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9/19【新日本】史上初“秋のG1"開幕 飯伏がオカダ撃破で絶好発進、連覇で「本当の神になる」

『レックPresents G1 CLIMAX 30』大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)(2020年9月19日)
「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 ○飯伏幸太vsオカダ・カズチカ×

 飯伏がG1開幕戦で1・4東京ドームで敗れたオカダに雪辱。連覇に向けて絶好のスタートを切ったゴールデン☆スターは「本当の神になる」と高らかに宣言した。

 昨年のG1覇者・飯伏が狙うのはもちろん連覇だが、開幕戦でいきなり天王山を迎えた。初戦の相手は"レインメーカー"オカダ。昨年のG1公式戦では飯伏がシングル初勝利を挙げたものの、1・4東京ドームでのIWGPヘビー級王座戦では返り討ちに遭い、至宝初戴冠を逃している。飯伏にとっては最大の関門と言ってもいい一戦だった。

 静かな立ち上がりとなったが、オカダは場外DDTを皮切りに、得意の変型コブラクラッチに繋げるべく、首攻めに着手。リングに戻ってもネックブリーカードロップなどで首に集中砲火を浴びせた。飯伏が切れ味鋭い蹴り技で挽回し、オーバーヘッドキックもお見舞いするが、オカダはリバースネックブリーカーで黙らせると、河津落としから巧みに変型コブラクラッチに持ち込んだ。

 早くも追い込まれた飯伏だったが、ロープに足を伸ばしてどうにかエスケープすると、場外に転落する。あとを追ったオカダはツームストンを狙ったものの、払いのけた飯伏はエプロンからロープに駆け上がり、ケブラーダで飛翔。ようやく勢いを掴んだ飯伏はスワンダイブ式ミサイルキックや雪崩式フランケンで追撃した。しかし、オカダもツームストンパイルドライバーで逆襲。試合を五分に戻すと、2人は互いにアゴを突き出しながら、感情むき出しでエルボー合戦を繰り広げる。

 競り勝ってオカダを腰砕けにさせた飯伏はレインメーカーの側頭部に強烈なローキックをズバリ。目がうつろになったオカダをみるや、距離を取ってボマイェへ。しかし、一歩先に踏み込んだオカダは飯伏をキャッチしてスクリュー式ツームストンで突き刺し、再び変型コブラクラッチに捕らえた。

 大ピンチを迎えた飯伏だったが、勝負を捨てずに立ち上がって必死の抵抗。オカダも逃してなるものかとしつこく絡みつくが、飯伏は強引に前方に投げ飛ばして窮地を脱すると、続くオカダのショットガンドロップキックを空転させる。オカダがローリング式レインメーカーを狙っても、カウンターの右ハイキックで蹴り倒し、ランニングニーからカミゴェの体勢に。

 両手を振り払ったオカダはドロップキックをぶち込むと、ロープに振ってなおもドロップキックを発射。さらに、ひらめきを発揮し、カミゴェの体勢からもドロップキックを狙った。が、飯伏もひらめきで応戦し、その足をキャッチしてシットダウンパワーボムで鎮圧。ボマイェから今度こそカミゴェをぶち込んで、レインメーカーを仕留めた。

 飯伏がオカダを下して1・4東京ドームで敗れた雪辱を果たし、連覇に向けて絶好のスタートを切った。「こんな状況の中、本当に集まってくれて、僕は本当に嬉しいです」とマイクを持って観客に感謝の意を表した飯伏は「そして、Aブロック、いや、このG1の優勝候補であるオカダ・カズチカに勝ったこの1勝はメチャクチャ大きいと思います」とレインメーカー撃破で手応え。そして、「僕は逃げない、負けない、諦めない、裏切らない。そして、本当の神になる」と宣言した。

 「僕は『G1はリーグ戦なんで、配分を考えて戦う』と言ってきたんですけど、結果、初戦がオカダ戦。これはもう全力でいくしかないですよね。だから、全力でいきました」と“全力"を強調した飯伏は、「まだオカダ選手はレインメーカーも出してないし、本当に全力じゃないんじゃないかと。僕はそう思っています。また1対1で戦う日が来たら、その日またもう一度綺麗に決着をつけましょう」とオカダとの再戦も視野に入れた。

 「本当の神になる」発言については「みんなが思っている神というものは、僕の尊敬する棚橋さんであったり、中邑さんであったり、いろんな人物のことを言っているんですけど、これはみんなの想像に任せますよ。僕が言っているのは本当の神になる。神様になる。これはたぶんわからないと思うんですよ。わからないんですけど、わかる人にはわかると思うんです」とあえて細かく説明せず、今後の試合で体現していく構えだ。

