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10/10【新日本】飯伏が7年ぶり対決で鈴木に激勝、壮絶打撃戦で原点回帰 「あと全勝でいく」

『レックPresents G1 CLIMAX 30』大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)(2020年10月10日)
「G1 CLIMAX 30」Aブロック公式戦 ○飯伏幸太vs鈴木みのる×

 飯伏が7年ぶりの対決となった鈴木をカミゴェ葬。壮絶な打撃戦によって原点回帰した昨年覇者は「あと全勝で行きますよ」と連覇達成へ向けて誓った。

 首位タイで迎えた飯伏の7戦目の相手は鈴木。2013年以来の同ブロックで前回は鈴木が勝利。7年ぶりの対決が実現した。

 刺激的な一戦は打撃戦の様相を呈した。のっけから両者のローキックや掌底が激しく交錯。鈴木が掌底のコンビネーションを上下に打ち分け、足関節の極め合いでもアキレス腱固めで絞め上げて優位に立つ。飯伏のフロントハイキックで場外に蹴落とされると、鈴木は花道を下がって、「来い飯伏!」と喧嘩腰で手招き、呼応した飯伏もやってきて、花道上でエルボー合戦を展開。足を止めての打ち合いとなったが、鈴木が右ストレート、フルスイングエルボー連打で競り勝った。

 高笑いを上げた鈴木がその後も打撃の雨を降らせて圧倒したが、飯伏は掌底連打、ローリングソバットと打撃で対抗して反撃を開始。意地で仁王立ちする鈴木をミドルキック、ランニングローキック連打で蹴りまくり、挑発的な張り手を連発したが、顔色が変わった鈴木がフルスイングエルボーでアゴを射抜くと、飯伏は力なく崩れ落ちた。

 ふらつく飯伏に鈴木は容赦なし。エルボー連打でめった打ちにし、ヒットするたびに鈍い衝撃音が場内に響き渡る。「どうした飯伏!?」と挑発した鈴木は飯伏がハイキックで逆襲しても、エルボーで応戦してダブルダウンに。場内が大きな手拍子に包まれる中、両者は近距離で高速回転のエルボー合戦で真っ向から火花を散らす。ともにヒザをついても打ち合いを止めず、掌底合戦へと発展した。

 これを左右の連打で制した鈴木はスリーパーからゴッチ式パイルの構え。飯伏はリバースと同時にカミゴェを放ったが、これをキャッチした鈴木は逆エビ固めを急角度で決めた。普段めったに見せない基本技を出した姿は、本能の赴くまま戦っているかのようだったが、飛びヒザ蹴りで逃れた飯伏はスタンド状態でのカミゴェをさく裂。むき出しの右ヒザによる正調・カミゴェでダメ押しして逆転の3カウントを奪った。

 壮絶な打撃戦の末、飯伏が鈴木に7年前の借りを返した。キックボクシングのバックボーンを持つだけに「今日一度も飛んでないし、もともと打撃戦が大好きだったんで。格闘技を始める頃に戻してもらった。この1勝は大きい」と鈴木との死闘によって原点回帰。打撃技が自分にとって大きな武器であることを再認識することができた。

 残る公式戦は裕二郎戦(10・13浜松)、タイチ戦(10・16両国)の2試合。「これでまた一歩一歩、高い戦いができたと思います」と手応え十分の飯伏は「今日で5勝目。あと全勝でいきますよ。今日も逃げなかったし、あきらめなかった。次は絶対あきらめない、裏切らない」と連覇を見据えて誓ってみせた。

 一方、鈴木は4敗目を喫して勝ち点6止まり。次戦の相手はジェイとなるが、自力優勝が消滅してしまった。それでもやりたい戦いができたか、試合後は大の字となりながらも満足げな笑顔を見せていた。

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