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10/7【新日本】鷹木がG1広島メインで飯伏粉砕! 12年来シングル初対決制して“昇竜"宣言

『レック Presents G1 CLIMAX 30』広島サンプラザホール(2020年10月7日)
Aブロック公式戦 ○鷹木信悟vs飯伏幸太×

 両者“12年来の念願"という飯伏と鷹木のシングル初対決が、G1広島大会のメインに据えられたAブロック公式戦で実現。激闘の末に鷹木が前年覇者・飯伏粉砕に成功し、広島の地で“昇竜宣言"を放った。

 同じ1982年生まれで、同じ2004年デビュー。鷹木がDRAGON GATE、飯伏がDDT所属時代の2008年にタッグマッチで初対決し、以降団体は違えど“いつの日かのシングル"を互いに思い描いてきたという。

 “12年来の念願"が詰まったシングル初対決は、新日本マット、しかもG1広島大会のメインで実現。のっけから対戦実現を喜び合うような激しいエルボー合戦で試合は幕を開けた。

 先手を握ったのは鷹木。飯伏のスワンダイブを飛翔直前でキャッチするや、スタンガンを見舞って強烈なラリアットで飯伏を場外へ。そのまま場外DDTなどで主導権を握った。飯伏もその場飛びムーンサルトなどで鮮やかに反攻したが、譲らない鷹木も飯伏の右ミドルを足への手刀でムキにになって叩き落としにかかり、左ラリアットでぶっ倒した。

 さらには続く激しい読み合いも熨斗紙で制したが、飯伏も真っ向からのラリアット合戦で譲らない。鷹木の高速バックドロップを受けても、すぐさま高速ドラゴンスープレックスで返礼し、両者大の字となった。

 その後はこん身の右ミドルと逆水平を打ち合う意地の打撃戦。鷹木が不意打ち式のアッパーカット、ワンツーエルボー乱打からの後頭部ラリアットで競り勝ったかにみえたが、飯伏も続くジャーマンは一回転して着地。逆に尻もちをつく鷹木の後頭部をランニングローキックで蹴り抜き、非情の一撃に場内どよめいた。

 すかさず飯伏はシットダウン式ラストライドで3カウントを迫り、キックアウトした鷹木のポップアップ式デスバレーボムを浴びても止まらず。逆に追撃をカウンターの二段式ジャンピングニーで迎撃だ。鷹木もカミゴェをノーハンド頭突きで迎撃したが、飯伏も2発目の頭突きにカウンターの掌底をめり込ませて応戦だ。

 沈まぬ鷹木もハイキックを避けてのメイドインジャパンで好機を切り開くや、前後からのパンピングボンバーを3連発。かろうじて肩を上げた飯伏に、鬼のショートレンジラリアット3連発を叩き込んだ。

 それでもしのいだ飯伏は、豪快なカウンターの強烈ラリアットをぶち込むや、続けざまにボマイェを発射。立て続けにカミゴェを放って勝負あり…かと思われた。

 だが、鷹木はなんと正面からキャッチ。と同時に素早くクラッチしてラスト・オブ・ザ・ドラゴンで完璧に突き刺し、一気に3カウントを奪った。

 12年来の思いが詰まったシングル初対決は鷹木に軍配。しかも前年覇者をメインで破る会心のG1・3勝目だ。試合後は互いに“もう1回"のジェスチャーで再戦を誓いあったが、興奮気味にマイクを握った鷹木は「おい広島! この1勝はでけえぞ! これで俺のG1戦績は3勝3敗、やっとイーブンだ。これから話すことは理屈じゃねえ。感情論として話す。広島のお前らも新日本プロレスが好きなんだろ? だったら感情論で聞いてくれ。今日の試合、俺は前年覇者、Aブロックの首位を走る飯伏幸太から勝った。間違いなく勝った! それがどういう意味か分かるか? 残り3戦、まだ俺にも決勝に残るチャンスがあると俺は信じてる。まだまだ俺は行けるぞオイ!」と男臭く逆転Vロードを見据えた。