 次戦は9・23札幌大会でのジェイ戦。昨年の優勝決定戦では飯伏が勝利したが、1・5東京ドームで敗れており、初戦に続いて雪辱戦となる。東京ドームでの連敗で昨年のG1を制した勢いが止まってしまったと考えている飯伏は「連敗でやっぱり薄まったのかなと思っているんで、自分の実力が。ここでやっぱり見せつけたいなと思います」と必勝を宣言。ドーム連敗を払しょくし、連覇へ弾みをつける。

 一方、黒星発進となったオカダはノーコメントで控室へ。9・23札幌大会では因縁を引きずる裕二郎と対戦する。

【試合後の飯伏】
――今日の一戦はリーグ戦が9試合ある中でただの一戦じゃないと試合前に話していた。その一戦で勝利した意味をどう捉えている?

▼飯伏「去年のG1で、僕は優勝決定戦に勝つためには、オカダ・カズチカに勝たないといけなかった。そして、僕は東京ドーム、1・4のメインイベントでオカダ選手に負けているんです。そのリベンジも含めて、今日の一戦、全力で戦いました。僕は『G1はリーグ戦なんで、配分を考えて戦う』と言ってきたんですけど、結果、初戦がオカダ戦。これはもう全力でいくしかないですよね。だから、全力でいきました」

――その結果、見事に勝利を収めた。1・4東京ドームでは敗れたが、今日の試合では「今のオカダと今の飯伏を見てほしい」という話をしていた。どんなところが変化した?

▼飯伏「いや、そのまんまですね。そのまま返したいです。今の飯伏幸太、今のオカダ・カズチカ。ただ、まだオカダ選手はレインメーカーも出してないし、本当に全力じゃないんじゃないかと。僕はそう思っています。また1対1で戦う日が来たら、その日またもう一度綺麗に決着をつけましょう」

――マイクパフォーマンスで印象的だったのは、これまで「神になる」という発言はあったが、「本当の神になる」と言っていた。「本当の」という部分にこれまでと違うニュアンスを感じるが、どういうイメージ?

▼飯伏「みんなが思っている神というものは、僕の尊敬する棚橋さんであったり、中邑さんであったり、いろんな人物のことを言っているんですけど、これはみんなの想像に任せますよ。僕が言っているのは本当の神になる。神様になる。これはたぶんわからないと思うんですよ。わからないんですけど、わかる人にはわかると思うんです。本当の神様になるという意味での神です」

――重要なオカダ戦で白星を取った。次戦は9・23札幌で、去年の優勝決定戦と同じカードであるジェイ・ホワイト戦となる。非常に強敵だと思うが、そこに向けての意気込みは?

▼飯伏「去年は優勝決定戦で勝っているんですけど、1月5日に僕はジェイ・ホワイトに負けているんで。それがオカダ・カズチカ、ジェイ・ホワイト、この順番なんですよ。去年のG1もそうですし、1月4日、5日、この伝説の東京ドーム大会でも連敗しているんで。こっち(G1)では勝っているのに、東京ドームでは負けているんで。ここでちょっと差ができたのかなと。そして今、こういう状況。コロナウイルスで、しばらく試合ができない期間があったので、そこでちょっと薄まったのかなと。去年のG1優勝からの印象が薄まってしまったのかなと。あとは連敗でやっぱり薄まったのかなと思っているんで、自分の実力が。ここでやっぱり見せつけたいなと思います」

――タッグ戦線での活動が長かったが、久しぶりにシングルでのメインイベントで勝利した気持ちは?

▼飯伏「シングルでの勝利はうれしいし、何よりもオカダ戦に勝ったというのが嬉しいし。あと久々だったんで、シングルマッチの感覚っていうのが、無観客ではこの間1試合、2試合やりましたけど、久々の有観客での(シングルの)試合だったんで、ちょっと感覚が掴めないですよね。まあ、お客さんが声を出せない分、自分の感覚っていうものが掴めない。まあ、逆に言えば、それで思いっきり全力でいけたのかなという部分がありますね。(勝利は)その部分での差かもしれない。もしかしたら、(通常の雰囲気で応援できる環境の中で)お客さんがいたら僕が負けてたかもしれないし、わからないですけど、今日のこの状況での結果なので」

――もともと飯伏選手は破天荒なことをして観客の声援を後押しにして、相手をどんどん追い込んでいくスタイル。そういうことからして、この観客が声を出せないという状況は、物凄くハンディになっているのでは?

▼飯伏「僕もそう思ってたんです。キャリア15年、16年目にして無観客でしばらく試合があったじゃないですか。その間に、お客さんがいるのといないのと経験して、いるのもいないのもあまり変わらないっていうのを感じたんで。その辺は凄い経験になりましたね。3月、4月、5月で、凄く経験になりました。無観客をやってよかったなと、それは思いますね」

※オカダはノーコメント

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