10/5【新日本】飯伏がオスプレイ下して単独首位 最先端&立体的攻防制して4勝目

『レック Presents G1 CLIMAX 30』香川・高松市総合体育館第1競技場(2020年10月5日)
Aブロック公式戦　○飯伏幸太vsウィル・オスプレイ×

　連覇を狙う飯伏がG1・Aブロック公式戦でライバル・オスプレイを撃破。4勝目を上げてAブロック単独首位に立った。

　力を認め合う親友対決。“日英天才対決"ともいうべき「飯伏-オスプレイ」の黄金カードは、過去に東京ドームでも実現。昨夏G1でもウルトラC連発の熱闘を繰り広げ、昨年は飯伏に軍配が上がっていた。

　今年は高松メインを舞台に熱闘。序盤から押したのは雪辱を狙うオスプレイだった。20kg増量のヘビー級となっても色あせぬ立体的な動きで翻ろうし、エプロンサイドから場外へのフライングフォーアームを発射、そのまま主導権を握った。

　苦境が続いた飯伏も美しいドロップキックやその場飛びムーンサルト、カウンター式のフットスタンプなどで華麗に反撃したが、オスプレイも止まらず。カウンターのサマーソルトキックで巻き返し、スワンダイブ式フォーアームで宙を舞うと、場外の飯伏にサスケスペシャルを敢行した。

　そして、ある意味“飯伏-オスプレイ名物"ともいうべきコーナー上の攻防へ。競り勝った飯伏がスワンダイブで飛びついての雪崩式フランケンシュタイナーを繰り出したものの、オスプレイは前方回転して着地。ウルトラCをウルトラCで切り返し、やはり飯伏も目をパチクリさせた。

　そのまま両雄は意地のエルボー合戦に突入。“重み"を増したオスプレイが押し込み、挑発的なステップキックを繰り出すと、やはり“キレた"飯伏が掌底をズバリ。投げ捨てジャーマンからボマイェで突っ込む。オスプレイがフックキックや旋回式ライガーボムで反撃に出ても、止まらない飯伏は強烈な右ハイキックをぶち込むや、シットダウン式ラストライドで豪快に叩きつけた。

　オスプレイが肩を上げると、その後は壮絶な読み合いへ。オスプレイがカウンターのトラースキックを当てて必殺ストームブレーカーを狙えば、着地した飯伏も逆さ押さえ込みからのカミゴェを狙う。ならばとオスプレイも切り抜けてオスカッターで飛びついたが、飯伏もこれを二段式の飛びヒザ蹴りで空中撃墜。立て続けにカミゴェをぶち込み、一瞬の勝機をこじ上げて3カウントにつなげた。

　今年も最先端で立体的な熱闘を展開したうえで飯伏が勝利。敗れたオスプレイの手を握って熱闘に感謝した飯伏は、「これで4勝目。何度でも言います。逃げない、負けない、あきらめない。そして裏切らない。僕は神になる!」と改めてマイクで叫んで高松大会を締めくくった。勝ち点を8に伸ばしてAブロック単独首位に立ったゴールデンスターが、連覇の頂と“神の領域"を目指して突っ走る。

【飯伏の話】「どうですか、僕の(※右のニーパッドを下ろし、パンパンと叩きながら)ヒザは? 16歳……。4勝目。このまま(残りの公式戦)全部、負けなしで優勝しますよ。そして、宣言通り神になる。それは変わらない。(※記者一人ひとりを指差しながら)何を言ってるかわからない? 絶対そう思ってるでしょ。ほんとになるから。ほんとに。まだまだあきらめない。次もあるんで。何かありますか? まだまだ(※自分の頭を人差し指で指し)自分の計算で。今年も。2連覇しますよ。そして、3年連続決勝戦(進出)。必ず行きますから。(※少し口を開けて下の前歯を指し)歯も元気です」

【オスプレイの話】「(※頭を抱えて座り込み)何て言えばいい? でも、言い訳なんかしたくない。今日のあいつは俺よりも強かった。でもこれで『G1』は終わりじゃない。まだAブロックのトップに立てるチャンスは十分残ってる。イブシさん、俺は本気であなたは世界最高のレスラーの1人だと思ってる。でも、今日たまたま勝ったからって勘違いはしないでくれよ。ビリー・ザ・ゴートはすぐに巻き返す。(※某記者に目を向けて)ハシヅメ、次は誰だった? (※しばらく出てこなかったが、思い出したように)あっ、スズキだよな? スズキか、クソッ! 殺される……いいや、俺は死なない! スズキは親父と同い年だぞ。親父なら確実に倒せる。スズキが父親だと思って闘うよ。(※控室に向かいながら自分に言い聞かせるように静かな口調で)あぁ、親父を倒してやる……」