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10/6【新日本】棚橋が“コロナ禍G1”で涙のメイン締め 「誰ひとり置いていかないから!」

『レック Presents G1 CLIMAX 30』広島サンプラザホール(2020年10月6日)
Bブロック公式戦 ○棚橋弘至vsKENTA×

 G1広島2連戦初日のメインで棚橋がKENTAを撃破。“コロナ禍G1"で初のメイン締めとなった棚橋は男泣きに暮れ、「誰も置いていかない」誓いを立てた。

 棚橋、KENTAともに2勝2敗の5戦目で激突。序盤から主導権を握ったのは、昨年G1でも棚橋を破っているKENTAだった。

 背後からの低空エルボーで棚橋の左ヒザを射抜くと、逆エアギター(ベース?)の挑発もはさみつつ、そのまま徹底したヒザ攻めへ。棚橋が反撃に出ても、すぐさまパワースラムで鎮圧し、スイング式のスタンガン、ダイビングラリアット、そして足4の字…と徹底的に拷問した。エプロンサイドの攻防に発展しても低空ドロップキックを繰り出したKENTAは、断崖式ドラゴンスクリューまで発射し、またもや4の字で絞めに絞め上げた。

 うめき声を上げ続けた棚橋も、左ビンタとバックブローの打ち合いに持ち込んで戦況を五分に。KENTAのグリーンキラー狙いをロープ越しのドラゴンスクリュー発射で切り返すや、そのままグラウンド式ドラゴンスクリューからのテキサスクローバーで巻き返す。

 逃れたKENTAもレフェリーとの交錯を誘うや、ボディプレスで棚橋ごとレフェリーをプレス。無法地帯を作り上げ、すかさず“アメリカ版ニュージャパンカップ覇者"の証・赤いブリーフケースを手にして棚橋の頭部を殴りつける。続けてランニングローキック、ブサイクへのヒザ蹴り、顔面へのニーリフト…と猛蹴撃をかけ、go 2 sleepで仕上げにかかった。

 だが、首をつかんで切り抜けた棚橋は、ツイスト・アンド・シャウトで切り返すと、そのままツイスト・アンド・シャウトを連発。続けざまにスリングブレイドで突っ込むや、ハイフライアタックへ。そして再度テキサスクローバーで絞めに絞め上げ、KENTAからギブアップを意思表示させた。

 KENTAをねじ伏せた棚橋が、1年越しの雪辱に成功したうえで3勝目。何より今G1初の“メイン後空間"に立った棚橋の目は、早くもうるんでいた。

 理由はやはり“コロナ禍”だった。マイクを握って「皆さん、新日本プロレスが広島に帰ってくることができました。ありがとうございました!」と涙声で感謝。声援禁止の場内からの“声なき声"に耳を傾け、恒例のエアギターも手拍子のなかで2度かき鳴らした。目いっぱいの手拍子に再び涙腺が緩んだ棚橋だったが、最後は「G1 CLIMAXちょっくら優勝していきます。では力いっぱいの握りこぶしをお願いします。最後に…広島の皆さん、愛してまぁぁあす!!」と締めくくり、最後はリング四方への“エアハグ"の仕草でファンとスキンシップを取った。

 客席は50%しか設置できず、興行での選手数も最低限。出番が減った選手も多い。G1を開催できた尊さと、厳しい現実のはざまでの涙だった。

 「観客が開放になって、お客さんが来てくれる。ホント、うれしい。うれしいけど、やっぱりその、お客さんの席数には制限があって。来たくても、来れない人いるんだろうなあって思ったりとか。こういうタイミングで、好きだったプロレス、離れちゃったら寂しいなあとか、考えて……。けど、俺の気持ちは、誰ひとり! 置いていかないから。全員、連れていくから。……ケガで休んでる選手、試合数の関係で出れない選手、みんな仲間だから。柴田(勝頼)選手もそうだよ。絶対、誰ひとり置いてかない。絶対、また新しい、新日本プロレスを作っていきたい」。時折声を詰まらせながら、そう語った棚橋。新たな誓いとともにG1後半戦へと向かう。

【棚橋の話】「(※指を3本立てて)勝ち星先行。よしっ……。(※自分に言い聞かせるように)まだいける。まだいけるから。ハア……ハア……。『G1 CLIMAX』、いろんな選手が輝いて、頭角現して、そういった中で俺は何をやってんだっていう葛藤ももちろんあって。今日もね、今日というかもう、(※ときどき言葉に詰まりながら)観客・が・開放になって、お客さんが・来てくれる。ホント、うれしい。うれしいけど、やっぱりその、お客さんの席数には制限があって。ハア……(会場に)来たくても、来れない人いるんだろうなあって思ったりとか。ハア……こういうタイミングで、好きだったプロレス、離れちゃったら寂しいなあとか、考えて……(※汗まじりで涙が頬を伝う)。ハア……けど、俺の気持ちは、誰ひとり! 置いていかないから。全員、連れていくから。……(※涙をこらえながら)……ケガで休んでる選手、試合数の関係で出れない選手、みんな仲間だから。柴田(勝頼)選手もそうだよ。絶対、誰ひとり置いてかない。絶対、また新しい、新日本プロレスを作っていきたい。(※少し涙声になって)そして……絶対、それは俺、この手でやりたい。やって見せるから。『G1 CLIMAX』、ちょっくら、優勝してきます」

【KENTAの話】「(※コメントスペースに入ると、ビデオカメラに目をやる。その瞬間、不機嫌な表情に一変)やっぱりだよ。やっぱりだ。思った通りだよ。試合は負ける。カバンは壊れる。散々だよ。ああ……。なんでかな? なんでかな? (※ビデオカメラクルーに向かって)いつまで来んだよ。やめてくれ、付きまとうの。警察に言うよ……。(※真顔で)本気だから。これ以上、付きまとうなよ……」

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