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10/8【新日本】EVILが棚橋の連勝止めて4勝目 「次は内藤、オメェだよ」

『レックPresents G1 CLIMAX 30』ジップアリーナ岡山(2020年10月8日)
「G1 CLIMAX 30」Bブロック公式戦 ○EVILvs棚橋弘至×

 岡山でも悪の限りを尽くしたEVILが棚橋の連勝を止めて4勝目。10・11名古屋の内藤戦へ向けて「次は内藤、オメェだよ」と今宵の再現を予告した。

 2年ぶり4度目の優勝を狙う棚橋は内藤、矢野に連敗を喫したものの、その後はジュース、YOSHI-HASHI、KENTAと3連勝。白星先行と一気に巻き返してみせた。この日の相手は前二冠王者・EVIL。同じく3勝2敗で星を潰し合う状況となった。両者は昨年も同ブロックで棚橋が勝利している。

 予想されたこととはいえ、セコンドについたディック東郷が随所で介入して棚橋を苦しめた。セカンドロープに飛び乗ってのダイビングボディアタックを放って先手を取った棚橋を東郷が場外に引きずりおろすと、EVILが棚橋の首にイスを引っかけてのイス攻撃をお見舞い。棚橋もドラゴンスクリューやフライングフォーアームで反撃に出るものの、東郷に気を取られたスキを突かれ、EVILのジャーマン、フィッシャーマンバスターで攻め込まれた。

 じれったい展開が続いた棚橋だったが、Scorpion Deathlockは決めさせず。東郷にスライディングキックで突っ込むと、EVILにはロープ越し、グラウンドとドラゴンスクリューを連発してからテキサスクローバーホールドで絞め上げて挽回。EVILが狙ったEVILもことごとく食い止め、ダークネスフォールズもスリングブレイドで切り返して先をいった。

 東郷が介入を狙ってもセコンドの辻が阻止。勝機が訪れた棚橋はハイフライアタック、急角度テキサスクローバーホールドでたたみかける。辻を振り切った東郷が乱入しても張り手で撃退し、EVILにツイストアンドシャウト、スリングブレイドと得意技を連発して流れを作る。うつ伏せとなったEVILにハイフライフローを投下し、正調ハイフライ弾による仕上げを狙ってコーナーに上がった。

 場内は棚橋コール代わりの手拍子で押せ押せムード。東郷がイスを投げつけても棚橋もその手は食わず。イスをナイスキャッチすると改めてハイフライフローの構えに。またも手拍子が逸材の背中を押したが、レフェリーがイスを片付けるスキに東郷が足を引っ張って妨害し、棚橋は急所からコーナー金具に落下してしまう。すかさずトップロープからの雪崩式ブレーンバスターで叩き落としたEVILはダークネスフォールズからの必殺EVILで一気に3カウントを奪った。決着した瞬間、まばらな拍手が起きたものの、岡山のファンはあっけにとられたように静まり返った。

 EVILがまんまと棚橋を料理して4勝目をもぎ取った。試合後、「棚橋。おめぇの完敗だったな」と嘲笑したEVILは「岡山のクソヤローども、誰が正義で、誰が頂点で、誰が本物か、わかっただろ」と悪態をつきながら吠え、「EVIL is Real!」の叫びで締め。バックステージでも「棚橋。いいか、オイ、俺の方がお前より強ぇんだよ」と勝ち誇った。

 単独2位となったEVILの次戦は10・11名古屋大会。二冠王者・内藤との遺恨対決を控える。8・29神宮球場で二冠を奪われて以来の再戦で、G1の舞台で復讐の機会が巡ってきた。しかも内藤は現在、Bブロック単独首位。雪辱を遂げれば首位タイに浮上できる。報復を狙うEVILは「次は内藤、オメェだよ」と今宵の再現を予告してみせた。

 一方、棚橋は連勝が3でストップし、3敗目を喫した。試合後のリング上で「負けて悔しいっていう、デビューしてるときの気持ちをね、思い返していた」という逸材は、「悔しいから頑張るんだし、悔しいからどうやったら勝てるかを考えるんだし。大丈夫。こっからの俺は強ぇよ」と前向きさを失わず。「G1、あきらめてないから。ちょっくらじゃないよ。絶対、優勝してきます」と言い切ってみせた。次戦は10・11名古屋で後藤戦を控える。

【EVILの話】「オイ棚橋。いいか、オイ、俺の方がお前より強ぇんだよ。そして次は内藤、オメェだよ。それからよ、ジェイ。お前、ずいぶん裕二郎のこと信じてるみたいだな。そうか、オイ(※不敵な笑みを見せ)ハッハッハ。(※小さな笑い声を漏らすと、東郷の肩を軽く叩いて控室へ向かう)」

【試合後の棚橋】
▼棚橋「(※コメントスペースにたどり着くや、フロアにうつ伏せになって顔をうずめる。しばらくそのまま何かを抑えるように無言。右拳で何度も軽くフロアを叩き、意を決したように『エイッ』と小さく声を出すとともに上半身を起こして体育座りに)プロレスラーになって、勝ってうれしい、負けて悔しい、そういう気持ちが強くなってたのかなと思って。でも、コンディションがよくなかった。(コンディションが)よくなって、動けて、お客さんが盛り上がってくれたというところで満足しちゃいけないと、いつも思ってた。だから今日は、負けて悔しいっていう、デビューしてるときの気持ちをね、思い返していたっていうか。そこだろうな。この悔しいから頑張るんだし、悔しいからどうやったら勝てるかを考えるんだし。大丈夫。こっからの俺は強ぇよ」

――最後、スリーカウントを奪われた瞬間、観客席から起こったタメ息は聞こえた?

▼棚橋「(※立ち上がりながら)ああ、聞こえなかった。聞こえなかったけど、それだけ期待を裏切ったってことだよね。こういう状況でも(会場に)来てくれて、期待してくれたお客さんを裏切った……つらい! つらいけど、エネルギーに変えて。G1、あきらめてないから。(※しばらく間をあけてから)ちょっくらじゃないよ。絶対、優勝してきます」

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