 最後は「今日の飯伏戦勝利の勢いを駆って、G1最後まで、龍が如(ごと)く駆け昇ってくぞ〜!」と“昇竜宣言"で締め。完全に波に乗った鷹木は、続く10・10大阪大会で当たるオカダ・カズチカにも「(必殺技の)レインメーカーは封印だと? オイ、それは俺たちのことバカにしてんのか? それとも自分だけが次のステップに、行こうとしてんのか? 気に入らねぇな、オカダ。俺は龍魂(ラリアット)だろうがパンピング(ボンバー)だろうが、右でも左でも、何発でも打ち込んでやるからな。正直なところ、俺はオカダと正面からぶつかったことねぇから、アイツを脅威に感じたことねぇんだよ。オイ、オカダ、俺に、強くてすごいオカダで来てくれよ! じゃなかったら、勝つ意味はねぇからよ」と勝ち気なメッセージを叩きつけた。

【鷹木の話】「(※アリーナを仕切る扉を入ったところで立ち止まり深呼吸。気持ち落ち着かせてから、ゆっくりとコメントスペースへ。ノドを押さえ、言葉が出てこない。しばらくしたのち)ハア、ハア、ハア……キツかったな。ホント、キツかった。だがそれ以上に! こんなこと言ったらアレだけど……多分これは飯伏もいっしょだろうな、楽しかったよ。飯伏と闘えて。率直な感想は、楽しかった。戦前は“『G1』だから、そんなこと関係ねぇ"って言ってたけど、やっぱり、俺はアイツのこと12年前から追いかけてたから、感慨深いものがあった。『G1』だからそんなこと考えちゃいけないって思ったけど、まあ、向かい合ったらつい、笑顔が出ちまったな。ま、それでもよ! 飯伏の野郎、試合前、誌面(紙面)とかで、『鷹木は誰とでもいい試合する』とか(言ってやがって)。38(歳)になんのによ、いまさら“善戦マン"じゃキツイぜ、オイ。なあ、だから今日は、何としてでも勝ちにこだわりたかった。まあ、そんな12年間追いかけた。俺は常に、団体は違っても、仮想の相手、対戦相手・飯伏幸太ってのは頭に入れてたから。その反骨心が、今日はちょこっと差が出たんじゃねぇかな。まあでも、リング上で言った通り、今日の勝ちはデカい。この勢いを持って……そう、オスプレイの時もそうだ。オスプレイに勝って一気にいくと思ったら、石井に負けた。だが、前年度覇者の、トップを走る、首位を走る、飯伏から勝った。この勢いを持って、一気にいかなきゃいかんだろ。次の相手はオカダか! (※自然と笑みがこぼれ)ヘヘッ、オカダか。なんだかあの野郎、テーピングが目立つな。オッ、満身創痍か? オイ、プロレスラーっつうのはな、満身創痍なんてのは当たりめぇなんだよ。俺がグッドコンディションで試合したときなんかな、デビュー戦以来ないわ。たかが1試合だよ。体が痛かろうが、レスラーはやるしかねぇ。おまけになに? レインメーカーは封印だと? オイ、それは俺たちのことバカにしてんのか? それとも自分だけが次のステップに、行こうとしてんのか? 気に入らねぇな、オカダ。俺は龍魂(ラリアット)だろうがパンピング(ボンバー)だろうが、右でも左でも、何発でも打ち込んでやるからな。オイ、正直なところ、俺はオカダと正面からぶつかったことねぇから、アイツを脅威に感じたことねぇんだよ。オイ、オカダ、俺に、強くてすごいオカダで来てくれよ! じゃなかったら、勝つ意味はねぇからよ。まあ俺は、こう見えて、口ベタなんで、話は短めに、終わらせてもらう」

【飯伏の話】「(※真っすぐ歩けず、フラフラした足取りで引き揚げてくる。コメントスペースにたどり着くと、立っていられずに座り込む)はあ……。この1敗は……デカい。この1勝は、大きいと思う。彼は……ここ、ここで、ここで勝てなかったってことは、ちょっと、後々、響いてくるのかなと……。ウン……。ホントに、『G1』抜きにして、鷹木信悟、(シングル)初対決、何回でも、何回でもやりたいと、ずっと言ってきて、やっと実現した、初シングル。タッグとかでは、何度かやってるけど、シングルはホントに初めてだったから。彼の言ったようにやっぱり、彼の1勝はおっきいし、僕の1敗は、大きい。でも、逃げない、負けない、あきらめない。絶対、裏切らないから……。はあ……。(※ゆっくり立ち上がり、フラフラと控室に歩を進めながら)効いたあ……。ああ、クソーッ……」

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