして勝利して、マイクで締めることになるよってね」と感慨深げに大会を振り返った内藤。今日の結果を受けて、『G1 CLIMAX 30』を二冠王として迎えることが決定的となったが、「9月から始まるシリーズ、短期シリーズだけどさ、多くのお客様に去年散々言った偉業を達成した姿をお見せしに行きますよ。誰も求めていないかもしれない。誰もそんなこと望んでいないかもしれない。そんなこと関係ないよ。俺がやりたいだけだから」と焦ることなく、9・3埼玉から開幕する『NEW JAPAN ROAD』に照準を合わせた。

 「今日こうして神宮球場で試合ができて気持ち良かった。たださ、もっと多くの皆様にスタンドを埋めていただいている状態の神宮球場でやりたかったっすよね」と悔しさも垣間見せたが、最後は「いろいろ困難なことはあるけど、きっとその先に明るい未来が待ってるよ。そう信じて、俺はこれからもリングに立つから。皆様も目をしっかり開いてさ、俺、そしてロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの動向をしっかりチェックしたほうがいいよ」と前向きに締めくくった内藤。再び二冠を手にした“制御不能男"は自分流のやり方で秋からの新日本をけん引していくつもりだ。

【内藤の話】「レスラーになってから、かなりの時間が経つけど、俺はいまだにプロレスファン気質が抜けないからさ。この神宮球場、21年前、レフトスタンドで見ていたこと、あの頃のこと、思い出しながら試合をしちゃいましたよ。これはもしかしてプロとして失格かもしれない。でも、これが俺の一番の弱点であり、一番の武器かな。21年前の俺に改めて言いたいよ。君は21年後、この神宮球場大会のメインイベントで試合をし、そして勝利して、マイクで締めることになるよってね。きっと今日、21年前の俺がレフトスタンドにいたら、喜んで『デ!ハ!ポン!』って心の中で叫んでくれたことでしょう。とりあえず2本のベルトを取り返した…いや、レンタル期間が終了しただけ。返してもらったから。9月から始まるシリーズ、短期シリーズだけどさ、多くのお客様に去年散々言った偉業を達成した姿をお見せしに行きますよ。誰も求めていないかもしれない。誰もそんなこと望んでいないかもしれない。そんなこと関係ないよ。俺がやりたいだけだから。俺が見せびらかしたいだけだから。ホラ、宣言通りに偉業達成したぜっていう姿を見せたいだけだからさ。誰になにを思われたって構わないよ。俺がしたいことをする。それだけ。9月の3日から、2本のベルトとともに入場しますよ。さあ、皆様、質問はありますか? いや、残念ながら、今日は答える時間がないなあ。明日、あさって、また会見があるんでしょ? えっ、俺の場合ないの? そんなことないよね。俺のためにもちゃんと会見が用意されてるんでしょ。ならさ、そこで語ろうかな。そこで皆様の質問にお答えしようかな? 今日はカンサードだよ。疲れちまったよ。じゃあ俺、帰るわ。でも、今日こうして神宮球場で試合ができて気持ち良かった。たださ、もっと多くの皆様にスタンドを埋めていただいている状態の神宮球場でやりたかったっすよね。いろいろ困難なことはあるけど、きっとその先に明るい未来が待ってるよ。そう信じて、俺はこれからもリングに立つから。皆様も目をしっかり開いてさ、俺、そしてロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンの動向をしっかりチェックしたほうがいいよ。じゃあ、皆様、またお会いしましょう。アディオス!」

※EVILはノーコメント

プロ格 情報局